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鼻血が出るかではなく原発を推進すべきかが問題
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2014年5月12日 植草一秀の『知られざる真実』
「美味しんぼ」の鼻血描写について論争が生じている。
賛否両論が存在するのは、福島原発事故の影響評価に関する見解が、いまだに割れているからである。
同時に、この評価は原発推進と原発廃止の主張対立とリンクしている。
原発推進者は、福島の放射能汚染の影響を限定的に捉えている。
代表者は安倍晋三氏である。
IOC総会で、「状況はアンダーコントロールだ」と宣言した。
また、汚染水は福島原発の港湾0.3平方キロ内で完全ブロックされていると発言した。
しかし、この発言を肯定する者は少ない。
汚染水の流出は続いているし、港湾の汚染水も外洋と遮断されているわけではないからだ。
もうひとつの論点は低線量被曝の影響についての見解が割れていることだ。
低線量被曝による健康被害はないと主張する者がいる一方で、低線量被曝による健康被害はあると主張する者がいる。
ただし、一方で、確かなこともある。
福島原発が人類史上最悪レベルの放射能事故を引き起こしたこと。
これは間違いない事実だ。
福島原発事故は暫定評価ながら、国際原子力事象評価尺度において、旧ソ連チェルノブイリ原発事故と並ぶ「レベル7」の事故に分類されている。
「レベル7」は深刻度で最高レベル、最悪の放射能事故を指す。
東電は福島第一原発からの撤退を検討した。
原発から撤退していれば、事故はさらに重大なものになったはずである。
東日本全体が壊滅した可能性は十分にある。
低線量被曝の健康被害については見解が割れているが、高線量被曝が健康被害を引き起こすことについては、見解の相違は存在しない。
高線量を被曝すれば、人間は死ぬ。
これははっきりしている。
「放射能が安全である」という命題は、明確に「偽」である。
絶対安全だとされてきた原発が、重大事故を引き起こしたことも事実である。
これを否定する者もいない。
そして、日本が世界最大の地震国であることも事実である。
これを否定する者もいない。
福島原発事故が地震で起きたのか、津波で起きたのかは判明していない。
地震で事故が起きたとなると、同様に事故が発生する可能性は飛躍的に高くなる。
福島原発の地震動の規模の地震は日本で頻発しているからである。
「美味しんぼ」のような描写が登場するのは、安倍政権が福島原発事故を経験しながら、原発推進の方針を示しているからである。
原発のリスクを除去するために、原発即時ゼロ、廃炉の方針を支持する者は極めて多い。
この考えを持つ人々が、共鳴者を一人でも増やすために、さまざまな啓蒙活動に尽力している。
この文脈でこの問題を捉えるべきである。
重要なことは、決定的な回答はまだ示されていないことだ。
政府や福島県は、低線量被曝の健康被害はないとのスタンスで政策を実行している。
そして、一般人の被ばく限度を、年間1ミリシーベルトから年間20ミリシーベルトに引き上げるという、恐るべき行政を展開している。
とりわけ、胎児、および乳幼児の健康に与える影響については、懸念する専門家が多数存在する。
「風評被害」という言葉は、放射線を警戒する主張、見解を、攻撃するために用いられている。
低線量被曝を警戒する、回避しようとする行為は、基本的人権に属することがらである。
これを「風評被害」と攻撃することは、「言論封殺」そのものである。
人によっては、鼻血が出ることがあっても不思議ではない。
「鼻血が出る人はいない」と断定するなら、その明確な根拠を示すべきである。
「多い」、「少ない」は主観的な表現である。
3人いたとして、これを「多い」と表現する人はいる。
10人いても、これを「少ない」と表現する人もいる。
問題は、今後の政府の施策なのだ。
原発推進と原発廃絶の二つの主張が間違いなく存在する。
そして、現在の安倍政権は原発推進なのだ。
政府が原発推進だから、原発廃絶の主張をしてはいけない、というのは、民主国家の対応ではない。
これが問題の本質であることをわきまえるべきだ。
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