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二重三重の電源喪失対策 設計上原発の安全性格段に高まった(NEWS ポストセブン)
http://www.asyura2.com/14/genpatu38/msg/216.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 5 月 17 日 07:57:53: igsppGRN/E9PQ
 

二重三重の電源喪失対策 設計上原発の安全性格段に高まった
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140517-00000002-pseven-bus_all
NEWS ポストセブン 5月17日(土)7時6分配信


 電力需給見通しが発表された。すべての原発を停止したままでも夏に高まる電力需要をなんとか乗り切れる見通しではあるが、昨夏より1.6ポイント悪化した4.6%という厳しい状況だ。経営コンサルタントの大前研一氏が、原発の安全性について解説する。

 * * *

 原発を持つ電力9社が試算した今夏の電力需給見通しが発表された。原発再稼働を織り込まない9社平均の予備率(最大需要に対する供給余力)は4.6%だが、福島第一原発事故前の原発依存度が高かった関西電力と九州電力は、東京電力からの融通(関電38万kW、九電20万kW)によって、ようやく最低限必要とされる3%を確保するという綱渡り状態だ。

 融通を受けないと予備率は関電1.8%、九電1.3%にすぎず、しかも3%では、もし大型火力発電所でトラブルが起きたらブラックアウト(大停電)の危険がある。

 その一方で、政府は先ごろ閣議決定したエネルギー基本計画で、石炭火力とともに原子力を、昼夜を問わず低いコストで安定的に発電できる「ベースロード電源」と位置付けて再評価した。これに対し、反原発派は「福島の教訓はどうなったのか」と反発している。

 だが、政府組織の対応や地元自治体との連携・役割分担、電力会社の情報共有、万一の時の避難対策などのソフト面はともかく、ハード面から見る限り、原発の安全性は福島の教訓に学んで格段に高まっている。

 ハード面の福島の教訓とは、2012年7月に上梓した拙著『原発再稼働「最後の条件」』(小学館)などで指摘したように、原子炉自体は自動的にスクラム(緊急停止)できたので「電源さえ喪失しなければ冷却して冷温停止に持っていける」ということだ。すでに東電の柏崎刈羽原発や関電の大飯原発などは、それを踏まえて電源喪失に陥らないための二重三重の対策が講じられている。

 また、ウェスチングハウスが開発した最新型のPWR(加圧水型原子炉)AP1000は、あらゆる電源が喪失しても圧縮ガスによる圧力や重力などの力で自動的に原子炉容器内に冷却水が注入され、自然循環によって熱を取り除いていき、72時間後に115度まで冷却できる設計になっている。つまり、もし福島第一原発のような全電源喪失状態になったとしても、設計上は極めて安全なのだ。

 世界各国で脱原発・反原発の動きが活発化していると言われるが、全原発を止めたのは日本だけである。たとえば、アメリカはスリーマイル島原発事故後も既存の原発は動かし続け、チェルノブイリ原発事故後のロシアも他の原発は稼働させている。

 福島第一原発事故後のヨーロッパを見ても、原発大国のフランスは当然そのまま動かしているし、ドイツは2022年までに、ベルギーは2025年までに、スイスは2034年までにすべての原発停止を決めたものの、いずれも日本のように全原発を止めてはいない。

 しかも、いま世界ではアメリカ、イギリス、中国、インドなどで合わせて100基くらいの原子炉の新設が計画されている。前述のAP1000などは中国でも採用されており、福島の教訓をいち早く取り入れている。そうした中で今後原発をどうするのか、日本は感情論ではなく、もっと冷静に議論すべきだと思う。

※週刊ポスト2014年5月23日号


 

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コメント
 
01. 2014年5月17日 08:14:27 : YUlX54A6ss

>経営コンサルタントの大前研一氏が、原発の安全性について解説する。


解説するのが経営コンサルタント、それも原発の安全性を解説。それなんか違うんじゃねーの。

>そうした中で今後原発をどうするのか、日本は感情論ではなく、もっと冷静に議論すべきだと思う。


冷静に議論したら全原発は廃炉だよ。


02. 2014年5月17日 08:30:38 : NNHQF4oi2I
<<福島第一原発のような全電源喪失状態になったとしても、設計上は極めて安全なのだ

大前健一は 本当に原子力の設計に携わったか アヤシイナ


 原子炉カ 完全に保たれていたらばの話
 原発で 原子炉が 壊れいたか 確認できてない(確認したくない)
 
 こんな 程度の未熟さで 動かしたいというのは うぬぼれ


03. 茶色のうさぎ 2014年5月17日 08:36:02 : qtmOTsgWNIsK2 : udhF1Zu1pI

経営コンサルなんてこんなもんだね。安全性は格段に高まっている???
桜井のねーちゃんと同じでちょ。  うんこはどーすんだよーー!


04. 佐助 2014年5月17日 09:14:19 : YZ1JBFFO77mpI : wpmCg8U5S6
福島事故原発の究明調査と横ニラミ対策しないものは再稼動認められない,地震や津波そして電源喪失のセイにする誤魔化しは許せない。3.11 原発事故は、地震津波が原因(天災)と信じられている。そのため放射能の大気と太平洋のタレ流しは、当分仕方がないと寛容だ。だが、地震津波なしでも、全原発は、放射能もれ事故を発生する。

(1)原発は冷却水には真水ではなくてマグネシウム(Mg)が使われている。海水にはマグネシウムヤやナトリウムが含まれている。マグネシウムやナトリウムはリチウムと共にイオン化すると強い共鳴振動数によって容器やパイプを酸化または還元して、穴をあけたり、亀裂を発生させたり、腐食させる。この原因の75%は原子が分子化される時に発生させる現象である。そのためにイオン化されたマグネシウムやリチウムを共鳴共振振動応力の発生する材料を使うべきでないのに平気で使う原発。福島原発が、自動停止したにもかかわらず、炉心が溶解したのはそのためだ。

(2)接続箇所やパイプ部分に腐食・穿孔・発熱が発見される。その原因は設計と操作ミスに責任を転化されてきた。分子レベルでは共鳴共振により、物質に腐食・穿孔・発熱することを無視している。冷やせば放射能漏れも高温発熱も低下するという想定は、原子物理学の幻覚なのだ。つまり二重三重に電源喪失対策をしても,多くの分子を含む海水を注入したり,イオン化により原子設備の腐食・穿孔・発熱は加速は止められない。すなわち電源喪失しなくても地震津波なしでも、全原発は、放射能もれ事故を発生する。

(3)原発事故が発生するたび、反原発・脱原発の声が吹き上がる。その共通のキーワードは「不安」だ。不安心理だけでは解決できない。原発のどこが科学的な欠陥をもち、本当に安全な原発設計はできるのか?を知らないと、日本を放射能汚染列島化は止められない。

(4)ウラニウムが自己崩壊して発生させる電子の放射線量は多いため発熱量は高くなる。自己崩壊しても、高い放射線量をもつセシウムやプルトニウムに分裂誕生する。それならもっと低い発熱量を放射する原子を燃料棒を採用することである。安全な原発に設計変更するならば、自己崩壊しても危険な原子に分解されない放射性物質を燃料に使って、分子の共鳴振動数の一致/不一致によって、腐食・
穿孔・発熱事故を発生させない設計に設計変更しなければならない。

こうして、放射能を含む水素や蒸気漏れが避けられない原発の設計の隠れて見えなかった危険性が、3・11 の地震と津波によって、露呈されたのである。

現在原発により第二次産業革命が政府や大企業やマスコミによつて遅延させられているが,蒸気機関の発明が、汽車から船、そして自動車から飛行機と驚くべき産業革命を牽引したが、コンデンサー電子半導体電池は、電子機器から家庭と工業電力、そして、電車・船・自動車・飛行機・ロケットにも使われ普及するために、第二次産業革命が世界信用収縮恐慌とドル通貨の暴落によって加速してくる。燃料電池で技術革新が加速する,そして色々な業種が参加して、色々な機種が登場するけど、五年すると、一つのタイプと方式に集約される。そして、十年たつと、すべての電子機器を一変させる。そしてエンジンレスに成功した巨大な産業が出現することまでわかっている。

家庭も工場も乗り物も、電子電池電源で動く時代になるので、都市も農業も漁業も本当にかわり、人類は第二次産業革命を謳歌することになる。原子力の時代は間違いなく終わります。早ければ古今未曽有のパニックは避けられるが遅延だと2016前後に,まず銀行・証券・為替の一時閉鎖が世界各地で発生します。


05. 2014年5月17日 09:51:56 : eMAaN2FxLQ
『現状、福島県の大半の土地よりも、原発内の管理地区の方が放射能の安全性は高いです(皮肉)。』
ぐらいの事は、解説してもらいたいもんだ、元原発設計の肩書きを持つオーマエさんよ。

06. 2014年5月17日 10:21:18 : 65QlG08Uiw
核の毒ゴミがばら撒かれ続け、かたづかねぇ現状。
無差別大量公衆、世界人類が被曝により殺傷されている現行犯罪最中。
経営って、人のために経営するのか、歴史・文化・法・事実・伝統・健康・・・
前進科学破壊を、大後退を、嘘・殺人を大事に経営するのか、逆転してんだ。
大消費時代から、ずーっと続き、再生・処理不可能な害毒ゴミ増大が、
公共の福祉に反する時は、既に、いや、とうの前に過ぎた。
原発が爆発し、核を大拡散した時点で、完全に終わった。
ゴミを片付けようったって、片付けられない、又は非常に困難な物理法則、
概念を越えるような無限大のマイナスだから、代数に入らないんだな。
前でいくら足し算しても、後に無限大のマイナスを勘定に入れれば、
0ゼロ、現実的算法にならねぇ、そのイカサマシステム経済・経営の最中だ。
イカサマ、詐欺師、現行詐欺・無差別大量殺傷違法者、大前も即殺処分が合法。
みな、判決せよ、もう3年以上たって、ちんたら語ってるのは全部うそ。

07. 2014年5月17日 11:37:16 : 5gTpOm9vjk
命がけで、原発を使う必要はない。

エネルギーヴェンデを日本でもやればいいだけ。

今の時代、原発推進は知恵遅れ。

米大統領、太陽光・省エネ普及の行動計画を公表
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM0901V_Z00C14A5FF1000/

オバマ氏「太陽光で世界のリーダーに」 5万人雇用創出
http://www.asahi.com/articles/ASG5B2FPZG5BUHBI007.html

アメリカ、太陽光発電・省エネ強化を表明
http://www.eco-front.com/news_bGeZSHM34I_730.html

ドイツのエネルギーヴェンデって・・・(その1)
http://blog.livedoor.jp/murakamiatsushi/archives/51823182.html

ドイツの省エネ政策の成果  暖房費 2.6兆円 節約
http://blog.livedoor.jp/murakamiatsushi/archives/51762291.html


(2)では、ロビンスさんが、大手建設会社の本社ビルを訪れます。
2012年8月に新築されたこのビルでは、太陽光をオフィス内に取り入れて
照明にかかるエネルギーを節約するなどして、平均的なビルよりエネルギー消費を7割近く削減。

年間で1億円の光熱費の削減となり、省エネ設備にかかった費用は5年で回収できると見込んでいます。

ロビンスさんは、このように、省エネが大きな利益を生むことに早く気づくことが大切だと考えています。

エネルギーシフトへの挑戦〜エイモリー・ロビンスからのメッセージ〜(2)
http://cgi4.nhk.or.jp/eco-channel/jp/movie/play.cgi?did=D0013772244_00000

エネルギーシフトへの挑戦〜エイモリー・ロビンスからのメッセージ〜
http://www.asyura2.com/09/eg02/msg/1082.html  


08. 2014年5月17日 14:27:53 : Ohl4OQuhlw
>AP1000は、あらゆる電源が喪失しても圧縮ガスによる圧力や重力などの力で
>自動的に原子炉容器内に冷却水が注入され、自然循環によって熱を取り除いて
>いき、72時間後に115度まで冷却できる設計になっている。
>つまり、もし福島第一原発のような全電源喪失状態になったとしても、
>設計上は極めて安全なのだ。
3月12日に1号機が爆発して、2・3号も危ないとされていた時
3号機の緊急冷却装置の解説を日本原子力技術協会最高顧問の石川迪夫氏がしていて
3号機は1・2号機と違い安全性が上がっています。
電源がなくなっても自らの圧力で機械的な動作で冷却水が自然循環する。
(72時間後に115度まで冷却できる設計になっている。)
その仕組みを貴方がたは知っていますか?としたり顔で解説したが
その後3号機は爆発した・・・水素爆発との説明は無理がある爆発事故だ。
↑カッコ部分の72時間までは覚えているが115度まで冷却するとの発言記憶は曖昧なのでカッコ付きとした。

大前氏はPWRとBWRに違いがあり安全性が高まったと解説するが、其れも無理がある。

佐助氏がコメントしているように配管の脆弱性問題は何ら解決していない。
PWR型の美浜原発では2004年実際配管破断蒸気噴出で作業員が死亡する事故が発生している。
その後経産省が出した通達はPWR型原子炉の配管肉厚検査だけ
BWR型原子炉の配管検査は何故か除外されている。
新型・旧型とかの型式の違いのみで安全論を語ってはいけない。


09. 2014年5月17日 14:49:31 : TGgfYEbPRU
配管壊れた実績は無視か・・・。
火力と原子力の決定的な違いは燃料供給を断てるか否か・・・。

10. 2014年5月18日 09:09:14 : kXX0mVDAHo
 

京都市、納期遅れの業者に契約解除と損害賠償を要求 業者「たった4年遅れただけ!解除は無効!」
beチェック
1 名前: パロスペシャル(神奈川県)@転載禁止 2014/05/18(日) 07:52:25.87 ID:jIf01h4D0 PLT(13128) ポイント特典

溶融施設訴訟“争う姿勢”

京都市が伏見区に建設を進めていたゴミ焼却灰の溶融施設が期限までに完成しなかったとして大手重機メーカー「住友重機械工業」に
約167億円の損害賠償などを求めている裁判が16日、始まり住友重機械工業側は「京都市が決めた契約の解除は無効だ」として争う姿勢を示しました。
京都市は家庭ゴミの処理で出た灰を減らすため伏見区内に焼却灰の溶融施設の建設を進めていました。

ところが、完成前にトラブルが相次ぎ、期限までに引き渡しが行われなかったとして、工事を受注した住友重機械工業に契約の解除を通告するとともに、
約167億円の損害賠償などを求めています。

16日、京都地裁で始まった裁判で京都市側の弁護士は「度重なるトラブルで自ら最後と設定した工期も守れず、契約の解除に至った。
メーカーが一切の経費を賠償すべきだ」と主張しました。

これに対し住友重機械工業側はトラブルが起きた事実については争わないとしたうえで、「直近のトラブルは容易に解決できたもので、工事は完成できる。
京都市が独断で決めた契約の解除は根拠がなく無効だ」として争う姿勢を示しました。
一方、京都市側は、「被告の解決策では不十分だと判断していて、今後の裁判で正当性を明らかにしたい」としています。
裁判では今後、「京都市の契約解除が有効だったか」などを巡って争われるとみられます。
http://www.nhk.or.jp/lnews/kyoto/2014320531.html?t=1400353770943
ほぼ完成してる施設
http://p.news.nimg.jp/photo/360/800360l.jpg


当初の納期は4年前
>2005年に住友重機が京都市から工事を受注(契約金額は114億円)し
>当初計画では2010年5月末までに引き渡す予定だった。
http://toyokeizai.net/articles/-/29370

35 名前: 栓抜き攻撃(滋賀県)@転載禁止 :2014/05/18(日) 08:52:42.29 ID:07FiOQA00
納期4年も延長しといてそれでもダメって些細な欠陥じゃ無くて全体の設計ミスじゃねーの?
一変更地にして0からやり直した方がマシだろ

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
住友重機の機関銃 10年以上、発射速度や命中率などを改ざん 同社独占のため影響範囲大
2013年12月14日

1: ボマイェ(WiMAX) 2013/12/14(土) 18:49:13.63 ID:t1sUnJCD0 BE:1539820692-PLT(12001) ポイント特典
機関銃の試験データを改ざん、防衛省に納入 住友重機

【其山史晃】住友重機械工業(本社・東京都品川区)が、防衛省に納入している機関銃の試験データを改ざんしていたことがわかった。改ざんは少なくとも10年以上に及んでいたとみられる。主力装備品をめぐる不祥事が明らかになり、防衛調達のあり方が問われることになりそうだ。

防衛装備品の調達では、防衛省が製造企業に発注する際に要求性能を定めている。機関銃の場合、必要な発射速度や一定距離の目標への命中率などの項目がある。関係者によると、同社は納入前の性能確認試験で、要求性能を満たしていないのに基準に達しているように装っていたという。改ざんデータに基づいて納入された疑いのある機関銃は1千丁を超える可能性がある。

自衛隊の機関銃の製造は同社がほぼ一手に担っており、同社製の機関銃は陸海空の各自衛隊とも調達している。陸自は5・56ミリと7・62ミリの機関銃、12・7ミリ重機関銃があり、全国の普通科部隊などで広く使われている。海自の掃海艇や輸送艦艇にも搭載されている。空自は戦闘機のバルカン砲や地上から航空機を狙う20ミリ対空機関砲がある。

防衛省もこうした事実を把握し、指名停止処分などを検討している。部隊での使用法のマニュアルなどは要求性能をもとにしており、防衛の現場への影響も懸念される。同社IR広報室は朝日新聞の取材に対し、「現段階ではコメントできない」としている。

同社をめぐっては昨年、機関銃の製造にかかった作業員数と労働時間をかけ合わせた「工数」を水増しする手口で過大請求をしたことが発覚。防衛省から指名停止処分を受けたほか、過払い金や違約金を含め計約23億円を納めた。

http://www.asahi.com/articles/TKY201312130454.html

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http://fpmario.blog.jp/tag/%E6%97%A5%E7%AB%8B%E4%BD%8F%E5%8F%8B%E9%87%8D%E6%A9%9F

日立住友重機
2013年06月11日
難関だらけの原発廃炉作業、重機10台を同時遠隔操作 驚異の工事現場シリーズ 2013/6/11
難関だらけの原発廃炉作業、重機10台を同時遠隔操作 驚異の工事現場シリーズ 2013/6/11 7:00

 地下貯水槽からの汚染水漏れや、使用済み燃料貯蔵プールの冷却システムの停止――。事故から3年目を迎えた今も、福島第1原子力発電所は幾多のトラブルに見舞われている。

 そんな不安定な状況下でも、40年かかるとされる廃炉に向けて、作業は延々と続く。爆発した建屋からがれきを取り除く難工事の進捗を、現場に投入された様々な特殊機械を通して読み解こう。

■吹雪の中、吊り上げた鉄骨が破断

 鹿島は2013年2月6日、3号機原子炉建屋の上部にある「使用済み燃料貯蔵プール」に沈んだ鉄骨を撤去した。この鉄骨は事故前まで、建屋の屋根を構成していたものだ。吹雪の中、特注の油圧フォークをぶら下げた600t吊りクローラークレーン(タイヤではなく履帯を備えた移動式クレーン)2台を遠隔操作して、がれきと化した鉄骨を吊り上げ、建屋上部から取り除いた。

 5cmほど揚重しては異常の有無を確認し、再び5cmほど持ち上げる作業を、現場のカメラから送られる映像を見ながら繰り返した。

 作業中、吊り上げた鉄骨が破断する事態が発生。二つに分かれた鉄骨のうち小さい方を先に撤去し、残る大きな鉄骨を2基の油圧フォークでつかみ直して、建屋南側のヤード(作業場)に移した。午前10時37分から始めた作業は午後2時6分にようやく終わった。

■クレーンなど10台の重機を遠隔操作

 他号機に比べて爆発の規模が大きく、周辺の放射線量が高い3号機原子炉建屋では、重機を遠隔操作して危険地域での作業を可能とする「無人化施工」を導入。クレーン2台を含む合計10台の重機を同時に操り、障害物となるがれきの撤去や付属建物の解体といった地上での作業を2011年9月から進めてきた(遠隔操作の仕組みは、本記事最後の「重機10台を遠隔操作する無人化施工の仕組み」を参照)。

 地上での作業はほぼ終了し、作業の舞台は高さ30mの建屋上部に移っている。まず、記事冒頭のように使用済み燃料貯蔵プールを覆うがれきを取り除き、約 15m角の鋼製の蓋で保護する。その後、建屋の周囲に設置した高さ30mの作業用構台に50tベースの解体用重機(日立建機のZX480)を上げて、遠隔操作で本格的な撤去を進めていく。

 プールのがれき撤去の「主役」である600t吊りクローラークレーンは、日立住友重機械建機クレーンが納入した「6000SLX」。工事を担当する鹿島の領木紀夫副所長は、「ウインチ(ワイヤを巻き取る回転ドラム)をジブ(クレーンの腕)の内部に収めるなど、従来の大型クレーンに比べて非常にコンパクト。限られたヤード内でフットワーク良く動ける。事故後、急いで手配できたのはこのクレーンだけだったのだが、結果的に、これでなければ工事をうまく進められていなかったかもしれない」と語る。

■3Dプリンターでがれきを再現、撤去手順を検証

 600t吊りクローラークレーンによる撤去作業用に開発したのが、「つかむ、拾う、切る」という用途に対応した専用のアタッチメントだ。「つかむ」用途に対応した油圧フォークと油圧グラブバケット、「拾う」用途に対応した油圧ペンチは、領木副所長のスケッチなどをもとにグラブバケット大手の福島製作所(福島市)が製作した。

 領木副所長は「事故後、工事が決まってすぐに『こういうアタッチメントがほしい』と考えをまとめたが、当初はどこに頼んでいいか分からなかった。インターネットで検索して、たまたま福島市に拠点がある福島製作所に行き着いた」と、当時の慌ただしい状況を振り返る。

 このほか、日立建機に「切る」用途に対応した油圧カッターの製作を依頼。こちらは領木副所長のスケッチや要望をもとに突貫作業で開発してもらった。複雑な動きが求められる油圧カッターは、開発に掛ける時間を短縮するために、既存の解体用重機からクローラーなどを取り除いてつくった。

 撤去方法は、およそ1カ月を費やして検討。まるで将棋崩しのように複雑に重なり合ったがれきの様子を水中カメラで撮影し、画像などから三次元データ化して、コンピューター上に位置関係を再現した。

 あるがれきを撤去した場合に、周囲のがれきが何cm動くかも一つずつ構造解析し、切る位置や順番までも指定した。建屋上部の三次元データをもとに3Dプリンターで模型を作成し、手順の確認などに生かした。そこまでしても、がれきが分断するような、思いもかけないことが現場では起こる。

■エレベーターも、副所長のスケッチをもとに開発

 現在、作業用構台には昇降設備がないが、今後は人が上って行う作業も出てくる。高さ30mの建屋上部への昇降用に使用する工事用エレベーターは、鹿島が三成研機(埼玉県日高市)、東京電力と共同で開発した。特許を出願済みだ。

 このエレベーターも、鹿島の領木副所長のスケッチをもとに開発した。組み立て作業を短縮して作業員の被曝量を低減するために、エレベーターの本体とガイドレール、扉を取り付けたエレベーターシャフトをユニット化。六つのユニットを組み上げるだけで設置できる仕組みにした。

 ユニット一つのサイズは2.48m×1.9m×6mに収まる。公道を車で運搬できるように設計した。これらを、発電所構内でいったん二つの大型ブロックに組み上げてから、3号機原子炉建屋に据え付ける。「2回の揚重で設置作業が完了する。置いて電源をつなげば、すぐに動かせる」(領木副所長)。

 搭乗者の被曝量を低減するために、建屋側の側面には厚さ16mmの鋼板を使用。その他の面には厚さ6mmの鋼板を使用した。ケージの外に比べて放射線量を半減できる。

■建設会社が担うのはカバー設置まで

 建屋内に残された燃料を安全に取り出すためのカバー(鉄骨の覆い)の設置までが、建設会社の主な仕事になる。現在、カバーの建設で先行しているのは竹中工務店が担当する4号機だ。13年11月からの使用済み燃料の取り出し、そして14年末の完了を目指して鉄骨の組み立て作業が進む。鹿島が工事を担う3号機でも、建屋上部のがれきの撤去が終われば、ようやくカバーの設置に着手できる。

 「安全は確保せよ。そして、急げ」。のしかかるプレッシャーの下、様々な重機や装置とそれを遠隔操作するオペレーターの技能、作業を支援する建設技術が一体となって、今日も作業は続く。

重機10台を遠隔操作する無人化施工の仕組み

 600tクローラークレーン2台は、油圧グラブバケットなどを取り付けてがれき撤去に使うほか、建屋上部で解体用重機が作業する際に必要となる作業用構台の設置に使用。解体用重機は100tクラスが1台、50tクラスが3台。がれきを2台のバックホー(バケット容量1.4m3=立方メートル)でクローラーダンプ(タイヤではなく履帯で動くダンプ)2台に積み込み、保管場所へと運搬する。

 これら10台のうち9台は、3号機での作業のために日立建機と日立住友重機械建機クレーンが専用機として新たに製作した。

■重機の位置に関係なく安定した無線通信

 建屋から500mほど離れた免震重要棟に遠隔操作室を設置。現場には4カ所の通信基地局を配し、操作室と光ケーブルで接続。通信基地局を介して重機に操作信号を無線か有線で送信し、現場や重機に取り付けた固定カメラからは、映像データを受信する。

 無線による遠隔操作には429MHz帯特定小電力無線を使用した。映像には、出力や通信容量が大きい5GHz帯無線LAN(IEEE802.11j規格に準拠)を採用。複数のアクセスポイントが無線で通信し合いながらネットワークを構成する「メッシュ型無線LAN」を構築し、重機の位置に関係なく、安定して大量のデータを通信できるように・・・

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