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【スクープ!これが法治国家か!?】「偽造」された地権者の同意書、「脱法」的な工事強行、福島県鮫川村の放射性廃棄物焼却炉建設の無法! 〜山本太郎議員主催のレクで環境省官僚が矛盾だらけの弁明(前編)
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/145861
6/9 17:18 IWJ Independent Web Journal
日本は「法治国家」のはずである。その「法治国家」の一角で、どうして行政によるこのような無法がまかり通るのか。なぜこんな横暴をメディアは大きく伝え、問題にしないのか。
秘密裏に建設が進み、多くの反対の声にも関わらず、2013年8月19日に運転が強行された福島県鮫川村の高濃度放射性廃棄物焼却炉。建設の前提となった「地権者の同意書」の署名捺印が「偽造」であったことが判明し、運転から僅か10日後には「爆発」事故を起こすなど、多くの問題が露呈し続けているにも関わらず、環境省は「問題なし」として、今も運転を継続している。
これは鮫川村だけの問題ではすまない。
環境省は現在、この鮫川村を先例として、福島県内約20カ所で同様の高濃度廃棄物の焼却炉建設を進めている。住民への十分な説明と同意を欠いたまま、福島県全域が「核のゴミ捨て場」にされようとしているのだ。
5月23日、こうした問題について環境省の見解を問うべく、山本太郎事務所の主催で「議員レク」が参議院会館会議室で行われた。レクでは、環境ジャーナリストの青木泰氏や、「同意書」を偽造された堀川宗則氏の代理人も参加し、環境省を追及。新たな「矛盾点」が浮き彫りとなった。
なお、レクはカメラによる録画・中継は不可だったため、以下、写真とテキストによる取材報告としたい。
記事目次
・建設の「法的根拠」を答えられない環境省担当者
・「工事が始まったあと」に結ばれた契約書
・「住民の了解を得てから工事着工」の嘘
・契約そのものが「違法」!? 〜環境省による前代未聞の「超法規的」な手続き
▲議員レクの模様。中央:山本太郎議員、左:出席した環境省担当者8名
福島第一原発事故により発生した、8000ベクレル/kgを超える高濃度放射性廃棄物(指定廃棄物)について、環境省は福島県内に「仮設の」焼却炉を設置して、処理していく方針だ。すでに県内の約20カ所で「検討」ないし「建設準備」が進められている。
その先駆けとなった鮫川村では、住民にはほとんど知らされずに2012年11月15日、秘密裏に建設工事が着工。工事に気付いた住民らの要請により、その後数回にわたり限定的な住民説明会が行われたが、住民の同意が不十分なまま、2013年8月19日より運転が強行された。
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/91823
村はIWJの取材に対し、2012年5月11日に地権者18名の署名捺印がされた「同意書」があり、これが焼却炉建設の根拠であると答えた。しかし、その後の取材で、この同意書がそもそも「仮置き場」の設置を前提としたものであり、さらに地権者の一人である堀川宗則氏は同意しておらず、署名捺印が「偽造」されたものであることが発覚した。
・2013/07/12 【福島】地権者の同意書は偽造!?福島県鮫川村の高濃度焼却炉建設で地権者の一人が「署名も捺印もしていない」と告発、村に同意書の開示と即時停止を申し入れ〜揺らぐ焼却炉建設の正当性
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/90309
さらに、稼働から僅か10日後の8月29日に「爆発」事故が発生。にも関わらず、その後1回きりの住民説明会が行われただけで、またしても住民の同意が不十分なまま、2014年3月18日に運転が再開された。
・福島県鮫川村の焼却炉爆発事故、再稼働に向け環境省が村民限定で一度きりの住民説明会を開催 村外への説明は「チラシかインターネットで」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/112536
■建設の「法的根拠」を答えられない環境省担当者
焼却炉は18名の地権者による「共有地」に建てられている。環境省は、偽造された「同意書」ではなく、工事後に地権者18名のうち16名と取り交わされた「賃貸借契約書」の方を、建設の根拠だと強調。「同意書」の存在や「偽造」については、「環境省は関知していない」としている。しかし一般的に考えれば、地権者全員と契約し了解を取ってから建設物を建てるというのが通例だ。2名の地権者が契約を結んでいないにも関わらず、共有地に焼却炉を建てるというのは、法律違反にあたるのではないか。
レクではまずこの点について、青木氏が環境省の見解を聞いた。
▲質問する青木泰氏(環境ジャーナリスト)
これに対し環境省の廃棄物・リサイクル対策部の田中宏昭課長補佐は、「この実証事業(焼却炉件建設)については恒久的な施設ではなく、あくまで仮設のもの。19カ月で焼却が終了したら撤去し、現状回復する。民法上、例えばビルなどの恒久的な施設を建設する際には18名全員の同意が必要だが、仮設の施設については、過半数の同意で問題ないとされている」と答えた。
▲出席した環境省担当者。廃棄物リサイクル対策部の主査、係長、6人の課長補佐、計8名
つまり、焼却炉は「仮設」の建設物であり、「過半数の同意」で「民法上」の条件を満たしている、というのが環境省の言い分である。これに対し、堀川氏の代理人が追及した。
「自分が調べた限りでは、4トンのコンクリート(厚さ7センチ)を、60センチもの重量ビスでしっかりした基礎を打ったようなものは、『仮設』とは言わない。イベント等で使うような、1カ月ぐらいで撤去できるものを『仮設』と言うのであって、あの焼却炉はとても『仮設』とは言いません」
「仮設」の定義に関する問いに、環境省側は口をつぐんだ。さらに「仮設だったら過半数の同意で良い」という条件が、具体的に民法の何条を根拠にしているのか、という問いにも田中課長補佐は、「法律的には詳しく存じ上げません」と明言を避けた。同席した環境省側の他の職員たちも、「法令担当に聞いてみないと分からない」「今日は分からない」と繰り返した。
建設の法的根拠が問われている問題で、それを説明する場でありながら、説明する側の環境省が肝心の「法的根拠」を用意してこないという異例の事態。山本太郎議員が、「法令担当の人間にこの場で電話で聞くことができるのでは?」との質問にも、環境省側は無言を貫いた。
▲質問する山本太郎議員
そこで、山本議員の秘書が環境省の電話で確認すると、廃棄物リサイクル対策部法規担当者は「民法のことは分からない」と答えた。つまり環境省は工事が始まる時に、その根拠となる法律をほとんど意識してなかったということになる。
根拠となる法律については、環境省に後日文書で回答するよう要請し、次回までの「宿題」となった。
■「工事が始まったあと」に結ばれた契約書
さらに堀川氏の代理人は、過半数が同意したという『賃貸借契約書』の問題点についても指摘した。
「賃貸借契約書」は、実は環境省ではなく、管理運用を委託された日立造船との間で、2013年3月9日に結ばれている。ここに大きな問題点が2つある。まず、契約書では、有効期間が「2012年9月24日から」と、さかのぼって記されている。つまり、工事着工後に初めて契約書を結んだにも関わらず、工事前にさかのぼった、「遡及」(※)した契約になっているのだ。
(※)過去にさかのぼって影響・効力を及ぼすこと
さらに、この契約書が事業主体である環境省ではなく、当初、委託先の日立造船と地権者で結ばれたものであるということだ。堀川氏の代理人が怒りを込める。
「役所の事業に遡及なんてありえないでしょう。契約がない前に工事が始まって、工事が終わった後に、工事前にさかのぼった賃貸者契約を結ぶってどういうことですか? 環境省と地権者の間にはこの契約書しか無いんです。他になにかありますか?」
これに対し環境省側は「ないですね」と答えた。つまり、この工事において、当初は環境省と地権者との間に正式な契約書は存在せず、日立造船との「遡及」した契約書が一通あるだけだったのだ。
▲当初、日立造船が地権者と結んだ賃貸借契約書。契約期間が「平成24年9月24日から」と遡及した日付になっている。その後、環境省と同様の契約書が結ばれた。
つまり、環境省が工事の根拠として主張する「地権者の過半数の同意」は、あくまで工事後に結ばれたものであり、工事前には地権者の同意を得ていない、ということになる。環境省としては、地権者の了解なく工事を始め、工事後に、つまり事後的に、しかも委託先の日立造船との間で賃貸借契約を結ばせたということだ。
この点について青木氏と堀川氏の代理人が追及すると、環境省側は「工事前に口頭で地権者さんと『この牧草地に仮設の焼却炉を造る事業をしますよ』ということを了解してもらっている。口頭でも契約は契約」と回答した。それはいつなのか? との問いには、「いま手元にないのでわからない」と明言を避けた。
環境省の言い分はつまり、18人の地権者の過半数の了解を取って事業を出発したが、その了解とは実は口頭だった、ということになる。しかしここでまた新たな疑問が湧く。口頭で過半数の了解を得た、というのはどのように確認したのか?
この青木氏の指摘に対し環境省側は、「それは地権者の代表の方から…。地権者で説明会を開いていると思います。事実関係は承知していませんが…。とにかくそういうふうに了承を得て事業をスタートした」と曖昧な返答を繰り返した。
本来は事業主体である環境省が地権者に了解を取って、そこから工事が始まるのが当然だ。しかしこの環境省側の返答を聞くと、了解を取ったのは環境省ではなく地権者の代表であり、環境省自身は地権者の過半数を得た、ということを直接確認していないことになる。工事の根拠が、ますます曖昧になってくる。
■「住民の了解を得てから工事着工」の嘘
しっかりとした「同意書」もないままに工事を始めた、ということは、住民にしてみたら「突然工事が始まった」となるのが普通だ。これに対し環境省側はこう反論した。
「基本的に事業を実施するということは、地元住民、周辺の方々、福島県庁も含めて、すべての方々に説明会をして、鮫川村も村議会の議会で議決をするという手続きを踏んでると思いますので、ある日突然、環境省、日立造船がそこの牧草地で事業を始めたというようなことはないんじゃないかなと考えている。
ですから、鮫川村の、あそこの住んでいる住民の方々、それと行政の方々、それと村議会の議員の方々とか、それみなさんご存じの上で、事業をスタートしていたと思います」。
しかし事実として、住民説明会が初めて行われたのは2012年12月25日になってからである。「工事って、もう11月15日から始まってますよ。これも遡及ですか?」と厳しい口調で詰め寄る堀川氏の代理人に対し、環境省側は「え? 環境省は、周辺住民に説明会を開催したのは5月と聞いております」と戸惑いを見せながら答えた。
さらに、「私の手元にあるペーパーで、ちょっと非公式のメモなんですけども、5月11日に、鮫川村は周辺住民に説明会を開催したと。だから、遡及じゃないですね」と付け加えた。
2012年の5月11日とは、地権者向けの説明会が行われ、堀川氏の署名捺印が偽造された「同意書」が提出された日である。この日に環境省による住民説明会は行われていない。そもそも、環境省はこの「同意書」については「関知していない」と再三にわたり強調してきたはずである。しかし環境省内の非公式のメモでは、この5月11日の説明会と同意をもって、「工事前に住民の了解を得た根拠」としていることになる。
場が混乱するなか、環境省側は急いで付け加えた。「5月11日というのは、鮫川村が開いた説明会ですよね。鮫川村が住民に対して仮設焼却場の設置について了解を得た説明会ですよね? つまり、環境省が、じゃなく、主語は鮫川村です」。
5月11日は環境省ではなく、鮫川村が説明会を行い住民の同意を得た日だ、と環境省は慌てて言い直した。
「だから、事業主体である環境省が開いた第1回は、(工事着工後の)2012年の12月25日で間違いないですか?」
再度の指摘に対し、環境省側は「ええっと…」と言いよどみ、それ以上を答えなかった。
環境省の言い直しを信じるならば、5月11日は環境省とは何ら関係のない説明会ということになる。すると、環境省が最初に説明会を行ったのは、工事後になってから、ということだ。「しっかり説明をして了解を得てから工事をスタートした」という環境省側の主張に矛盾が生じる。
そもそも、2012年12月25日の住民説明会の場では、村民から、工事が始まってからの説明会開催について疑問の声があがっている。
・2012/12/25 【福島】鮫川村で高濃度焼却炉建設に関する第一回住民説明会が開催 工事着工後の説明会に住民から疑問の声
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/46699
■契約そのものが「違法」!? 〜環境省による前代未聞の「超法規的」な手続き
堀川氏の代理人はさらに、「賃貸借契約書」の様々な「不備」や「違法性」を指摘した。…
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