http://www.asyura2.com/14/genpatu37/msg/893.html
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「今回の小学館の発表は,「鼻血や疲労感が放射線の影響によるものと断定する意図はない」「風評被害を助長する意図はない」としているようですが,その様な見解は,作品を見る限り個人的には受け入れがたいです。
美味しんぼの作者は,ある種の信念に基づいてこの作品を書かれているように見受けられます・・・・」
「広島の弁護士の徒然日記」から
http://ishimori-law.jugem.jp/?eid=71
今朝,とても気になる記事を見つけました。
漫画「美味しんぼ」:原発取材後の鼻血の描写で物議
内容について,見てみなければ何とも言えないので,買ってきました,
ビックコミックスピリッツ22,23合併号。
1.美味しんぼの内容(ネタバレです)
@山岡さんをはじめ,東西新聞の方々や海原雄山が福島第一原発やJビレッジ
(事故以後の原発事故対応拠点)を視察。
A東京に戻った山岡さんが,突然鼻血を出す。
B医師の診療を受けるも医師から「福島の放射線のこの鼻血を関連付ける
医学的知見はありません」
と診断を受ける。
C埼玉県にある双葉町前町長と面会し,同席していた岐阜環境医学研究所所長の
松井英介さんから山岡さんが「福島に何度かいらしているそうですが,
体調に変わりはありませんか?」と問われる
D山岡さんが,「実は理由は分からないのに鼻血が出まして…」というと,
松井氏が「やはり」と話し,
他に福島県に入った海原雄山が「鼻血が出た」,他の人も「鼻血が止まらなく
なった。病院に行っても原因が全然わからない」と話す。
E双葉町前町長も「私も鼻血が出ます」「今度の立候補を取りやめたのは疲労感が
耐え難いまでになったからです」と言い,「福島では同じ症状の人が大勢いますよ。
言わないだけです。」と話す。
F一同,言葉を失い次号へ続く…
というものでした。
医師の診察は,「福島の放射線と鼻血を関連付ける医学的所見はない」としている
ものの,
・短期間福島県入りした山岡さん,海原雄山含め作中で3名が,帰宅後に原因不明の
鼻血が出ているという表現方法
・双葉町前町長や松井英介氏の作中での発言
から,少なくともこれを見た私は,「医学的に不明であるものの,原発事故の影響
で福島県に短期間滞在しただけで健康状況が悪化する」ということを強く示唆
しているという印象を受けました。
2.原発事故後,福島県人は本当に鼻血が出やすくなったのか?
では,実際にこの漫画に描いてあるように,福島県で
@鼻血が出たりする人が大勢いる,
A福島では同じ症状(鼻血が出る等)がたくさんいることを言わないだけ
という事情はあるのでしょうか。
私は,震災後2年以上,福島県郡山市に住み続けており,原発事故後も外に出る
機会は通勤のみならず幾度となくありました。
平成23年4月上旬には,ほとんどのの村民が避難していた飯館村の極めて高い
放射線が計測されている地域に仕事の関係で入ったこともありました。
震災後,沢山の福島県人と会い,いろんな話をしてきました。統計的資料などが
私の手元にはない以上,私自身の実体験に基づいた話しかできませんので,
私が直接見聞き,体験したことを書きます。
結論から言うと,原発事故後,福島県に2年以上住み続けて,私自身が原因不明の
鼻血が出た,一緒に仕事をしていた人に同様の症状が出たということはありません
でした。
また,福島県に住んでいた時に,福島県内にとどまっていた人から「福島県に
住み続けて原因不明の鼻血が出やすくなった」という噂は,原発から20q圏内に
住んでいた被災者からも含め,一度も聞いたことはありませんでした。
ですから,福島県人に原発事故後,原因不明の鼻血が出ることが多発しており,
その様な事実を福島県人が「言わないだけ」ということがあるなどということは,
私は全く認識していません。
私の震災後の実体験,見聞きしたことからすると,この美味しんぼの内容
については,非常に疑問を持っていますし,この中での前双葉町町長の話も
「本当なのか!?」と一般読者以上に困惑を感じているのが正直な感想です。
3.美味しんぼの表現行為は許されないものなのか否か
以上のように,私の実体験からすると,この美味しんぼの表現には正直反発
を覚えます。この作品にはかなりの方からの批判,非難があるようです。
一方で,この作品は小学館の発表によると作者が相当の取材を重ねた結果
であるようです。真偽のほどは分かりませんが,「この作品を取材した作者自身
が福島県入りをして鼻血が止まらなくなった」
という体験からこの作品を書いていたようです。
この作品を見ると,少なくとも美味しんぼの作者は,福島県の原発事故を真剣に
考え,ある程度作者なりの取材をしているように見受けられます。福島県において
計測される放射線の人の健康に与える影響は,「ない」と断言できるものではなく,
正確には「不明」である以上,現在の医学的知見に背いた表現があったとしても,
その表現行為は「非難」されることはあっても,「許容」されるべきだと思います。
このような騒動になったからといって,小学館は次号の美味しんぼの連載を休止
したりはしないでいただきたい。
避難生活をされている方だけでなく,福島県内に住み続けられている方の多くも
福島県内の現状について不安を感じていると思います。また,福島第一原子力発電所
から拡散した放射性物質は,福島県のみならず,広範囲に拡散したわけですから,
不安を感じておられる方は全国におられるはずです。
福島県に生まれ,原発事故時に福島県に住んでいたものとしては,美味しんぼの
上記作品の内容には心が痛みますが,一方で,今後冷静に低放射線の健康への影響
を慎重に見極めていくためには,面白半分の表現を除いて,この作品のような表現
について過剰なまでに批判することにも疑問を感じます。
表現内容,表現方法に出来る限りタブーを作るべきではありません。
当然,現在の放射性物質による汚染状態が人の健康に影響を及ぼさないもの
であることを強く,強く願っています。
4.最後に
ここまでいろんなことを書いてきましたが,今回の小学館の発表は,
「鼻血や疲労感が放射線の影響によるものと断定する意図はない」「風評被害を
助長する意図はない」としているようですが,その様な見解は,作品を見る限り
個人的には受け入れがたいです。
美味しんぼの作者は,ある種の信念に基づいてこの作品を書かれているように
見受けられます。
美味しんぼという作品は,国民誰もが知っている影響力の強い作品です。
それ故に小学館も対外的な影響を気にして上記の見解を発表されているのだと
思いますが,小学館の発表は,作者の意思に反しているように感じます。
この話にはまだ続きがありますし,どの様な展開になっていくのかは
分かりませんが,少なくとも相当踏み込んだ表現をしている以上,作者は最後まで
責任を持って,逃げ道などを作らずに自身の意見を表現しきっていただきたいと
思います。
以上
<参考リンク>
■大阪が受け入れたガレキは福島のではなく岩手県のものですね。岩手県にもケンカ売ってるのでしょうね。 http://togetter.com/li/665022#c1470057 …
https://twitter.com/marunokomorebi/status/465089967350218753
■大阪府/岩手県の災害廃棄物の受入れについて(処理は終了しました)(大阪府)
http://www.pref.osaka.lg.jp/shigenjunkan/haikibutukouikishori/
■【3・11福島へ】松井英介さんのアピール【動画】(NAZEN)
http://blog.nazen.info/?eid=148
■NAZEN東海を結成 浜岡・もんじゅの廃炉掲げ(週刊前進)
http://www.zenshin-s.org/zenshin-s/f-kiji/2012/03/252742.html
■2・26 NAZEN東海結成集会の報告
http://nazenaichi.blog.fc2.com/blog-entry-20.html
■大阪おかんの会 市民勉強会 松井英介 - YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=0AQx7uQdRr0
■(勉強会開催のお知らせ) 1000人の体調変化とガレキ焼却〜呼吸による内部被曝の危険性(大阪おかんの会)
http://ameblo.jp/osakaokan2012/entry-11511114967.html
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