http://www.asyura2.com/14/genpatu38/msg/334.html
Tweet |
放射線医が語る被ばくと発がんの真実 (ベスト新書)のカスタマーレビューから
http://www.amazon.co.jp/product-reviews/4584123586/ref=sr_cr_hist_5?ie=UTF8&filterBy=addFiveStar&showViewpoints=0
私も医師として、これまで被ばくと発ガンに関するさまざまなデータと論文を調べてきました。その結論と本書の結論は同じでした。
他者の書籍「原発・放射能 子供が危ない」などでは急性被ばくと慢性被ばくを混同している箇所もありますし、子供には1mSv/年以下でなければならない根拠は「国」が法律でそう定めているからという理由しか示されておらず、しかし一方で、国の発表することは信用できないと書いていて論理矛盾があったりと、論理展開に信用できない部分が多かったです。そして、子供には1mSv/年以下でなければならないもう一つの根拠は1万人に1Svの被ばくをさせると3731人がガンで死ぬ、だから1mSvだと約3.731人が死ぬというゴフマンの理論ですが、広島・長崎の急性被爆と福島の慢性被ばくは全く違います。加えて、被ばくしない1万人では何人がガンで死ぬかと比べなければ科学ではありませんし、データは必ず一次関数的に比例するとは限りません。
本書では、自然界からの被ばくが年間70ミリシーベルトのインドのケララ地方の住民でガンの発症率が全く増えていないこと(Health Phys 2009;96:55)、被ばくした親から産まれる子供のガン発症率は上昇しないこと(Am J Hum Genet 1990; 46:1041)、チェルノブイリでは子どもの甲状腺ガン以外のガンは増えていないこと(J Radiol Prot. 2006;26:127)など、過去の医学研究の事実に基づいた記載ばかりです。
実際に、台湾で誤って放射能を帯びた鉄骨で作られたマンションから生涯100ミリシーベルト被ばくした住民でガンが増えていません(Dose Response. 2006;5:63)。「コバルト60が鉄筋に混入したアパート住民の健康影響調査」で検索すればわかります。アメリカの原子力潜水艦の造船所では職員は被ばくしていますが、生涯50ミリシーベルト以上被ばくした職員のガン発生率や死亡率は被ばくしていない職員と比較して上昇していませんでした(J Radiat Res 2008;49:83)。政府は後から国民に挙げ足を取られるのを恐れて、むしろ「良いデータ」の方を隠していることがわかります。少し考えれば、「大丈夫ですよ」と言うより、「危険です」と言っておく方が、後から国民に非難されるリスクが減らせることは簡単にわかります。本書は「本当の事」、すなわち「大丈夫である」ことを、ごく普通に示しただけなのです。
チェルノブイリでは、国の対策が遅れ、汚染された牧草を牛が食べ、その牛乳を子どもが飲んで1万ミリシーベルトも被ばくしたから、子どもの甲状腺ガンが増えたのであり、感情的に福島とチェルノブイリを同じに考えてしまう間違いも指摘しています。
私も、今の官僚と官製学者と政府の能力では原発の運営は危険だと感じ、今後の原発の運営に反対です。国は原発の危険性を隠していました。しかし、だからといって国は「今の福島」の被ばくの危険性も隠していると、原発の危険性と同様に感じてしまうのは誤りです。本書のように、冷静にデータを調べる必要があります。
本書に同意するレビュアーのほとんどが論拠を示しながら同意しているのに、本書に対する反対派は反対の論拠も示せずに、「こんな本を読むと脳が腐る」とか「気持ち悪い」といった、論理的な意見というよりも「感情的」な意見が目立つのも興味深いです。それに、反対派は、その他のレビューを見ると他の書籍も読んでいない人が多いことも興味深く拝見しました。
末巻に、通常の医学論文のように、根拠とした論文をまとめて記載すれば、さらに本書の内容の信頼性が高まったと思います。私が被ばくと発ガンに関して調べた数十編の研究結果と同じあった内容です。これが事実です。
<参考リンク>
■「内部被曝 (扶桑社新書) 肥田 舜太郎」のカスタマーレビュー
http://www.amazon.co.jp/product-reviews/4594065775/ref=cm_cr_pr_hist_1?ie=UTF8&filterBy=addOneStar&showViewpoints=0&sortBy=bySubmissionDateDescending
▲上へ ★阿修羅♪ > 原発・フッ素38掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。