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【 核廃棄物処分場、そこで起きている現実 】〈前篇〉
http://kobajun.chips.jp/?p=18461
2014年5月30日 星の金貨プロジェクト
アメリカの実験施設で起きている、『完全隔離の不可能』を証明する事故
周辺の環境に全く影響を及ぼすことなく核廃棄物を保管している施設など、世界中どこを探しても無い
高レベル放射性廃棄物を10年間保管し続けても、最終処分方法は未だに見いだせない
フェアウィンズ・エネルギー・エデュケイション 2014年3月6日
ニューメキシコ州カールズバッド近くには、アメリカ・エネルギー省(DOE)の核廃棄物集積場は処理実験の機能も併せ持ち、アメリカ国内の廃棄された核兵器から回収された放射性物質、プルトニウム、アメリシウムが保管されています。
2014年2月14日、この施設で放射性物質の保管上の事故が発生しましたが、アメリカ・エネルギー省(DOE)は正確な事実を公表しませんでした。
今回の映像でアーニー・ガンダーセンが指摘するのは、フェアウィンズ・エネルギー・エデュケイションが主な懸念としている施設自体の危険性、発生した事故、そしてアメリカ・エネルギー省(DOE)がその事実を隠ぺいしているという問題です。
私はフェアウィンズのアーニー・ガンダーセンです。
いつもと多少違うのは、今回私は施設の検証を行った専門家の証言を直接この耳で確かめるため、オフィスの外にいることです。
福島第一原子力発電所の3基の原子炉が継続的に放射性物質を環境中に放出している問題とは別に、今回はニューメキシコ州におけるアメリカの核廃棄物処理計画が、実際にはそこで働く作業員を被ばくさせ、さらにはここでもやはり放射性物質を環境中に放出させた事実について検証したいと思います。
ニューメキシコ州カールズバッドの近くにある、米国エネルギー省(DOE)の実験的な核廃棄物保管・処理施設では、廃棄された核兵器から回収した放射性物質、プルトニウムとアメリシウムを長期に渡り、『安全に』保管することを目的としています。
原発などだ出す『核のゴミ』、すなわち核廃棄物の問題に多少なりとも詳しい人なら、アメリシウムが数百年、そしてプルトニウムが250,000年という半減期を持ち、その間人間にとって、そして地球環境にとって極めて危険な存在であり続けるという事をご存じのはずです。
フェアウィンズ・エネルギー・エデュケイションには、この深刻な核=原子力の事故についての問い合わせが多数寄せされています。
私たちはフェアウィンズのツイッターフィード、フェイスブック・ページ、そして記者会見等においてこの問題に関する情報が常に最新のものになるように、更新を繰り返してきました。
コモン・ドリームス( https://www.commondreams.org/ )のサイトでも、この深刻な事態に関し私に対する4回のインタビューの完全記録を掲載しています。このページへのリンクは映像の最後やフェイスブック、ツイッターでもお知らせしています。
それでは本題に入りましょう。
頭文字をとってWIPP(Waste Isolation Pilot Project)核廃棄物隔離保管実験プロジェクトとは何なのでしょう?
原子力発電も核兵器開発も、それが使用された後には非常に毒性の高い核廃棄物を作りだすことになります。
それらは皆非常に長い時間、実に100万年の4分の1という長い期間、いっさい環境中に放出されないように隔離して保管を続けなければなりません。
極めて高い毒性を持っているため、私たちが呼吸をする空気、そして私たちが口にする飲料水や食料に絶対に入り込むことが無いよう、万全の処置をして気の遠くなるほど長い期間隔離・保管を続けなければならないのです。
WIPP(核廃棄物隔離保管実験プロジェクト)を運営する核兵器産業界と原子力産業界は、これらの核廃棄物は水を通さない岩塩鉱内に保管されるため、水に溶けだして他の場所に移動する懸念は無く、人間が暮らす環境中で問題を引き起こすことは無いと主張しています。
しかしこうした施設が存在する場所の州議会、市議会、司法関係者、地主、農場主などは、周辺の環境に全く影響を及ぼすことなく核廃棄物を保管している施設など、世界中どこを探しても無いと懸念を募らせています。
ニューメキシコ州カールズバッド核廃棄物隔離保管実験プロジェクトは、地下800メートルの岩塩鉱の中にあります。
米国エネルギー省(DOE)はこの施設と取り組みを『実験的』と表現していますが、それは廃棄された核兵器から回収された高レベル放射性廃棄物を10年の間引き取り続けていながら、その最終処分方法が未だに見いだせていない事を象徴するものです。
この鉱山は一般的な鉱山施設同様、その頂点となる地表部分に穴を開け、そこに複数の巨大なファンを取り付け、鉱内の淀んだ空気の排気を行い、新鮮な空気を取り込む仕組みを持っています。
そして3月14日夕刻、この鉱内の奥深い場所で、何か危険な出来事が発生しました。
米国エネルギー省はそれを単に『ある出来事』と表現しています。
しかしそれは実は核廃棄物の保管上の事故、すなわち放射性物質の放出、あるいは流出を婉曲に表現する言葉に過ぎません。
フェアウィンズはこの問題について、2月17日以降コモン・ドリームスのサイトに最新情報を提供し続けてきました。
これまで私たちが知り得たことを整理してみましょう。
いつものアメリカ政府機関の例にもれず、米国エネルギー省はこの件に関しては充分な情報提供を行っておらず、したがって私たちはWIPP(核廃棄物隔離保管実験プロジェクト)で核廃棄物の保管に関し何か事故が起きた以上の事を知ることが出来ません。
以下はこれまでに米国エネルギー省に明らかにした内容です。
1.2月14日夜、WIPPの換気システムに取り付けられた放射線検出器が、岩塩鉱から排出されている排気から放射線を検出。
2. 検出された放射性物質の中には、微量であっても人体に入れば危険なプルトニウム、アメリシウムの2種類の放射性物質が含まれていました。
3. 当初米国エネルギー省は、放射性物質が放出されたタイミングで、鉱山内に人はおらず、夜勤の職員が離れた場所の別の建物内にいただけであり、放射線被ばくをした職員は皆無であると公表していました。
4. 米国エネルギー省はさらに、放射線が検出されて1分以内に放射性物質フィルター装置が稼働し、直ちに坑外に放出される空気から放射性物質を取り除く動作を始めたため、高レベル放射性核廃棄物を保管している岩塩鉱内からの排気を濾過し始めました。
5. しかし実際に調査を行った結果、施設の半径2.4キロの範囲が放射性物質によって汚染され、それ以上離れた場所の周辺市町村でも放射線が検出されたのです。
6. そして核廃棄物の保管トラブルによる放射性物質の放出事故発生から2週間後の2月27日、米国エネルギー省は当時現場にいた13人の労働者が被ばくしていた事実を明らかにしました。
彼らは内部被ばくの有無を確認するための尿検査を行い、陽性の結果が出たのです。
7. この事実が明らかにされたさらにその後で、米国エネルギー省は2月15日時点で現場にいたすべての職員について、内部被ばくが無いかどうかの検査を行うと発表しました。
この施設では650人以上の職員が昼間勤務シフトに就いています。
8. 最終的に米国エネルギー省はこの深刻な放射能漏れ事故以降、核廃棄物が保管されている岩塩鉱内への職員の立ち入りを一切禁止していると語りました。
しかし、本当はいったい何が起きていたのでしょうか?
〈 後篇につづく 〉
http://www.fairewinds.org/whats-leaking-nuclear-waste-isolation-pilot-program/
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高レベル放射性廃棄物というものが、地下深く穴を掘って埋めてしまえばそれで終わるような問題ではないという事を改めてお伝えしたくて、この記事を翻訳しました。
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【 核廃棄物処分場、そこで起きている現実 】〈後篇〉
http://kobajun.chips.jp/?p=18480
2014年5月31日 星の金貨プロジェクト
核廃棄物の地下格納施設で事故が起きれば、危険過ぎて人間が入れなくなる危険性がある
核廃棄物の地下格納施設での事故は、全く手のつけようがない深刻な事態に陥る可能性を持っている
管理当局、規制当局の隠ぺいと過少申告が、本来なら不要な悲劇の連鎖を作りだす
フェアウィンズ・エネルギー・エデュケイション 2014年3月6日
当時鉱山内で働いていた職員の家族と内部告発者は、鉱山内のひとつの区画の天井が崩落したと主張しています。
崩落した天井が高レベル放射性廃棄物を格納していたキャニスターを直撃して破壊してしまい、閉じ込められていた放射性物質が鉱山内全体に拡散し、その一部が施設外にまで漏れ出してしまったものだと証言しました。
これに対し米国エネルギー省がこれまで発表したデータは想定されるうち最小の数値を、核工学の専門用語を多用して表現していますが、フェアウィンズはこの件に関し以下の見解を有しています。
1. 米国エネルギー省は独立した立場の専門家や科学者が、今回の事故による放射性物質の放出量、あるいは環境に与える影響を検証するために充分な資料を未だに公開していません。
2.労働者が内部被ばくし、現場から遠く離れた場所でも放射性物質を検出したという事実から、地下鉱山(実験施設)内が高濃度に汚染されてしまった可能性があります。
3. 数千から数万個のキャニスター(密封容器)が、地下鉱山内にありますが、このうち最低一個が破壊され、放射性物質の密閉保管が出来なくなっています。
この施設の内部関係者の証言通り、もし屋根が崩落し複数のキャニスターが損傷を受けているような状況であれば、半減期が25万年の極めて毒性の高いものも含め放射性核物質が施設内に散乱してしまっている可能性があります。
4. もしそうした状態であれば、地下坑内は広範囲にわたり汚染されてしまっている可能性があり、高い放射線量のため危険過ぎて人間が入り込めない状態になっている可能性があります。
5. 排気フィルタの機能は完璧ではなく、稼働しているとしても放射性物質の放出は続いていると考える必要があります。
米国エネルギー省はフィルタにより99.9%の放射性物質が取り除かれると主張しています。
しかし私はそれは真実ではないと考えています。
米国エネルギー省は数値の扱いについて、もっと科学的態度に終始すべきです。
99.9%の意味は、1,000分という時間があれば、フィルタは999分間はすべての放射性物質をブロックするものの、残る1分間はすべてを無条件で通過させてしまうという事です。
これを現実に充てはめてみましょう。
1日は1440分です。
WIPP(Waste Isolation Pilot Project)核廃棄物隔離保管実験プロジェクトは、約3週間に渡り放射性物質を放出していました。
1,000分ごとに1分間、フィルタはすべてを通過させていたと考えれば、WIPPは約30分間、すべての放射性物質を環境中に放出していたことになります。
周辺の市町村は事故が起きた最初の1分間、放射性物質の放出にさらされ、さらにその後3週間の間に、合計30分間の放射性物質の放出が加わったことになります。
6. 米国国立科学アカデミーはそのBEIRリポートにおいて、人間の行為によって作りだされた放射線に被曝した場合、何も問題が起きる可能性が無いレベルというものは存在しないとしています。
そして私たちには、さらに次の4つの大きな懸念があります。
7. まずこの事故はどれほど深刻なものなのでしょうか?
そして放射能汚染はどこまで拡散したのでしょうか?
WIPPは記者会見を開き、半径160キロ圏内の住民について、申し出があれば誰でも被ばくの検査を受けられるようにすると発表しました。
もし健康被害を確認したら、どう対応するつもりなのでしょうか?
8.2番目の懸念は被ばくしてしまった職員への対応です。
米国エネルギー省は当初被ばくした職員はいないとする態度を取ったため、職員に日常と変わらない生活を許す結果になりました。
本来であれば、着ていた服や靴、その時身に着けていたものすべてを処分し、本人も除染措置を受けるべきでした。
今や家庭内や家族に放射性物質が付着してしまった可能性があります。
家族はもちろん、乗っていた自家用車、家屋、着などについてはすべて検査をし、必要があれば除染の措置を行うべきです。
彼らは被ばくした状態で帰途食料品店に立ち寄ったり、コーヒーショップで友人と会ったりはしなかったでしょうか?
彼らは出勤してから自宅に戻るまで、同じ服を着ていた可能性があります。
私は話を大げさにするつもりでこういう事を言っているのではありません。
原子力発電所や各施設の労働者、病院関係者、被ばく患者が放射性物質を身に着けたまま自宅に戻り、結果被ばくが拡大してしまった例は、世界中で記録として残されている事実なのです。
9. 第3は、日中に屋根が崩落したことが事実だとすれば、近くに人間はいなかったのかという事です。
間近でキャニスターが破壊され中身が露呈すれば、近くに居合わせた人間は高濃度の放射線被ばくをしてしまうことになり、そうなった場合には医学的治療が非常に困難になります。
これまで犠牲者の報告が無いのは、単に運が良かったからだと言わざるを得ません。
10. 周辺の市町村や環境問題に取り組んでいる人々は、この施設を作るために大規模な掘削を行っていることについて懸念を抱いてきました。
工法に水圧破砕技術が用いられていますが、これによる地下水脈の破壊が起きる可能性があります。
今回の内部崩落事故と周辺で今も続けられている水圧破砕工事に関連性は無いのでしょうか。
フェアウィンズはアメリカ政府当局に正しい対応を促すため、これからも質問をぶつけ続けるつもりです。
〈 完 〉
http://www.fairewinds.org/whats-leaking-nuclear-waste-isolation-pilot-program/
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【 日本の核廃棄物処分場建設、強まる懸念 】
日本には高放射性核廃棄物を、安全に埋蔵処分できる場所など無い
ハリー・フォーセット / アルジャジーラ 3月21日
核廃棄物の地下処分場の建設場所を決定する日本政府の計画が、長期の安全に対する懸念を引き起こしています。
日本政府は現在、国内にある原子力発電所を再び稼働させるため、福島第一原子力発電所の事故後に策定された安全基準に適合しているかどうかの審査を続けています。
しかし福島第一原発の事故は一方で、原子力発電によって生み出される高放射性核廃棄物を、長期にわたって安全に保管しなければならない問題の存在を浮かび上がらせました。
日本政府はどうにかして核廃棄物の地下処分場の建設予定地を見つけ出そうとしています。
しかし原子力発電の継続に反対する人々は、日本には高放射性核廃棄物を安全に埋蔵処分できる場所など無いと語っています。
http://www.aljazeera.com/video/asia-pacific/2014/03/japan-nuclear-waste-disposal-raises-fears-201432145945421435.html
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