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関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)をめぐり、住民らが関西電力に運転の差し止めを求めた訴訟の判決が21日、福井地裁であった。樋口英明裁判長は250キロ圏内に住む住民らは差し止めを求めることができると判断し、運転差し止めを命じる判決を言い渡した。
2011年3月の東京電力福島第一原発の事故後、原発の運転差し止めを求めた訴訟の判決は初めて。大飯原発は13年9月に定期検査のため運転を停止し、新規制基準に基づく原子力規制委員会の再稼働審査を受けている。
差し止めを命じたこの判決が確定しない限り、再稼働審査に適合すれば大飯原発の運転は可能だが、司法判断を無視して再稼働させることには世論の大きな反発が予想される。このため、全国の原発で再稼働に向けた動きが進む中、福井地裁の判決が注目されていた。
差し止めを求めたのは福井県の住民や、原発事故に伴う福島県からの避難者ら計189人。
訴訟の最大の争点は、耐震設計など安全対策の基準となる基準地震動を超える大きさの地震が起きる可能性があるかだった。
住民側は05年以降、原発が基準地震動を超える揺れに襲われた例が、福島第一原発事故を含めて5例あることを指摘。「関電の想定は過小だ」と主張した。
一方、関電側は訴訟で大飯原発の基準地震動を700ガルと説明。さらに原発周辺の三つの活断層が連動して想定を上回る759ガルの地震が起きたとしても、「安全上重要な施設の機能は維持される」などと反論した。
訴訟では樋口裁判長の訴訟指揮により、@外部電源が喪失した場合などでも過酷事故を防ぐために原子炉を冷却できるかA使用済み核燃料プールの損傷による放射能漏れの可能性B活断層や地滑りで地盤にずれが生じる可能性、の3点も争点となり、住民側が危険性を指摘した一方、関電側は「福島第一原発事故後を踏まえた安全対策をしている」などと反論していた。
原発訴訟をめぐって過去に住民側が勝訴したのは、高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の設置許可を無効とした名古屋高裁金沢支部判決(03年)と、志賀原発(石川県志賀町)の運転差し止めを命じた金沢地裁判決(06年)の2例。ただ、いずれも上級審で住民側の敗訴が確定している。(太田航)
http://digital.asahi.com/articles/ASG5P521XG5PPTIL014.html?iref=comtop_6_01
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