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原発問題でマスコミが世論調査をすることの意味
http://www.asyura2.com/14/genpatu38/msg/572.html
投稿者 taked4700 日時 2014 年 6 月 05 日 18:05:50: 9XFNe/BiX575U
 

http://geocities.yahoo.co.jp/gl/taked4700/view/20140605/1401958762
原発問題でマスコミが世論調査をすることの意味

 他の世論調査でも感じるのですが、原発問題は特にその実態が隠されてしまっているのに、原発への賛否を問うことが却って事態を混乱させているように思います。現代社会の抱えるいろいろな問題を理解することは一般市民にはかなり難しく、相当に関心を持って長い時間をかけて観察をしてもなかなか実態が解明できません。事態そのものがかなり複雑になっているときに、簡単な質問項目で問題への評価を問うことが妥当であるようには思えません。

 一般市民の8割が原発反対の意見を持っているという世論調査結果を出すことがマスコミの使命のような感覚をマスコミの方たちが持っているように感じるのですが、自分は誤解があるように思えて仕方がありません。

 「<マスコミが誘導する恣意的な世論調査>原発の賛否、実際は「即廃止でない」が74%で最大」
Japan In-Depth 6月5日(木)1時16分配信
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140605-00010000-jindepth-soci
という記事が書かれています。筆者は石川和男(NPO法人社会保障経済研究所理事長)という方でテレビ番組などにも何回か登場された方です。

 自分はこの方自身も原発問題を誤解されていると思います。そのことが分かるのが原発反対の方たちに対して「『処分場は即必要ではないこと』の説明を、それぞれ十分に尽くしていく必要があるだろう」と書かれているからです。石川氏は処分場は当面必要ではないからそれを考慮する必要がないと言っているわけですが、これこそが二重の意味で大きな誤解です。

 一つには、当面対処する必要がないからと言って将来も対処する必要性がないわけではないからです。石川氏は対処を先延ばしすることによって科学技術が進歩し、きちんと対処できると考えられているのでしょう。その可能性が100%ないとは申し上げませんが、近い将来、現実的に意味のある解決ができるとは思えないのです。無害化技術として言われているものは半減期の長いものを短い核種に変えるというものです。一億年以上から何万年という半減期の核種を半減期数秒から数年ぐらいのものに転換できると仮定しても、その過程で新たな核物質を作り出してしまうはずです。つまり、基本的にはプルトニウムなどに中性子を照射して核分裂させ、別の核種に転換するのですが、この工程は一つ一つの原子に一本一本の中性子線を照射するというようなやり方でできるのではなく、様々な核種が雑多に混合した高レベル核廃棄物へ中性子線をある意味シャワーを浴びせるのと同じように照射し、様々な核種がいろいろ異なった形式で核分裂を起こすことを誘導するわけです。核分裂の結果どんな放射性物質が出来るのかは確率的にしか制御できないのです。当然、その中には半減期が数万年とか数千年のものも含まれます。更に大きな問題は、処理の過程で放射性の希ガスや常温で気体の核種が出来てくることです。希ガスは化学的に不活性であるため、それを化学的に吸着することは困難で、現在、再処理工場からはかなりの量が大気中に放出されてしまっています。また現在福島第一原発事故で注目を集めているトリチウムも除去が困難です。そもそも、いろいろな形でできてくる新たな核種を短い核種だけに分離すること自体がかなり難しいはずであり、この工程だけで相当に多量の環境汚染を引き起こしてしまうはずです。また、こういった無害化処理にかかるコストがどの程度でだれが負担するかの問題も解決されていません。現在計画実施中であり、無害化ではなくて、単に分離分別をする使用済み核燃料のリサイクルは技術的にずっと易しいものであるはずですが、現実の六ヶ所村再処理工場は、1993年に着工して既に2兆2千億円ほどのコストをかけても、まだ本格稼働はしていないのです。更に、六ヶ所村再処理施設からは当然かなりの量の放射性物質が環境中に漏れだしてしまいます。通常の原発運転一年分が再処理工場を運転すると一日で漏れるとさえ言われているのです。

 もう一つの問題は、時間の問題です。いつ頃に無害化技術が完成するのか。そして、いつ頃まで現状の保管を続けることが出来るのかという問題です。無害化技術が完成する時期は多分予測が付きません。自分としては100年後でも無理ではと思います。次に、既に使用済み核燃料はいっぱい溜まってしまっています。多くの原子炉で今後10年も保管が出来ません。青森県のむつ市に専用の乾式キャスクでの中間貯蔵施設が完成し2015年から保管が開始されますが、容量は5000トンです。この容量が何を測っての5000トンであるのかはっきりしませんが、日本にある原発を全て運転して行ったとき、1年で発生する使用済み核燃料は1000トン程度であると言われています。六ヶ所村の再処理工場が本格稼働したときに年間で処理できる量が900トンとされています。常識的に考えると現状では数年で行き詰るのです。

 そして、この時間の問題はとても深刻な危険があることを意味しています。つまり、既に大きな地震の活動期に入った日本で核施設を大きな地震が直撃する危険性です。2011年3月の大地震以降多くの原発が運転停止をしているため、半減期の短い、つまり強い放射能を帯び発熱量の高い核種はかなり減少していますが、それでも今後数年程度は依然としてプールでの保管が必要である様子です。更に、使用済みのMOX燃料はプールでの保管が100年以上必要とされ、既にMOX燃料を装荷してしまった玄海原発や伊方原発は非常に長期の原子炉またはプールでの水冷保管が必要になるのです。水冷が必要な時に事故が起これば、またメルトダウンに至る可能性があります。

 以上のように、石川氏の「処分場は即必要ではない」という主張はかなり楽観的な見方であることが明らかです。問題は、専門家である石川氏がこういったとても独りよがりの楽観的な見方をしてしまっているという点にあります。

 つまり、現状の原発問題、または被曝問題については、数多くのことが解明、または公開されていないのです。例えば4号炉の爆発映像が公開されていないなどの重要なデータが隠ぺいされています。また、放射性微粒子の健康影響については研究自体がされていないとされています。環境中にただ漏れしているはずの放射性希ガスがどんな健康被害を及ぼすかの研究はされているのですが、その結果は公表されていない様子です。

 そして、最も重大な問題は、高レベル核廃棄物の処分問題です。日本だけでなく、世界中の原子炉が廃炉問題に直面しているわけで、高レベル核廃棄物をどう処分するかは世界中で目途が立っていません。再処理するのか、そのまま埋設処分するのか、そのどちらも目途が立っていません。再処理自体がまだまだ未完成の技術であり、地層処分に至っては安全な処分ができる地域は地球上にないのではないかと言われています。

 更に、こういった高レベル核廃棄物処分問題に関しても理解の一致がされていず、様々なレベルで異なった見方が存在し、人々が対立しています。

 非常に大まかな言い方をすれば、核に関する理解は専門家も含めて非常に混乱しているのです。こういった状態のとき、最も危険なのは社会的な混乱です。ただでさえ、福島第一原発事故での被害が隠ぺいされていることが明らかであるのに、世論形成の基礎であるはずの様々な客観的データが公開されていません。

 現在、日本社会は混乱状態にはありません。しかし、イラクもリビアもアフガニスタンも、そして、エジプトもシリアも、タイやブラジルにしても最初から混乱状態にあったわけではありません。

 政府やマスコミが取り組むべきはきちんとした情報公開であり、話合いに基づいた合意形成なのです。単に世論調査をして世論誘導をするだけでは、一気に混乱状態に持って行かれてしまうはずです。そして、合意形成のために残された時間はあまりありません。次のアメリカ大統領選挙までには3年もないのです。

 障害になっていることの中で多分最大のものは利権にしがみついて現状を誤魔化している人々のはずです。結局、そういった人々は目前の具体的な利権しか見ることをせず、既に対処が手遅れになりつつある現実を無視しているのです。こういったことが続けば、その結果は日本社会全体の壊滅しかありえません。

2014年06月05日17時55分 武田信弘 ジオログのカウンターの値:49933  

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コメント
 
01. 2014年6月05日 21:01:49 : ZpDAfmdBfo
原発擁護の新聞が何を書こうと原子力村の言い分は信用されていない。
石川和男は原子力村の犬。イヌが何を書こうと

即廃止が最大に決まっている。


02. taked4700 2014年6月05日 21:23:41 : 9XFNe/BiX575U : tgE9uHbHXo
無害化処理として次のような記事がありますね。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDZ040JJ_X00C14A4000000/

三菱重工業は重水素を使い、少ないエネルギーで元素の種類を変える元素変換の基盤技術を確立した。原子炉や大がかりな加速器を使わずに、例えばセシウムは元素番号が4つ多いプラセオジウムに変わることなどを実験で確認した。将来の実証装置設置に向け、実用化研究に入る。放射性セシウムや同ストロンチウムを、無害な非放射性元素に変換する放射性廃棄物の無害化処理に道を開くもので、原発メーカーとして実用化を急ぐ。

■百数十時間で元素変換

クリーンルームで元素変換の実験に取り組んでいる(三菱重工の先進技術研究センター)
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クリーンルームで元素変換の実験に取り組んでいる(三菱重工の先進技術研究センター)
 3月下旬、米ボストンのマサチューセッツ工科大学の講義室。世界から集まった100人以上の研究者を前に、三菱重工・先進技術研究センターの岩村康弘インテリジェンスグループ長は「元素変換はマイクロ(100万分の1)グラム単位で確認できた」と報告した。多数の質問を受け、同社の実験を説明する理論の提案も数多く発表されたという。

 三菱重工の横浜市の先進技術研究センター。700を超える幅広い製品群を擁する同社の次世代研究を一手に引き受ける秘密基地だ。研究棟の1階の約3分の1を占めるクリーンルームで研究者が白衣に身を包み、約25ミリ四方の薄膜の金属板を装置にセットする。超高温や超高圧をかけることなく、数日で内部で元素が変わり、新たな元素が生まれてくる。


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 具体的には厚さが数十ナノ(ナノは10億分の1)と極めて薄い金属のパラジウムと酸化カルシウムの薄膜を交互に積層した多層膜に変換したい金属を付ける。この膜に重水素を透過させると百数十時間で元素番号がそれぞれ2から4、6多い元素に変わった。

 セシウムはプラセオジウムに、ストロンチウムはモリブデン、カルシウムはチタン、タングステンは白金に変わることを確認した。特殊な薄膜に重水素を透過させる独自技術は日本での特許に続き2013年、欧州でも特許を取得した。

 先進研の石出孝センター長は「ここ数年で研究が大きく加速した」という。様々な手法で重水素の濃度を高めることで、新しい元素の収量がナノグラムからマイクログラムへ3桁増えた。測定精度も上がり、1平方センチメートル当たり最大数マイクログラムの元素変換を確認したとしている。

 セシウムの元素変換率は、ばらつきはあるものの100%近いものもあるという。元素変換を示唆するガンマ線も微量ながら検出している。同社はセシウムの場合、パラジウム多層膜の内部で4個の重水素が1個のセシウムの原子核に十分近づき、陽子4個と中性子4個が加わりプラセオジウムになったとの仮説を立てている。ただ、詳しいメカニズムや理論は分かっていない。

元素変換は「エネルギー収支が合わず、従来の物理学の常識では説明できない」などの指摘がある。新しい元素の量が少なく「外から混入した可能性も完全には排除できない」との声もある。

■未知の現象を解明する実験

三菱重工が開発した金属の薄膜
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三菱重工が開発した金属の薄膜
 もともと低いエネルギーで元素が変わるのは、1989年に提唱された常温核融合と同じ考え方。1億度などという超高温でなくても核融合が起こり、過剰熱が発生するという夢の現象を再現しようと世界中で再現実験が研究されたが、ほぼ否定された。

 三菱重工も当時から研究を始めた。途中からエネルギーの発生を証明するより、元素の変換を示す方が実証しやすいのではないかと考え、元素変換に的を絞った。微量の元素が生まれたことは、兵庫県にある世界最高水準の物質分析技術を持つ大型の放射光施設「SPringー8」を使っても確認している。

 同社の研究に協力した独立行政法人物質・材料研究機構の西村睦水素利用材料ユニット長は「現在まだ解明されていない新種の元素変換反応の可能性を示唆している」としている。トヨタグループの研究開発会社、豊田中央研究所(愛知県長久手市)も元素変換の研究を続けており、成果が出ているようだ。

 昨年12月の東京工業大学。元素変換や低温核融合などをテーマに研究する研究者や技術者が全国から集まった。三菱重工のほか、大学の発表も行われた。岩手大学工学部の成田晋也教授もその一人。「未知の現象の解明を進める」ための実験を続けている。

2009年、三菱重工の元素変換研究を視察した有馬朗人元文科相(中)
2009年、三菱重工の元素変換研究を視察した有馬朗人元文科相(中)
 岩村氏は「元素変換を確信できる量が取れた。理論的なメカニズムはわかっていないが、我々はメーカー。次のステップに進みたい」という。大学の研究者の間でも「もっと変換の量が増えれば、文句がつけられなくなる」との声がある。

 三菱重工は実験の規模を拡大し、収量を増やし実用化のメドを付ける方針。これまで小規模な体制で先進技術研究センターで研究していたが、他の事業本部や外部の大学や研究機関との共同実験を増やす。

 金属薄膜を大きくしたり、ハニカム構造にして表面積を大きくしたりする方策などを検討している。放射性元素の変換の実験はまだ始めていないが、例えば放射性のセシウム137はユーロピウムに変換する可能性があるという。

 放射性廃棄物の処理以外にもレアメタルなどの希少元素の生成や、新エネルギー源としての応用を想定している。ただ、レアメタルや新エネルギーは既存技術があり経済性との比較になる。

 岩村氏は「現在、決定的な解決策がない放射性廃棄物の無害化は価値が最も高い。当社は原発メーカーでもある。10年後には実用化したい」という。

《記者の目》細々と続けてきたのが実情

 3年前の東日本大震災。放射性物質を拡散する東京電力福島第1原子力発電所の光景を前に、ある三菱重工業関係者は「元素変換をもっと大規模に研究していれば」と叫んだ。三菱重工は約20年、元素変換を研究してきたとはいえ、予算も人員も「細々と何とか続けてきた」というのが実情だ。

 三菱重工は1990年代前半に元素変換の研究を始めた。一般に内容が知られたのは、関連学会の論文誌に岩村氏が論文を発表した後の2002年ころだ。ただ、常温核融合の負のイメージもあり「現代の錬金術」との見方もされ、同社は対外的なアピールに慎重だった。

 岩村氏は技術統括本部のインテリジェンスグループ長という肩書を持つ。「技術もマーケティングが必要」との考えから10人のチームを束ね、エネルギー・環境分野を中心に他社の技術開発動向を探る。

 「グループ長の仕事に専念してほしい」と遠回しに元素変換の研究からはずれるように言われたこともある。社内の研究予算はついていたが「07、08、09年ごろはけっこう危なかった」という。

 岩村氏は「この10年で研究の精度が飛躍的に上がり、世界で研究仲間も増えてきた。中国の大学は我々そっくりの装置で研究している」と元素変換の認知度向上とともに、競争の激しさを実感している。

 10年前から大がかりな研究体制をとれば、現時点で放射性廃棄物処理の具体的な実証実験ができていた可能性がある。しかし、実態は「基礎から実用研究へ移行できそうな段階」にとどまる。

 元素変換は重工幹部も時折、「おもしろい研究をしているんだ」と口にする。「あんな研究を続けられるのも重工くらいだよねぇ」という外部の声もある。研究を途切れさせなかったのは三菱重工の懐の深さだが、現状の体制で、10年後に大きな成果が期待できるのか。そろそろ企業として腹をくくる時だ。

(企業報道部 三浦義和)
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三菱はひっかけられているのではないかと感じます。


03. taked4700 2014年6月05日 22:23:24 : 9XFNe/BiX575U : tgE9uHbHXo
評判の石井孝明氏の記事もありました。しかし、内容はこれがジャーナリスト??としか思えないものです。記事を引用したあとに、そう考える根拠を書きます。

http://agora-web.jp/archives/1518475.html

核のゴミ、対策を考える時間はたっぷりある--NHK特集への疑問
石井 孝明

jpg
NHKスペシャルで流れた福島原発事故の映像、原子炉建屋に使用済核燃料が保管され一時的にその溶融の危険が指摘された。

「解決できない」問題なのか

NHKスペシャル「核のゴミはどこへ--検証・使用済核燃料」が2月10日放送された。事実の間違いは後述のように一部しかなかったが、省略された重要論点が多くあった。エネルギー問題を知る人間が見ると、原発批判に傾いた編集だ。

この番組は放射性廃棄物問題について「解決はほぼ不可能」「結論を出さなければ原発を使うべきではない」というメッセージを出した。ほぼ不可能であるなら「原発を止める」という結論しかなくなる。

この記事ではエネルギーの専門家が共通して抱くであろう番組への疑問を、簡単に整理して紹介したい。そして番組の論評によって、ここで示されたような世間に広がるステレオタイプの考えに対して、別の考えもあるという事を示してみよう。
確かに使用済核燃料の環境負荷と健康への悪影響をなくすという意味では、問題は解決できない。しかし、人間や社会の悪影響を減らしていくという現実的な対処は可能であると思う。「不可能」という断言をして思考停止に陥る事は、適切な行動ではない。

番組の内容

内容は次の通りだ。

1・核廃棄物は、無害化できない。数万年の管理が必要だ。

2・最終処分の方法は、地中に埋める方法が検討されている。しかし、どの国も最終的な結論は出ていない。問題は解決できない。

3・核燃料を再処理して容積を減らし、また原発に使う核燃料サイクルという取り組みを行っている。これは無資源国日本が発電を永続的にできる可能性があるために期待を集め、1960年代から構想された。ところが、そこからでるプルトニウムを使う高速増殖炉もんじゅ、さらに青森県六ヶ所村の核燃料再処理施設がまだ稼動していない。核燃料サイクルは15兆円かかる。

4・核燃料サイクルがダメなら、直接処分を検討すべきだ。そして一時的に、乾式保管と呼ばれる方法で、特殊なキャスク(容器)に入れて地上に保管するべきだ。それは安全だ。

5・結論として、放射性廃棄物の結論を出してから、原発を利用するべきだ。

上記の話のネタは、おそらく昨年に日本学術会議の出した「高レベル放射性廃棄物の処分について」という文章であろう。おそらく、エネルギー問題を多少勉強した人は、この番組と同じ情報を注目すると思う。

番組への疑問

それぞれの論点に意見を述べてみよう。

1と2について、確かに無害化は現在の技術ではできない。しかし、できる限りリスクを減らそうという取り組みが、核燃料サイクルの考えの中に取り入れられている。今の工業社会の中では、水銀、六価クロムなど永久に無害化できない危険な物質が大量にある。核物質だけに恐怖を向ける事は合理的ではない。また放射性廃棄物の地中処分では「人間の手を離れても安全性が確保できる形で地中に埋める」という考えに基づいて、どの国も構想している。

確かに政治的に処分場は選定するのは難しい。そして未来の世代に責任を負わせる倫理上の問題や、不安などの精神的な問題があることは認める。だからと言って場所の選定が不可能である、危険であるとするのは短絡的であろう。

国内だけではなく、新しい考えもある。海外で国際保管をする方法だ。例えば、モンゴル、ロシア、オーストラリアなどはその受け入れを政府が検討した。

3については、もんじゅと六ヶ所施設が稼動していないため、40年前に原型がつくられた核燃料サイクル構想のすべてが止まっている。もんじゅは一度の事故で95年以来、ムダに止まり続けている。これは技術ではなく、核燃料サイクル機構の運営に問題があるだろう。日本原燃の六ヶ所村の再処理施設は、今年中の稼動が予定されている。その稼動によって、状況が好転することを期待したい。

また予想経費の15兆円は巨額で、その負担を減らす事が望ましい。しかしそれは2030年までの累計試算であって、それを言及しないのは公平性を欠く。

さらに4については、NHKの主張は単純すぎる。再処理をすること、しないことのメリット、デメリットがあり、その双方を考える必要がある。再処理のメリットは、核燃料を使い続けられる事、容積が推計で7分の1程度になり管理やしやすくなることだ。一方でデメリットは、そのコストだ。

jpg
福島第一原発での津波後に無事だった乾式キャスク(原子力委員会資料より)

またが乾式貯蔵はすでに一部で行われており、福島第一原発でも津波に堪えたキャスクがある。使われていないとする番組の情報は間違いだ。また番組は、キャスク保存が安全という見方を示している。常識的に考えれば、地中処分の方がリスクは小さくなるであろう。

民主党の「原発ゼロ」を止めた重要論点は「安保」

政治上で必ず大きな論点になる問題を、このNHK特集は省略していた。これは政治家を含め多くの人が忘れている原子力外交と安全保障という論点だ。

民主党政権は昨年9月に「原発ゼロ」の目標を打ち上げたが、突如閣議決定の形で政府決定にすることを取り下げた。報道によれば、決めようと暴走した古川元久国家戦略担当相(当時)の提案を、野田佳彦首相、岡田克也副首相が危ういとして受け付けなかったという。古川氏らが、米国や諸外国との調整をまったくせず、諸国から「原発ゼロ」の懸念が伝えられたことが一因だ。

原子力発電によって出たプルトニウムは核兵器、またダーティボム(汚染爆弾)の材料になりかねないため、米国や諸外国はその神経を尖らせている。核燃料サイクルはそのプルトニウムを燃料にして減らすという効果がある。

日本はウランを国内で産出しないし、70年代には技術が米国に比べて遅れていた。米国などと原子力技術導入やウラン購入の協定を結ぶ際には、「核燃料サイクルでプルトニウムを減らし、平和利用に徹する」という主張をした経緯がある。エネルギーの議論では隠れているが、一国の政策を左右するほど重要な論点として、今の原子力政策にも影響している考えだ。

もちろん日本の先行きは日本国民が決めるべきであろう。しかし実際には、諸外国との約束の中で核燃料サイクル政策が行われている。「難しい。だから止めよう」という考えを、NHKや多くの人が持っている。この問題はそんな単純に止められるものではない。

先送りは知恵のある対応

核廃棄物の保管については、「10万年先の未来は分からない」という事実は、共通認識である。しかし管理して、リスクを減らすという対応策はできる。廃棄物を減らし300メートルの中に産め、人の手を離すという地中処理の構想は、今ある選択肢の中では、合理的な手段に思える。コストを考えなければだ。

原発を100万キロワット分1年稼動させるのに必要な核燃料は24トン程度。これまでの使用済燃料の累計のトン数も2万4000トン程度。同程度のエネルギーをつくるためには火力発電で石油でも、天然ガスでも、100万トン程度必要だ。原発を稼動させても、すぐさま日本で核のゴミだらけになるわけではない。

六ヶ所村の日本原燃の再処理施設の一つである高レベル廃棄物貯蔵管理センターの中には、再処理済のガラス固化体の貯蔵ピットのスペースが20年から30年分ある。さらに、青森県むつ市で、廃棄物を保管する中間貯蔵処理施設が進んでいる。高レベル放射性廃棄物はこれまで英仏に処理を委託していた。そしてようやく六ヶ所村再処理工場が、今年中に稼動する予定だ。

時間はある。筆者は六ヶ所村と中間貯蔵施設候補地を取材した事がある。広大な場所があり、さらに地質学上安定した場所とされる。

以下は、青森県下北地域の方には、失礼な意見かもしれない。しかし、同地域にここまで核施設が集積し、諸条件が揃う。ここを最終処分地にすることも現実的な選択肢であろう。数十年の時間がある。それだけの時間があれば、政治情勢、科学認識の変化もあるだろう。青森の方にもその選択肢を受け止めていただく可能性があるかもしれない。

原子力が経済合理性から使われない未来も

またエネルギー情勢が根本から変化する可能性がある。核燃料サイクルは経済性と言う点で、疑問が出ている。現在は世界各国でシェールガスとシェールオイルの増産が起こっているため化石燃料の利用可能量が増え、価格が低下する見込みだ。

シェールガス革命の先行きは不透明であるが、今後のエネルギー情勢の変化の中で経済性の観点から原子力が選ばれないという選択肢も出てこよう。化石燃料の大量使用は、温室効果ガスの増加の問題を解決しなければならないが、わざわざ大変な手間のかかる原子力を使う必要はなくなる。

こうした情報を並べると、 NHKの番組の最後のメッセージ「結論を出さなければ原発を使うべきではない」は単純すぎると言えるだろう。

東日本大震災と原発事故の後で原発をめぐる議論が噴出した。そこで残念だったのは、議論に結論が出ずに混乱し続けたことだ。その議論では、さまざまな、そして時間軸の違う論点を同時に話し、混乱する例が多かった。私たちは今、原発の稼動停止によって年間3兆円の燃料代増加と国富の流失、電力会社の倒産可能性、電力供給の不安定化という「今そこにある危機」に向き合っている。それを考えずに、「最終処分を決める」という難しい問題を原発政策の前提とするのは、明らかにおかしい。

このNHKのドキュメンタリーも、ずれた議論をしている。おそらくNHKの記者は日本のテレビメディアで一番訓練を受け、一番取材費を使って番組をつくれる人たちだ。その人々さえ、建設的な意見をまとめられない。とても残念なことだ。

核廃棄物の結論は、今決める必要はない。ゆっくり考えればいい。

石井孝明 経済・環境ジャーナリスト ishii.takaaki1@gmail.com
ツイッター:@ishiitakaaki

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石井孝明氏の論理がとても論理とは言えないと考える根拠

1.「NHKの主張は単純すぎる」と石井氏は書いているが、石井氏の論理の方が単純すぎる。例えば、「もんじゅは一度の事故で95年以来、ムダに止まり続けている」と書いているが何が原因で止まっているのかを述べていない。単にそれを「ムダに止まり続けている」とレッテル貼りをしているだけだ。事故原因があまり報道されないが、基本的な原因は高レベルの放射性物質の不安定さがあり、それを安定的に固定することができないためだ。つまり、木片だったらそれを手でつかむのは簡単だ。しかし、水は手でつかむことが普通できない。お湯だったらなおさらだ。高レベル核廃棄物は常に放射線を出し、それによって発熱もしている。アルファ線やベータ線は質量のある粒子線であり、常に周りの物質を原子レベルで破壊している。更に、再処理の過程で非常に大量の放射能漏れを起こしていて、その環境影響は原発の数百基分にあたるとも言われている。

2.事実誤認がある。「予想経費の15兆円は巨額で、その負担を減らす事が望ましい。しかしそれは2030年までの累計試算であって、それを言及しないのは公平性を欠く。」と再処理費用について書いているが、再処理は2030年で終了するわけではない。再処理した結果出来た燃料の核廃棄物処理が次に待っていて、その処理は現状よりもより困難になる。再処理して新たに作る燃料はMOX燃料だ。そして、そのMOX燃料は普通のウラン燃料の数百倍処理が困難。その理由はプルトニウムが高濃度で含まれていたからで、プルトニウムが核分裂した結果出来る核種が更に始末に負えない核種が多いことによる。このことは、プルトニウム増殖炉による再処理を「夢のエネルギー」と呼んでいることからも分かるはず。つまり、プルトニウムを核分裂させた結果、その時に一緒に含まれていたウランが新たにプルトニウムになり、その新たなプルトニウムの方が量が多いと言われていることからも分かるはず。

3.同じような過度な単純化や事実誤認がその他にもいくつもある。地震の危険性を無視していることや、更に、

>原子力発電によって出たプルトニウムは核兵器、またダーティボム(汚染爆弾)の材料になりかねないため、米国や諸外国はその神経を尖らせている。核燃料サイクルはそのプルトニウムを燃料にして減らすという効果がある。

の文章は全く逆のことが外国政府により危惧されていて、石井氏の全くの事実誤認。つまり、欧米は再処理した結果のプルトニウムをこそ危険視している。なぜなら、再処理したプルトニウムこそがより高品位であり、原爆に利用しやすいから。



04. 佐助 2014年6月05日 23:02:39 : YZ1JBFFO77mpI : wpmCg8U5S6
世論調査は政・官・報道の複合体癒着を守る為に操作と誘導するために必要不可欠なんです,
そして実現のメドは全く立っていない核融合発電は税金の無駄で分かっているが止められない。

CO2を排出せず、原子力発電のように核廃棄物や放射能を出さない水素の核融合発電計画は、もう長いこと国家の巨大な予算を食いつぶしている。核融合発電とよばれるこの計画は、水素の超高温プラズマを電磁波の容器に閉じ込めて発電するアイデアだが、実現のメドは全く立っていない。このように政治家と霞が関は既得権益が侵害されるとマスコミを使い世論操作して大蔵役人的直観に黙殺し握りつぶすのです。

日本は先進国では、最低の通信インフラしか持たない国になっている。年金や保険を食いつぶすが、役人には天下国家百年の計画は既得権益や政・官・報道の複合体癒着のためにできないのです。既得権益が侵害されると司法もマスコミも袋叩きにして潰すのです。

政治家や御用学者そしてマスコミは「国民を安心させる」「真意を隠して反発させないため」に、確信犯的大ウソをつくためウソ発見器で検知できない。政治家はマレに、日頃考えていることが口から飛び出し失脚するために、役人の玉虫色のウソの原稿に頼らざるをえなくなる。嘘と本音と建前で混乱することがあるのです。世論操作は「国民を安心させる」ためにやむを得ないと思っているのだろう。

ところが現在,電磁波が乱反射して同期しないように設計されている。電磁波起電は、逆に、狭い隙間から入力した電磁波を同期させると、原子力発電以上の巨大なパワーがえられることが分かっている。このように百%自給できる家庭用自家発電はもちろん、核廃棄物をつくらない電磁波起電力発電所の建設が可能です。そして電磁波起電電池は、電磁波を同期させ、24時間パワーを供給するシステムとして設計,、半導体回路を使い、電磁波を収束し同期させると車のボディに電磁波起電回路パネルを取り付ければ、車を走らせることができる。だがこれは政治家と霞が関は既得権益が侵害されると判定し大蔵役人的直観に黙殺し握りつぶすのです。


05. 2014年6月06日 02:56:39 : 8z0JTJjQpY
石井孝明 と 自民党員 は 早く 原発作業へ 行くように!!

原発 安全だと思っている から 原発? 行けるよね??

大丈夫、少しぐらい被爆してもすぐに死なないから
それどころかなかなか死ねないんだな〜
皮がはげ
肉がとけても
意外に死なないから
それどころか死にたいと思っても死なせてくれないから
単なる肉の塊になっても死なないから
大丈夫 大丈夫

http://www.asyura2.com/11/senkyo119/msg/572.html

東海村JCO臨界事故の被害者の写真(文中 A さん)
http://blog-imgs-46.fc2.com/c/h/e/cherio1222/231108456747-up41591.jpg


06. 2014年6月06日 05:42:56 : bwFzMVs2eU

 選んだ代議士は詐欺師、虚言癖、ばかり 真性のアホをトップに置けば金儲けもし易かろう

 穢多企業から献金巻き上げて、マスゴミに餌をやれば、シッポ振ってすり寄って来る

 代理民主主義の末路 

   本当に日本人がバカか直接民主主義の国民投票、ためしてみろよ


07. 2014年6月06日 10:43:20 : esmsVHFkrM

>>05

多摩散人もね。

多摩散人も、「早く 原発作業へ 行くように!」


08. 茶色のうさぎ 2014年6月06日 14:50:34 : qtmOTsgWNIsK2 : TYy6NPZnMc

高温、高圧、不要、の安価での錬金術の話で楽しくなります。
黄金がザクザクでみんな大金持ちだらけで価値観が変わっちゃうね。
今は油などの既得権益に邪魔されて無理でも未来の希望のある話ですね。
放射能もコントロール出来て人類は長生き出来てエネルギー問題も解決だね。
半減期を待ってたら万年億万年で氷河期がきて全球凍結で人類は滅亡しちゃうかな。
地球のプレートだって南極がエベレストの天辺に乗ってるかもね。
今回の投稿は勉強になりました。ありがとう。支離滅裂な文章ではずかしいですよーー

09. 2014年6月07日 08:37:25 : Uf65ycEK82
02さん

原子力村の意見を一見高邁な視点から説き起こして工作する努力痛み入ります。
しかし「元素変換」などが簡単にできるとか可能性があるとかの理屈では何も知らない人しか騙せない。

人間に出来る元素変換は、今のとことウランとその誘導体のプルトニウムを核分裂させる反応だけ。アルファ崩壊で瞬間的に分子量が4減る変換はしょせんその一過程。

もんじゅがもう失敗し不良資産にすぎないこともはっきりしている。屁理屈は通用しない。


10. 2014年6月07日 13:43:57 : uwekVixbFw
件のNHKスペシャルは、ご多分にもれず最近のNHK地上波ドキュメンタリーの一つで、十分に政権寄りの内容になっていた。それですら石井孝明は不満である事にビックリ。底知れない暗黒。ブラックホールだ。

11. 2014年6月07日 13:54:27 : uwekVixbFw
石川和男って官僚出身だったよな。テレビの画像を通して伝わるのはエリートの特権意識。最近よく見かけるタイプ。プライドばかりで人々の痛みなど一顧だにしない感じのひとりである。

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