１．「福島第一原発の周りの水はオキシドールになって常に泡ブクブクしてないとおかしいわけで、作業員は水を持ち込んでも過酸化水素水になるから水分補給すら出来ない」について：

環境中にある放射性物質の量をそもそも誤解しています。数十万ベクレルという量があっても、そのグラム数はミリグラムにもなりません。オキシドールの場合は、１ｃｃでもミリグラム単位の過酸化水素が含まれています。

放射性物質の方はどうかというと、
http://keisan.casio.jp/exec/system/1301012764　に参考になる例が載っています。

2012/11/13 16:17 男/40歳代/会社員・公務員/役に立った/

使用目的食品に含まれる放射性物質の報道で100Bqという数値がよく出て来るのでどのくらいの重さなのか調べる為ご意見・ご感想セシウム137で0.000031μg ってとんでもなく小さな数字がでてびっくりしました。
放射性物質がごく少量でもとてもたくさんの放射線を出すことと、計測器の感度に改めて驚きました。

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100万ベクレルは1万倍ですから、セシウム137で0.000031μgの1万倍で、0.31マイクログラムのセシウム１３７が100万ベクレルになるためには必要なのです。

過酸化水素水はミリグラム単位、放射性物質の場合は100万ベクレルという大きさでもまだマイクログラム単位です。1000倍以上の違いがあります。

２．「放射線で体内に過酸化水素発生か？まあいい加減な科学の部類ですね。広島大学に記述があるなら早急に権威に確認し削除をお勧めします。そんな危険なものが体内にできれば体の中でもっと危険なことになります。」

こちらも、ミクロな世界と日常の世界を混同しています。オキシドールで殺菌するときに見える光景は日常の世界。放射線による電離と過酸化水素の発生はミクロの世界です。起こっていること自体は同じですが、オキシドールでの殺菌は非常に大量に一時に殺菌作用を起こしていて、普通の内部被ばくでの放射線による電離や過酸化水素の発生は、人体にある60兆個の細胞に対して、一個一個を対象にランダムに起こっているため、急には分からないだけです。微粒子による鼻粘膜への作用は微粒子周辺の細胞にオキシドールが直接作用していると言ってもいいもので、日常感覚からするととても狭い範囲、つまり、1ミリ四方の更に100分の１以下の規模で起こっているため日常ではなかなか自覚できないだけです。

３．「水酸基（-OH）は、毒性が強いものではない。アルカリ性の溶液にはすべて含まれる。それどころか、中性や酸性の溶液にもたくさん含まれる。」
これも誤解をされています。水酸基は当然、いろいろな化合物のほとんどに含まれていますが、普通、反応性はないのです。ところが、水酸基がそのものとして裸の状態で存在しているととても危険なものになります。その実例が苛性ソーダなどの水溶液です。苛性ソーダは水酸化ナトリウムで、NaOH ですが、Na は食塩がNaclであり、食塩水の中にはNaイオンが大量に含まれていますが、特に塩辛い以外は危険性はありません。OHイオンはそれが裸で存在するととても反応性に富み危険なのです。

４．「オキシフルの過酸化水素水は、普通は 2.5％の溶液であり、それを ２〜３倍に稀釈して使うから、１％程度の濃度である。それでようやく殺菌作用が出る。一方、今回の放射線の場合だと、過酸化水素が１分子か２分子ぐらい（あるいはもうちょっと）できたとしても、その濃度はごく微量であろう。まったく問題にならない。」

こちらも典型的な誤解です。人体に対する影響を見るときに体全体を観察して被害の程度を見ることが多いのですが、放射線による被害は実際には細胞単位で出ているのです。「過酸化水素が１分子か２分子ぐらい」であっても、それが一つの細胞の数百分の一の空間で起こっていれば、その空間の濃度は大変なものになるでしょう。硫酸の原液を皮膚につければすぐに皮膚がただれてしまいますが、100万倍に希釈してあればほぼ無害です。「過酸化水素が１分子か２分子ぐらい（あるいはもうちょっと）できたとしても、その濃度はごく微量であろう」という議論は、濃硫酸の置いてある建物の重量とその濃硫酸の重量を比べて重量濃度が１％もないから濃硫酸は危険ではないと言っているのと同じです。放射線の害はそれが当たった細胞に発生するので、その細胞内で発生している過酸化水素の濃度を考えないと被害の程度は分かりません。

５．「活性酸素が発生する理由は、化学物質や体調など、いろいろな理由があるが、特に「ストレス」が有害である。低線量の放射線の影響なんて、それをはるかに下回るのだ。（ ※　仮に影響があるとしたら、現状の100倍以上の放射線を浴びた場合だろう。現状程度ならば、放射線以外のものの影響の方がはるかに大きい。それに比べれば、放射線の影響は誤差レベルにすぎない。）」

　こちらも同じことです。美味しんぼに描かれた鼻血は、ほぼ微粒子による被曝が原因であり、この場合は、微粒子がある場所の周辺の細胞が集中的に放射線を浴び続けるのです。呼吸に伴う酸素消費に関わって発生する過酸化水素は全身にほぼ均等に分散しているため、生命体に自然に備わってきている免疫機能で修復されます。