０１さんのリンクからの引用です。

＞甲状腺がんの頻度は、全がん症例の１％程度である。性別は女性に多く、男性の約3倍であり、また年齢では、50代、40代、30代の順に多い。
　最も多く、最も予後のよい乳頭がんはリンパ節転移をよく起こし、硬いしこり（腫瘤）をつくる。つぎに多い濾胞がんは肺や骨へ転移しやすく、良性のしこりに似る。これを分化がんとまとめる。カルシトニンをつくる細胞から発生する髄様がんは遺伝性のものがある。これに対して未分化がんは幸い少ないが（2％）、全身のがんの中、もっとも悪性である。

これには確かに「50代、40代、30代の順に多い」と書いてある。だから、普通の状態では学童が甲状腺がんにかかることはない。精密な検査をしているから学童の甲状腺がんが見つかったという話があるが、これもおかしい。なぜなら、福島医大の健康検査の責任者であった山下氏自身が以前調べた結果、被曝影響がない状態では甲状腺がん発症はほとんどいなかったという結果が出ているから。

被曝影響で甲状腺がんを発症されている場合、普通は甲状腺のみの被ばくではなく、全身が外部被ばくしているし、ヨウ素やセシウムなどの内部被ばくも相当しているのが普通であるため、全身の免疫機能が相当に弱ってしまっている。だから、簡単に、そして、甲状腺の異常の進行とほぼ同時にリンパ節などへの移転が始まる。

上の記事は「甲状腺癌が既に転移してしまった福島の子供が少なくても一人いる」と書いていて、あまり数が多くないような印象を受けるが、実際は、多分、手術を受けた学童の過半はリンパ節転移があったはずだと考えています。つまり、リンパ節転移が始まっているので、仕方なく手術をしているのだと思います。

事態は多分とても深刻。それが単に今はまだ表面化していないだけ。

あえて言えば、甲状腺切除をしてしまうとその後は一生甲状腺ホルモンの補充剤を毎日飲む必要があります。また、甲状腺切除の手術で喉が一定期間痛みます。そういったことは事前に説明があり、それでも手術に踏み切らざるを得ないのは、リンパ節転移、または肺とか骨に転移があることが分かっているからです。

なんら他の部分に影響がないのであれば、ほとんど自覚症状はないので、手術に踏み切ることはしません。これは被曝影響がない場合の標準的な判断とされ、５０代とか６０代にならないと甲状腺の摘出手術はしない。被曝していなければ他に転移することもほとんどないから。

なお、一般的な癌情報は、全て、被曝影響がないという前提で書かれていますから、そういった情報をいくら参照しても被曝影響下での癌の実態については誤解をするだけになります。