原発事故で出た放射性物質を含む焼却灰など指定廃棄物の最終処分場の建設について、国、県、それに候補地の市と町の３者による初めての協議が宮城県庁で行われました。
国側が候補地の絞り込みに向けた現地調査の実施に理解を求めたのに対し、３つの自治体のうち、栗原市と大和町は、協議のあと記者団に対し、３つの自治体が足並みをそろえることを条件に調査に応じる用意があるという考えを示しました。

原発事故で出た放射性物質を含む焼却灰など１キログラムあたり８０００ベクレルを超える指定廃棄物の処分場建設をめぐり先に環境省は、宮城県内の候補地として栗原市と大和町、加美町の３つの自治体の国有地を提示しました。

これに対し、３つの自治体が受け入れに反対する姿勢を示す中、環境省は候補地の絞り込みに向けて国、県、それに候補地の自治体の３者による協議の場を設置し、２６日、宮城県庁で初会合を開きました。

はじめに、環境省の井上副大臣は「地元の意見や心配にしっかり答えたい。候補地での詳細調査の実施が不可欠で、調査への理解をお願いしたい」と述べ、候補地の絞り込みに向けた現地調査の実施に理解を求めました。

これに対し、自治体側は、栗原市の佐藤勇市長が「栗原市の候補地周辺は、２００８年の岩手・宮城内陸地震で国内最大規模の地滑りも発生した地盤がもろい場所で、自然災害がいつ起こってもおかしくない極めて危険な地理だ」と述べたほか、大和町の浅野元町長と加美町の猪股洋文町長も同様に候補地の地滑りの危険性などを指摘し、処分場の受け入れに反対する意向を重ねて示しました。

ただ、栗原市の佐藤市長と大和町の浅野町長は、協議がおわったあと記者団に対し、３つの自治体が足並みをそろえることを条件に調査に応じる用意があるという考えを示しました。

加美町の猪股町長は「調査は意味がない」と述べ、調査も受け入れられないという考えを示しました。

環境省と宮城県は、来月上旬にも改めて協議を開く方向で調整を進めることにしています。