21. ふくしま 2014年6月08日 13:05:48
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【放射性物質の付着による局所的な症状として鼻血との関係が 医学的に説明されました!】☆「市民社会フォーラム」というMLに入っていますが、 うちにもいますよ。美味しんぼをデマ扱いする自称・脱原発の人が(笑) だけど、観測事実を「デマ」とか言う人は、そもそも科学を語る資格が ないんですね。 ☆鼻血と放射線の因果関係はきれいに説明できます。最近 医学研究者の方からこういう投稿がアマゾンにありました。 ↓これこそ科学の考え方です。拡散してください。 (医学研究者・岩清水弘氏の「低線量被爆で鼻血がでる機序の定量的分析」 以下、アマゾン「美味しんぼ」書評より引用) ・・・・・・・・・・・原文まま・・・・・・・ 鼻血に関して。 これは、結論から言うと、原発事故で十分説明可能でしょう。鼻出血のメカニズムは、あなたの仰る凝固系のメカニズムは、全体のケースの中では、ごく一部で、そのほかにも、鼻粘膜局所の炎症(これが一番高頻度でしょうね)、高血圧などの循環器系の原因、などなど、鼻血と聞いた瞬間に、普通は沢山思いつくものだと思いますがね。大気汚染で鼻出血の頻度が上昇するのは、古くは20世紀初頭のイギリスのスタディに始まり、主流学術雑誌をはじめ、各種の学術論文の明記するところです。したがって、放射能汚染粉塵による局所症状、と普通は思いが至る気もします。 もちろん、定量的にも、きちんと説明できますよ。 そうそう、今回の原発事故のときも、次のような議論を耳にしました。 事故当時、「超大量放射性ヨウ素投与療法で、1億ベクレルの放射性ヨウ素を投与しても鼻血はでないから、原発事故で鼻血なんて、絶対にありえない」 なんて議論をしていた人がいる、というのを、後から知り、驚きました。この場を借りて、少し反論を書かせていただきます。 1億ベクレルって、一見、普通の人が聞くと、しり込みしそうなほど、「超大量」と錯覚するんだけど、こういうことを議論する際には、きちんと、体内分布密度などを考慮しながら、ちゃんと計算していかないと、変な結論になってしまうん です。 簡単に計算するために、ちょっと乱暴な数字を放り込んでいくけど、血液を5Lとしたら、まず、投与後、その5Lに均一に拡散されるんだけど、その後まあ、1億ベクレルの大部分は、比較的早期に甲状腺などの特定臓器に再分布したり、大部分は尿中に排泄される。 議論を自分たちに不利にするために、仮に、ものすごーく多めに見積もって、1億ベクレル(10の8乗、つまり、10e8 Bq)の約半分が血中に、ある程度持続して残っているとすると、計算で、血液1cc中の放射能が出せます。割り算するだけです。 > 今、鼻粘膜のことを議論しようとしてるんだけれど、鼻粘膜と、血液の接点は、毛細血管網という、細い血管のが張り巡らされた末梢血管の部分。 この部分の血管って、医学部、生物学部を出た人間には常識なんだけれど、ものすごーく血管床の表面積が広い。つまり、非常に多数の血管内皮細胞で覆われて いる。 ちなみに、簡単に試算することができて、毛細血管径を、ざっと7ミクロンとお けば、 > で、この3x10e4メートルの毛細血管に、どれだけの血管内皮細胞が張り付いているかと言うと、これに、分布密度の3x10e5個/メートルをかければいい。 > 高々、10e4ベクレルを、10e10個もの内皮細胞が囲んでいるんです。細長い土管としてね。 > しかも、均一に放射性物質が溶けていると仮定できるから、ほぼランダムに、このアタックが起こる。 (ま、ちょっと構造的な部分を計算外としているんで、すこし大目になるかもしれないけれど、桁はそんなにズレてない) (補足:毛細血管と毛細血管の距離と、β線の体内での透過距離を考えると、となりの毛細血管から飛んでくるβ線の影響は、あまり大きなものにならないと考えています) こんなにまばらで、確率の低い放射線だと、血管内皮細胞が細胞死に至るこもほとんどなければ、鼻粘膜炎症が起こることもないでしょう。 百歩譲って、たとえ内皮細胞が障害を受けても、ランダムな場所で内皮細胞がやられているわけだから、すぐに修復される。 だから、放射性ヨウ素超大量療法で、数億ベクレル程度を投与しても、ふつうは、全然鼻血になんかならない。 モデルとして、血液と内皮細胞のことだけ論じたけど、粘膜分泌を考えても、組織間液とか考えても、粘膜細胞を対象に考えても、基本的には、考え方は同じです。うすーい濃度で、均一に分布しているモデルの場合には、アタックがランダムに、薄い確率でおこる、ということ。 > 仮に、微粒子が花粉くらいの大きさだったとして、20ミクロンくらいと想定すると、これって、ひとつの細胞と同じくらいの大きさなんです。 この微粒子が、仮に、たった1ベクレルのβ線核種に汚染されていたとしたら、どういうことがおこるかというと、付着した局所、つまり、この微粒子のごく近傍で、1Bqつまり、1秒間に1回、かならず放射線が、同じ箇所ででて、まあ方向性もあるんだけど、ほぼこの桁の放射線が、同一箇所をアタックし続けることになるんです。 方や1億ベクレルからスタートしたけど、アタックされる確率は、10のマイナス6乗のオーダー方や、たったの1ベクレルだけど、1秒に1回とか、そんなオーダー。 そんな高頻度で、同一箇所をアタックされ続けたら、そこの粘膜細胞は死んじゃうし、修復も間に合わない。鼻血が出て当然なんですよ。 すごく乱暴な計算だけど、基本的に、掛け算と割り算だけで、きちんと計算すりゃ、簡単に、インパクトの大小がわかる。 同じ「内部被爆」でも、消化吸収で、均一に分布する場合と、粉塵付着での局所の影響とに、場合わけして考えないといけない。 あの当時、住民を安心させたい、という善意の気持ちから、安心論を伝えたいというのであれば、頭ごなしに「鼻血はデマ」と否定しないで、「鼻血は、汚染粉塵の局所症状で一時的な問題ですから、安心してください」とか「鼻血が出ていると言うことは、汚染粉塵を体外に排出しようとしている、良い反応だから安心してください」とか「あくまで、局所症状で、全身状態に影響は無いけれど、鼻洗浄でもやっておけばいい」とか「念のため、これ以上汚染粉塵を吸い込まないように、マスク着用を」など、言ってあげればよかったんです。 それから、核種によって、良いα線、悪いα線があるはずが無い、なんて、簡単に仰っておられますが、きちんと考えれば、いくらでも、そういうモデルは考えられるんですよ。 たとえば、ラドンのような希ガスは、体内に摂取されても、ひとところにとどまることなく、均一に薄い濃度で分布しますから、上記の鼻血(汚染粉塵)vs放射性ヨウ素の議論の喩えとおなじように、生体に与える影響はα線核種の割には、極小でしょう。一方、トリウムなどは、肝網内系に沈着し、局所で持続的に慢性内部被爆の原因となり、局所慢性持続被爆の温床となってしまいます。 トリウム内部被爆で、高率に肝臓系の発ガン率が見られることの、ひとつの理解の仕方です。 「実行線量計算」に頼る考え方以外のメカニズムも、考慮に入れていただきたいなあ、と思います。 もっと言いますと、原子核物理学の法則が、絶対不可侵のものだと錯覚しておられるかもしれませんが、現在の原子核物理学の法則は、すべて、原子核が「気体」の状態での観測・実験データを元に作られています。 原子核が、固体中に、堅く足場固定されたときに、放射性元素が崩壊を起こすと、実は、現在の原子核物理学の理論の延長線上では説明のできないような、非常に興味深い挙動を示すことが知られているのですが、こういった分野は、ほぼ、一部の例外を除き、全くの手付かずです。 つまり、上記に立て続けに、体内分布の問題を例にあげましたが、体内分布が同じ場合でも、つまり、たとえ、体内に均一分布をする核種同士であっても、核種によって、当然、生体内分子との結合・相互作用という挙動が変わるわけですから、どの生体分子と結合している際に、どういう崩壊を起こしたら、どんな影響が起こりうるのか、というのは、全くの未知の分野なのです。 医学の最新知識をもって、非常に丁寧に考察を重ね、今後、何十年かに渡り、実験・実証を繰り返し、新しい研究分野を切り開いていかないといけない状況なんですよ、内部被爆のことをきちんと理解しようとすれば。 実際、セシウムの極く微量の内部被爆で、心臓伝道路の障害が高率に起こる、というデータを、Bandazhevskyが発表していますが、丁寧にメカニズムを考察していけば、彼のデータは綺麗に説明できる可能性が高く、やはり、現行の理論に反する実例のひとつになって行くでしょうね。 最後に、医学者として、別分野ではありますが、「地図のない分野」で、必死にもがいている身から、一言だけ言わせていただければ、「教科書に書いてあることがすべてはない」 特に、慢性内部被爆のように、ほとんど、調査もされていない学問分野では、沢山疑ってかからないといけないテーマが、山積みなんですよ。
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