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冠水しない溶融燃料の取り出し方法
<福島原発>1〜3号機燃料、格納容器に穴開け搬出検討
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140511-00000004-mai-sctch
毎日新聞 5月11日(日)10時0分配信
東京電力福島第1原発の廃炉作業で、炉心溶融を起こした1〜3号機の原子炉格納容器の側面に穴を開け、ショベルカーのような搬送機を入れて溶け落ちた燃料を取り出す工法の検討を東電と国が始めたことが分かった。現在の廃炉計画では、格納容器内を水で満たした冠水状態にして溶融した燃料を取り出す方針だが、事故で破損した格納容器の修復ができなければ水をためられないため、水を入れずに取り出す方法も検討することにした。
2011年3月の事故で、1号機は核燃料が全て溶けて原子炉圧力容器を突き抜けて格納容器内に落ち、2、3号機は6〜7割が落下したとみられる。計約450トンの溶融燃料は金属と混じり合って固まっているとみられる。
今回の事故では、格納容器も破損したとみられ、東電と国は破損した場所の特定を進めるが、修復のメドは立っていない。このため、高い放射線をさえぎるため格納容器内を水で満たして上部から溶融燃料を引き上げる従来の方法は難航が予想され、国内外から技術を公募するなど、冠水できない場合の取り出し方法を模索していた。
その結果、厚さ約2メートルあるコンクリート製の格納容器の側面に穴を開け、そこからアームの先端に溶融燃料の切削装置やカメラを搭載した無人搬送機を入れ、遠隔操作で格納容器下部に落ちた溶融燃料をつかんで運び出す方法を検討することになった。
東電と国は今後、格納容器周辺にロボットを入れて漏水場所の止水の可能性を探りながら、格納容器に安全に穴を開けられるか▽非常に高い放射線量の格納容器内で作業が可能か−−などの検討を進める方針だ。
廃炉に詳しい元日本原子力学会会長の田中知(さとる)東京大教授は「溶融燃料の取り出しは廃炉の根幹部分。燃料の場所も分からず成功するか分からないが、冠水以外の方法も検討を重ねておくことが重要だ」と指摘する。【鳥井真平】
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