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【 このままでは誰も確認することは不可能 – 福島第一原発の現在の本当の状況 】
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2014年6月20日 星の金貨プロジェクト
ニュートリノ現象に類するミュー粒子(ミューオン)画像解析技術により、今、メルトダウンした3基の原子炉の詳細が初めて明らかになる?
マシュー・L・ワルド / ニューヨークタイムズ 6月17日
物理学の教科書の脚注部分でわずかに触れられることがある、それ程に普段なら私たちの生活に関わることはない特殊な物質が、福島第一原子力発電所の事故収束・廃炉作業における重要なカギとして浮上してくる可能性があります。
福島第一原発の中にあるもの、それはメルトダウンを起こした破壊された3基の原子炉の炉心、放射性物質まみれの数百トンに上るがれき、そして折れ曲がりねじれた金属フレーム、プルトニウム、セシウム、ストロンチウムです。
2011年に発生した巨大地震と巨大津波によって発生したメルトダウンの後、原子炉内にあった核物質のうちのほとんどは再び個体の状態に戻ったと考えられます。
しかしその周囲は破壊された原子炉の部品や崩れ落ちた原子炉建屋の建材で埋め尽くされ、これらの核物質はきわめて狭隘な空間の中に閉じ込められています。
しかしそれとて現実に中をのぞくことが出来た人間などは存在せず、技術者がそのように想像しているに過ぎません。
破壊された原子炉の重要な部品がどうなっているかを検証することが出来ない以上、誰も本当のことは知らないのです。
事故発生からすでに3年3カ月が過ぎましたが、実況見分のため原子炉内に入ることは危険過ぎる行為であり、カメラを入れるためどこかに穴を開けるなどすれば、そこから放射性物質が漏れ出す危険性があります。
原子炉の状態を監視するシステムが事故後の数日間全く稼働できなかったため、原子炉のどの部分が無傷であり、どの部分が溶け落ちてしまったのか、事故収束・廃炉作業にあたる技術者の手元にはコンピュータで解析を行うために必要なデータがありません。
そして原子炉建屋の亀裂などから放射性物質が漏れ出していることが予想されますが、分厚いコンクリートと鋼鉄などを組み合わせた構造のため、エックス線などの従来技術では、安全のため十分に離れた場所から建物全体の検証を行うことは不可能です。
米国のロスアラモス国立原子力研究所の最高技術責任者のダンカン・W・マクブランチ氏によれば、福島第一原発の原子炉の解体廃炉を行うためには、専用の道具を独自に開発する必要があります。
「原子炉内にある者が何であるか把握できれば、専用の道具の開発もそれだけやりやすくなります。」
マクブランチ氏がこう語りました。
「しかし実際には中がどうなっているのか、把握している人間は一人もいません。」
「その中に人間を送り込むことなどは考えられません。」
しかしミュー粒子(ミューオン)を送り込むことは可能です。
数日中に福島第一原発の事故収束・廃炉作業の元請である東芝が厚さ3メートルのコンクリートや鋼鉄越しであっても、破壊された原子炉内部の3次元イメージを生成した上、ウランとプルトニウムを他の物質と判別・特定できる技術を持つ研究所と、技術提携に関する正式契約に署名するものと見られています。
米国エネルギー省は長い間この技術開発に取り組んできました。
限定された分野で、それ程革新的ではない技術ではありますがライセンスも付与しています。
アメリカ、ヴァージニア州にある会社が兵器級のウランまたはプルトニウムの密輸を防ぐため、その輸送容器をスキャニングするための装置にこの技術を実用化しています。
同研究所は精力的に研究を続けており、現在開発中の技術は検出ではなくマッピング技術、すなわちどの場所に何がどれだけあるのかを突き止める技術の開発に力がそそがれています。
これは地球上のすべての物体に電子の約200倍の質量を持つミュー粒子(ミューオン)が絶えず衝突しているという事実を利用するものです。
ミュー粒子(ミューオン)は大気中における分子と宇宙線の高エネルギー衝突によって生まれます。
ほぼ光速に近いスピードを持ち、雨のように地球上に降りそそぎ、数百フィートの深さまで地球内部に到達しています。
この際、偶然にミュー粒子(ミューオン)が原子核に衝突して方向が転じることがあり、その瞬間をとらえることによりその物質の形状と密度を知る手掛かりが得られるのです。
原子核と衝突して方向を変えたミュー粒子を捕捉し、そこにある物質が何であるかを判断する技術はミュー粒子断層撮影と呼ばれています。
「X線写真を撮影するのと似ていますが、物理的特性はまったく異なるものです。」
マクブランチ博士がこう語りました。
ヴァージニア州のこの会社の名は『ディシジョン・サイエンス・インターナショナル』、12メートルの長さの貨物輸送車両を外部からスキャニングし、45秒で中にウランやプルトニウムが隠されていないかどうか、ミュー粒子断層撮影を行う技術を持っていますが、現段階ではそれ以上詳しい情報は解析できないと言います。
ロスアラモスの科学者たちが指摘するように、福島第一原子力発電所内での作業ではもっと長時間の照射・解析が必要になります。
場合によっては数週間の単位で。
しかし解析結果を3次元の画像イメージとして表現することが可能になり、コンクリート、鋼材、水などをウラン、プルトニウム、その他の重金属と明確に区別することが可能になります。
「貨物検査のようにその場で結果を出す必要はありません。福島第一原発で必要なのは詳細で正確なデータであり、検証に必要な時間は充分に確保することが出来ます。」
『ディシジョン・サイエンス・インターナショナル』の最高責任者であるスタントンD.スローン氏がこう語りました。
実証実験は今年後半に予定されており、来年には決定画像データが入手できる予定になっています。
「設計製造された段階と比較して、メルトダウンの後何がどのように破壊され、何がどの部分に存在しているか、それがかなり早い段階で明らかになるものと考えています。」
スローン氏はこう語りました。
ロスアラモス原子力研究施設を運営する米国エネルギー省は、必要な解析機器を製作するための正式な契約をディシジョン・サイエンス・インターナショナル社と締結してはいませんが、同社は近々契約が成立するものとみています。
スローン氏は必要な機器の開発費用がいくらになるのか明らかにしていませんが、通常の原子力発電所設備に比べれば、それ程高額なものにはならないはずです。
開発に係った費用については東芝がロスアラモス研究所に弁済する形になりますが、関係者が明らかにしたところでは50万ドル(約5,000万円)を下回る見通しです。
ロスアラモス研究所は、この技術の開発に400万ドル(約4億円)を費やしました。
ディシジョン・サイエンス・インターナショナル社はその製品化にさらなる投資を行なっていますが、金額については明らかにしませんでした。
福島第一原発の事故現場において、ロスアラモス研究所はこれまでほとんどソフトウェアの分野において貢献をしてきました。
またミュー粒子断層撮影を行う際に使われる、掲示板サイズの探知装置を2基取り付けた検測装置が損傷を受けていない小型の原子炉の原子炉建屋の両側に設置され、すでに実験が行われました。
この装置は見た目が教会内のパイプオルガンのような形をしています。
それぞれのパイプにはアルゴンを含む不活性ガスが充填され、ミュー粒子が衝突した瞬間に表示装置に結果が現れます。
一本一本のパイプ状の計測装置はミュー粒子の入射経路、出射経路、およびその角度を正確に記録して行きます。
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