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見れば原発推進に? 映画「パンドラの約束」
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2014年5月6日 東京新聞朝刊 こちら特報部:[ニュースの追跡]より 俺的メモあれこれ
「見た人の8割が原発推進派になった」と銘打った原発推進を基調としたドキュメンタリー映画がある。「パンドラの約束」だ。原発事故以降、脱原発の映画には数多く接してきたが、推進派の作品は見たことがない。どれほど説得力のある映画なのだろうか。早速、映画館に足を運んだ。(白名正和)
◆焼き直し版 安全神話 被ばく影響や核ごみ 楽観論ばかり
監督のロバート・ストーン氏は、1987年に反原子力をテーマにした映画を製作し、これは米国アカデミー賞長編記録映画賞のノミネート作品の候補となった。その後、環境問題への関心から原発推進派に転じたという。
2013年の米国のサンダンス映画祭で今回の作品が上映され、原発反対派の観客の8割が鑑賞後に支持派へ転じたという「逸話」が紹介されている。「自分も推進派になるのか」と、ドキドキしながら東京の映画館に足を運んだ。
作品は、監督と同じく反対派から転向した環境活動家ら5人のインタビューが中心だ。原子力は危険で不気味というイメージが植え付けられているが、実際はクリーンで安全、それに放射能も健康に影響を与えない。地球温暖化を止めるためには原発が必要─。要約するとこんな内容だ。
「これまで日本の原発推進派が言っていた主張を超えるものではない」と、鑑賞した脱原発派の金子勝・慶応大教授は批判する。
金子教授はまず、原発は安全だという「安全神話」が繰り返されていることを問題視する。福島原発事故から3年、1000人以上が事故に伴う過労や精神的ショックなどにより亡くなり、13万人以上が避難を余儀なくされている。
だが、この作品では、大気汚染で年間300万人がなくなることに比べ、原子力の死亡率は風力に次いで低く、安全と言い切る。福島事故の健康影響も、国連科学委員会の報告書を引合いに「がんのリスクはほぼゼロで、今後も増えない」と断定している。
「低線量被ばくの健康影響は未解明な部分が多く、心配はこれから。避難者が元通りの生活を送れるようになるかも分からない。事故の影響を不当に過小評価している」(金子教授)
原発の効率面の利点として、核燃料サイクルが持ち上げられている。しかし、日本の高速増殖原型炉「もんじゅ」は点検漏れや国内初のナトリウム漏れ事故などで運転できておらず、これまで1兆円以上の税金が投入されたが、実用化のめどすら立っていない。
金子教授は「作品では、米国のIFR(一体型高速炉)は使用済み核燃料をリサイクルできると主張しているが、すでにクリントン大統領(当時)が計画を中止している。フランスにも同様の計画があったが頓挫した。日米仏でうまくいかなかった原因や総括は一切なく、IFRの詳しい構造も説明しない。ただ、ひたすら楽観論を押し付けてくる」と指摘する。
途上国が発展すると電力が必要となるので、原発が必要という論調にも「大規模な原発を建てて送電線でつなぐより、小規模な再生可能エネルギー施設の方が効率的だ」(金子教授)。
温暖化への懸念はもっともだが、核のごみによる汚染には目をつぶっている。
実際に鑑賞した客はどう思ったのだろう。
女性3人組は「見た人を推進派にしたいんでしょうけど、何にも詳しいデータが出てこない。見たおかげで、ますます原発はやめるべきだと確信した」と話した。
記者も、作品の内容には満足はできなかった。それでも、原発推進派の論理を再確認するという意味では、一見の価値があるのかもしれない。
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映画紹介|パンドラの約束
http://www.pandoraspromise.jp/intro.html
映画『パンドラの約束』予告編
http://www.youtube.com/watch?v=KP7RG86gksc
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