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福井地裁で大飯原発再稼働差し止めの判決がおりました。
それに対して大阪地裁、高裁は、「規制委で審査中であること」を 根拠に再稼働中止の仮処分申請を却下しました。
ここで少しは地震力とも付き合ってきた建築士としての意見を言います。
原子炉本体は鉄の塊で、転がしても、蹴倒しても壊れはしません。
震度で言うならば、震度20(実際は7まで)でも壊れません。
ガルで言えば1万ガルでも良いでしょう。
それで安全かの様に言っています。
ですが、何度も言いますように原子炉本体には多くの配管がつながっています。
強い揺れが(震度5でも)生じた場合、これらがどのようになるかを見てみましょう。
小学校の校庭での実験と考えてください。
直径1m位の鉄の固まりに、穴をあけて細い竹(直径1〜2cm)を差し込み、その端を貴方が持っているとしましょう。
地震が来て大地が揺れると、当然、貴方の体も揺れ動きます。
鉄の塊は、容易なことでは動かないので、竹を持ったあなたが動くと、当然に竹を差し込んだ部分には大きなねじれが生じます。
原発の場合でも原子炉本体とは別に、複雑につながれた無数の配管系統があるのです。
質量の差で、揺れに対しては異なる動きが発生します。
と言う事は、原子炉本体の損傷はなくても、配管の付け根はたやすく破損することになります。
最近では建築の耐震工法が発達して、建物の基礎から丸ごと地盤とは切り離し、大地が揺れても、その揺れが建物に、そのまま伝わらないようにする場合があります。
具体的には大型コンピューターを設置する建物に使われていて、5階建ての様な、結構大きな建物でもやっています。
地盤と建物の基礎の間に、スプリングを挟み込み、それで建物を支えているのです。
さすがに原発などの大きくて重量のある建物には実施さえてはいません。
技術的には可能でも、建設費がトンでもなく、無理なのです。
元へ戻ります。
原子炉本体と配管系統は同じような質量でできていれば、揺れの差が少なく、破損にはいかなくても、実際には機能的にそんなこともできません。
このような配管系統を地震の揺れから守ると言う問題は、一般の建物でも随所に取り入れられていて、この場合は配管の一部(壁などを貫通する部分)に蛇腹などの変形しやすい部材を挟み込みます・
ですが、それも程度の問題であり、原子炉本体と配管系統の様な質量に大きな差がある訳ではありません。
ですので、原発と言う工場自体が、地震にはめっぽう弱いと言えます。
福島原発事故の場合、震度6野揺れで、多くのヵ所の配管の付け根が破損してしまい、そこから放射能を含んだ水や蒸気が噴き出したと言う事です。
最初に発表があったように非常電源が止まって冷却装置が働かなくなったのであれば、原子炉本体の爆発などの様な、もっと大きな被害を出していたでしょう。
また原子炉本体が爆発せず、配管系統にも破損がなかったら、放射能が漏れ出すこともなかったでしょう。
津波がくる前に、原発の作業員が建屋の中を覗いたら白い蒸気が充満していたと証言しています。
地震が起きて津波が来るまでの30分の間に、壊れた配管の付け根から放射能を含んだ蒸気が噴出していたのです。
結論として全国の全発は震度6の揺れにも持たないのです。
それなのに断層を調べるとか、言って、事実に言及せずに問題の方向をずらしています。
また、そのニュースを聞く国民も、そんなものかと、思い込んでいます。
別に断層の真上でなくても、震度5や6の揺れは生じるのです。
大飯原発も、過去に福井震災と言う大きな地震がありました。
震度5や6の揺れは何時くるかは解らないのです。
震度5以上の地震は、この10年の間に205回発生しています。
年間、20回はどこかで起きています。
これに対して原発の設置個所は、14ヶ所あります。
福島の場合、震度6と言いましたが、震度5でも安全とは言えません。
もちろん、その揺れがあったと言って必ずしも破損はしません。
震度6の地域でも、すべての家屋が壊れないことと同じです。
しかしながら破損の可能性は十分にあるものとしなければなりません。
要するに原発の安全性など、皆様が地震で自宅が倒壊しないかと、恐れている事と同じレベルの問題なのです。
これで良いのでしょうか。
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