http://www.asyura2.com/14/genpatu38/msg/279.html
Tweet |
原発問題の核心を見失わず、冷静に議論するきっかけにしたい。
物議を醸してきた週刊漫画誌の連載「美味(おい)しんぼ」をめぐり、出版元の小学館がきのうの最新号で、専門家らの賛否両論を紹介する異例の特集を掲載した。
福島県などの反発を招いたのは主人公の新聞記者が福島第1原発を取材した後に鼻血を出し、放射線が原因と説明される場面だ。
小学館は「(批判は)真摯(しんし)に受け止め、表現のあり方を見直していく」との見解を出したが、投げ掛けた問題は決して小さくない。
「福島の真実」と題した本編は昨年1月に連載が始まった。県内各地に伝統的な食材や料理を訪ね歩きながら、原発事故の後遺症に悩む住民の現実に迫る内容だ。
大地や海を汚染し、食の安全と日常を奪った原発事故への憤りが全編を貫いている。
問題視されたのは、そのごく一部にすぎない。しかも一定以下の放射線による被ばくが健康被害を及ぼすのか、専門家の間で見解が分かれている。
県は前号発行後、小学館に「放射性物質による直接的な健康被害の確認例はない」と抗議した。
復興相ら閣僚の遺憾表明に続き、安倍晋三首相もそれに同調し、批判の大合唱に発展している。
作品の中で、福島大の准教授が「福島にはもう住めない」と語ったことに対し、大学側が「立場を理解して発言するよう注意喚起する」との見解を出した。
言論封じとも受け止められる。漫画への批判が無言の圧力となり、住民が健康不安や体の変調を口にできなくなる懸念がある。
メディアや表現に携わる人たちを萎縮させないかも気がかりだ。放射能被害や原発への問題提起がしにくい空気が醸成されつつある現状も見過ごせない。
最も大事なのは、住民の健康状態を行政が継続的に把握し、放射線の影響が出ないかどうか、長い目で見極めることではないか。
民主党政権時代の2012年4月、自民党は参院憲法審査会で「毎日鼻血が出る」との前双葉町長の言葉を引用し「重い発言」と健診の充実を求めた経緯がある。
政権交代で一転、正反対の立場に回るのでは、被災者を政治利用したと言わざるを得ない。
事故発生当時、政府や電力会社は放射性物質の放出や拡散などの正確な情報を住民に迅速に提供しなかった。被災者の不安や不信の原点はそこにあることも、あらためて思い起こす必要がある。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/540267.html
▲上へ ★阿修羅♪ > 原発・フッ素38掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。