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福島第一原発 多核種除去設備(ALPS)の不具合は部品の”欠陥” 放射能除去設備なのに放射能に弱い(FGW)
http://financegreenwatch.org/jp/?p=43966
5月 24th, 2014 Finance GreenWatch
東京電力福島第一原発の増大する放射能汚染水対策を推進するために導入された東芝製の多核種除去設備(ALPS)が再三のトラブルを起こしているが、東電によると、トラブルの原因は高濃度の放射能を受けてフィルターの内部が破損したためとの見解を出した。
東電はフィルターを改良型に切り替え、23日、B系統について再稼働させた。だが、放射能除去装置が放射能に弱いとなると、今後の汚染水処理のスケジュールにも影響しそうだ。
ALPSは3系統が導入されているが、処理後に放射能濃度の高い白濁水が生じるなどのトラブルが続いたため、東電は今月半ばになって3系統全部を停止し、点検していた。その結果、トラブルの原因はB系のクロスフローフィルター(CFF)3Bのパッキンが放射線で劣化し、放射性物質(主にセシウム)を含む炭酸塩スラリーが、ろ過側(処理済水側)へ移行し、下流側へ流出したと推定した。
パッキンの劣化を防ぐ対策として、B系統については、耐放射線性能の高い材質を用いたパッキンに変更した改良型CFFへ取り替えて、運転を再開した。一方、3月に停止したA系およびC系は、処理後の水について特に異常がなかったが、いったん汚染したサンプルタンク等を浄化して再開したが、B系統と同様に、パッキンが劣化すると下流側のカルシウム濃度が上昇することから、今月半ばに停止、カルシウム濃度測定を行ったうえで、フィルターのパッキン交換を実施する予定。
東電がパッキンを分解調査した結果、ガスケットの一部に欠損や微小な傷が確認され、そこから炭酸塩スラリーが流出したとみられる。汚染水漏えいの原因となった欠損部分は、放射線の強さによって生じたと推定される。東芝が最初に使用したガスケットはテフロン性で、照射試験の結果、運転から約25日間運転に相当する1000Gyで、最大応力の低下がみられ、脆化(テフロンの劣化)が表れ始めたという。さらに最大伸び美試験では、250日間運転に相当する10000Gyで劣化が明確になった。
いずれも設計基準を大きく下回る劣化度で、一種の”欠陥”といえる。東電はテフロンのガスケットをEPDM(合成ゴム)に切り替えて、様子をみるという。ALPSは試験運転中ではあるが、一か月にも満たない運転状況で、部品の劣化が生じ、汚染水が漏れるという事態は、汚染水処理だけでなく、ALPSの運転そのものも手探りで進める以外にない、という原発処理の先行きの危うさを象徴しているともいえる。
http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/handouts/2014/images/handouts_140523_09-j.pdf
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