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小泉純一郎・細川護熙両元首相が再びタッグ、法人設立記念フォーラム開催
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BLOGOS編集部 2014年05月07日 19:37
細川護熙・小泉純一郎 【全】5/7原発ゼロ・自然エネルギー推進フォーラム
小泉純一郎、細川護熙両元首相が、脱原発を目指す「自然エネルギー推進会議」(一般社団法人)を設立、7日夕方に記念フォーラムを行った。小泉・細川両氏が公の場で発言するのは、今年2月の都知事選以来。
冒頭、「都知事選を振り返って」と題する15分間の映像を上映。続いて、同法人の事務局長に就任した民主党元衆議院議員の中塚一宏氏が設立について説明。東京都知事選後、有志による会合を経て、4月7日同法人を設立、代表理事に細川氏が就任したことが報告された。続いて、細川氏、小泉氏が挨拶を行った。会場には3選不出馬を表明した滋賀県の嘉田知事も駆けつけた。
■様々な不条理に対して闘わなければならん
細川氏:東京知事選では散々な結果になりました。みなさんの期待に答えられなかったことを申し訳なく思っています。しかし、全国の多くの方々に、原発をどう考えるのか、胸に問いかけて頂く機会を作り得たのではないかと思っています。選挙に際しての大きなご助力に対して、この場を借りて改めてお熱くお礼申し上げます。本当にありがとうございました。
政府が先ごろ「エネルギー基本計画」を閣議決定しました。事故に対する反省も教訓も無しに、原発をこれから再稼働していくという方針を打ち出したわけですが、とんでもないことだと思います。 選挙でも散々申し上げてきましたが、自民党は2012年の公約で、"原発に依存しない経済社会構造を作る"ということを言いました。安倍総理も、"原発に依存する割合を減らしていく"、ということを言ってこられたわけです。
どうも、言っておられることとやっておられることが大分違うのではないかと思います。おそらくこれは多くの方が感じていることではないでしょうか。こういう状況はとても残念だと思います。 再生可能エネルギーをいつまで、どれだけにするのかもはっきりしておりません。事実上破綻している核燃料サイクルもこれから推進をしていくと言っておりますが、これも大変とんでもないことだと思っています。 10月には六ヶ所村の再処理工場を竣工させるということも言っておりますけれども、すでに日本のプルトニウムの在庫というものは相当に膨れ上がっております。いま44tですか、3,000発の核爆弾に相当するプルトニウムが、これからさらに増えていく可能性があると。
そういう状況でありますから、とてもこれは容認できるものではありません。
先般、菅官房長官は原子力規制委員会の審査をクリアした原発について、"総理が再稼働の是非について改めて政治判断をすることはない"と表明しましたけれども、今、国民の6割が再稼働に反対、8割は原発を将来ゼロにすることに賛成、ということでありますから、そういうことを念頭に置かないでこのような方向に進んでいくのは、これもとても許されることではないと思います。 やはり官房長官が言われるようなことではなくて、政治的な手続きというものをきちんとやっていただかないとならんのではないかと、そう思っているところです。
原発の輸出についても協定が成立し、途上国に原発を輸出をしていくという方向になっているわけですが、与野党が一緒になって駕籠を担いだような状況で、これもとんでもないことだと思います。 汚染水の垂れ流しもあるし、その原因の究明も行われていない。核のゴミをどうするかも決まっていない。原発の輸出をし、武器も輸出するという方向になっておりますが、これは道義を重んじる我が国の姿勢として、何よりも平和国家という我が国の行き方として、とても容認できるものではないと、強く危惧しているところです。
選挙の時もそうでしたが、こういう様々な不条理に対して闘わなければならん、ということで立ち上がる決意をいたしました。
同じようなことを、維新の立役者であった西郷さんが言っておりました。 西郷さんは「文明」について端的に"文明とは正義があまねく行き渡っている社会、国のことを指しているのであって、経済の発展とか科学の発達とか、豪壮な邸宅、華美な衣服を指して言うのではない。それは文明とは言わない"。私も全く同感であります。
そういう意味で、これからこの国を考えていきます時に、今挙げたいくつかの問題は、私たちの国の価値観、人々の価値観の問題でもありますし、この国の運命のあり方に関わる大きな問題でありますけれども、しっかりと糺すべきは糺していく姿勢を貫いていかなければならないと、ますます強く思っているところであります。
■日本の活路を開いていく、またとないチャンスだ
さて、私は選挙期間中に、"勝っても負けても原発ゼロの戦いはこれからだ"と申しました。 今、「原発ゼロ・自然エネルギー推進会議」を立ち上げたわけですが、この会の目指すところは、再稼働に反対をし、原発から自然エネルギーに転換することによって実感できる経済というものを作り上げていく、放射能の心配のない社会を作っていく、ということが第一の目標であることは言うまでもありません。
特に地方が元気になるように、地方の自然エネルギー事業のエンカレッジ、サポートというものをしっかりやっていかなければならないと思います。あちこちに出かけて行って、ネットワークづくりのサポートもしたいと思っています。やることがたくさんあると思います。
原発はリスクの高いエネルギーだということで、ヨーロッパでは自然エネルギーに切り替えるという動きが年々高まっています。排ガス規制が自動車産業の技術開発、あるいは雇用の創出に大きく貢献したように、原発ゼロの状況の中、自然エネルギーによって日本の活路を開いていく、またとないチャンスだと思います。
こういうことをよく認識しながら、これからの活動を進めていきたいと思っております。皆さん方とともに、少しでも活動が定着していくように努力をしていきたいと思っています。宜しくお願い申し上げます。
今日、私はちょっと調子が悪くて、頭がクラクラしているものですから、あまりはっきりしたお話ができません。今日はこのへんで失礼致します。あとは小泉さんにバトンタッチをします。
■敗北の結果にもくじけないところが、また細川さんや私のいいところ
小泉氏:ご紹介いただきました小泉純一郎でございます。 本日は自然エネルギー推進会議の立ち上げの会に、こうして大勢の皆さんがお越しいただきまして、誠に心強く思っております。
先の都知事選挙におきましては、残念な結果になりましたけれど、私はあの寒いにもかかわらず、大勢の方々が雨が降っても、吹雪が舞い散る中でも、長時間、立ちっぱなしで熱心に細川さんや私の話しに耳を傾けてくれている。あの姿に本当に胸が熱くなる気持ちで一杯でした。
私も燃えていたんですが、むしろあの聴衆の皆さんが熱い心を持っていたんじゃないかと。その熱い皆さんの心に打たれて、私も燃えてきたような感じがするんです。ですから、最初は1回か2回でやめようかなと街頭演説を思っていたのですが、毎日やらないとこれはダメだと。それは結局のところ皆さんが、立ちっぱなしで聞いていただく中に、寒い中にも熱い思いを持っていたから、それを細川さんや私に伝えてきてくれたんだなと思っています。
今、細川さんが新しいこの「自然エネルギー推進会議」を立ち上げて、代表になって、あの選挙でをお話したとおり、勝っても負けても「原発ゼロの国づくりを目指すんだ」と。自然を大切にして、自然エネルギーを様々な形で推進することによって、日本の産業も世界から「いい国だな」と思われるんだという気持ちを、選挙が終わってもわれわれは持ち続けて、これは死ぬまで頑張らなきゃいかん、と思って今日も一緒にやってまいりました。
私は選挙中にはっきり大勢の皆さんを前に言ったんですよ。「原発は安全だ」「原発はコストが安い」「原発はクリーンだ」。こんなのは大嘘だといったんですよ。多くのテレビカメラ、記者の皆さんの前で、まさに人、人、人ですよ。どうしてこんなに寒い中、我々の話を聞いてくれるんだと、不思議に思いながら、これはちょっと異様な雰囲気だなと。これは勝つんじゃないかなと思ってやっていたんですよ。それがああいう結果でしょ。
しかし、敗北の結果にもくじけないところが、また細川さんや私のいいところだと思うんです。 日本人は、どんなピンチも不撓不屈の精神を持って立ち上がってきた国民ですよ。その血をわれわれは受け継いでいる。今は、ひとつの戦場で負けたけれども、将来、大きな目標「原発ゼロの社会」「原発ゼロの国づくり」。自然を資源にする国づくりに向かって進むのは、これはすばらしいことだなと。必ず今よりも良い国づくりのためにわれわれは活動できるという希望をもって今日ここに私はやってきたんです。
ところがね、原発の研究者とか原子力規制委員会のメンバーとか原発会社の幹部の皆さん。この方たちは、みんな学業成績優秀、普通の人に比べればはるかに頭脳明晰。頭のよいと思われる人たちばっかりですよ。
それが今ね、原発は安全じゃない。この60年間、原発が導入されて、グリーンマイル、チェルノブイリ、福島。大事故を起こして、安全じゃないとわかっている。日本の福島、一番安全といわれた福島でも人為的なミスとか技術的ミス、枚挙に暇がないじゃないですか、故障。安全じゃないのがわかってきた。
「原発コストが一番安い」いまだに事故が起こった後も、研究者の中にはそういっている人がいますよ。しかし、一番わかりやすいことは、東電をはじめ日本の原発会社、国民の税金の負担なしにやっていける原発会社はひとつもないんですよ。こんなわかりやすい話ないでしょ。民間会社といってるけど、実際は国策会社で、政府の金をふんだんに使っている。にもかかわらず、いまだに「原発コストはやすい」と。どういうことを考えているのか。
だから、あえて私は「日本の原発会社はどの原発会社も金まみれ、金食い虫だ」といってみんなの前で話したんですよ。選挙があれば、原発会社の方とか原子力村の人がね、「小泉さん、あんな、あんまり嘘言わないでくれ」と文句が来るかと思った。いまだに全然文句が来ない。(会場拍手)
「安全じゃない」「金まみれ」「金を一番食う」「CO2を出さないクリーンエネルギーだ」って言ってたんですよ。それが調べてみたらどうですか。CO2ださないのは、原子力の中で核燃料を燃やして、電気を供給する。その部分だけでしょ。ウランを発掘して、様々な設備で、核燃料を燃やして、電気を供給する過程で大量に石油を使ってるじゃないですか。それでCO2を出さない。 これも大嘘。
こういう嘘をね、「嘘じゃない」といって強引にやって、まだ進めようとする。その気がしれないですね、私は。頭のいいといっている人はね、いい判断していない。これは悪い判断だと思う。
■「頭のいい人しっかりしてくれ!」と言いたくなるよ。
再稼動にしてもね、依存度をまだ保とうとしている、重要な電源なんだと、平気で言っている。優秀といわれている人がそういっているんですよ。優秀な人にもろくでもない人がたくさんいるなと思いましたね。
そしてね、原子力規制委員会のメンバー。「世界一日本の原発は安全基準が厳しい」といっている。そういう原発だけ再稼動させる。これ数ヶ月で出来ると思いますか?日本の原発、世界で一番厳しい安全基準を設けるといっている、その口からもう数ヶ月で再稼動させようとしているんですよ。
まず日本の原発は安全と思われていたけれども、福島の事故でそうではないと。現に地震、津波、火山の噴火、様々な日本国土の地質状態。世界の原発国に比べてもっとも弱い、脆弱なんですよ。
なおかつ、そういう地質的な問題以外に、テロに対して、一番弱いということを世界は危惧している。これに対して返事がない。規制委員会の優秀といわれる先生方が。返事がないよ。どうして、そんなに世界一安全な基準といえるのか。
今言った、地震対策、津波対策、火山対策、数ヶ月で対策できる訳がない。まして、テロ対策。 対処する。対処する。「対処する」と言っているのは、対処していることにはならない。これからする。何年掛かるかわかりませんよ。だから、原発を再稼動させるというのは、数ヶ月で出来る話じゃないんですよ。それを敢えてしようとしている。本当におかしいと思いますね。もうね、「変人」を通り越して、なんていっていいか、表現が出来ないほどね、「頭のいい人しっかりしてくれ!」と言いたくなるよ。
そして、なおかつ原発が全部とまって、2、3ヶ月じゃないですよ。半年越えて、もうじき1年なんですよ。それで「原発なしで日本はやっていけない」って。やってんじゃないですか。なおかつ、都知事選挙の時にね、細川さんが「東京、原発の電源なくして発展させる」「オリンピック、原発なしで立派に成功させる」といった。そしたらね、オリンピックの招致委員会の人たちの誰かがね、「なんと無責任なことを言うんだ」と批判したでしょ。
ところが招致委員会ね、調べてみたらパンフレットで世界中に向けて、「日本は、東京は原発なしでオリンピックを成功させる」と宣言してたんですよ。これを指摘したら、まったくもう批判がなったけどね。「東京オリンピック、原発なしでやらせる」、あぁ俺たちもいってたんだと批判しなくなった。ところがよ、あの「原発なしでオリンピック成功させる」と書いた段階で、何故一言もその言動に批判をしなかったのか、日本人は。これおかしいと思いませんか。原発推進論者がそういうと批判しないんですよ。
6年後ですよ、「原発なしでオリンピック成功させる」だったらね、東京だって原発なし電源で立派に成長していきますよ。現に日本各地で自然エネルギーを発展させようとする動きが、どんどんどんどん進んでいる。この動きをわれわれが、加速させる、充実させていかなければならない。 それが今回の細川さんが立ち上げたこの会議だと思います。私ももう「過去の人」と言われようが、これから来る未来の世代のためにも、なんと言われようとも原発のない国づくりのために頑張っていく。
これこそまさに大きな志だと思って、細川代表をはじめ、今日の発起人の方々、賛同人の方々、 お越しいただいた皆さんとともに、どんな困難な道であろうとも自然を大事にして、無限にある自然のエネルギーを我々の発展に生かす国づくりに向かって、最後まで頑張っていこうと思います。 これからもよろしくご支援をお願いいたします。ありがとうございました。
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両首相経験者の挨拶のあと、会場では金子勝(慶大教授)、香山リカ(精神科医)、桜井勝延(南相馬市長)、ロバート・キャンベル(東大大学院教授)、湯川れい子(音楽評論家)の5氏によるパネルディスカッションが行われた。
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両首相経験者の挨拶のあと、会場では金子勝(慶大教授)、香山リカ(精神科医)、桜井勝延(南相馬市長)、ロバート・キャンベル(東大大学院教授)、湯川れい子(音楽評論家)の5氏によるパネルディスカッションが行われた。
・《小泉・細川両元首相が登壇》原発ゼロ・自然エネルギー推進フォーラム - ニコニコ生放送
・ 一般社団法人 自然エネルギー推進会議 - 公式サイト
発起人・賛同人(7日現在)
発起人 細川護熙、小泉純一郎、赤川次郎、安野光雅、梅原猛
賛同人 秋山豊寛、浅田彰、市川猿之助、岩井俊二、小山内美江子、落合恵子 、加藤登紀子、鎌田慧、鎌田實、河合弘之、ロバート・キャンベル、坂本龍一、佐高信 、佐藤栄佐久、澤地久枝、下村満子、SUGIZO、鈴木悌介、田中優子、津田大介、なかにし礼、 福岡政行、前田哲男、宮台真司、三上元、村上達也、茂木健一郎、吉岡淳、吉永小百合、吉原毅
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