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脱原発のドイツに何が起きているのか? 小出裕章
http://blog.livedoor.jp/home_make-toaru/archives/7663190.html
2014年05月04日00:00 とある原発の溶融貫通(メルトスルー)
湯浅誠:
今日は「脱原発のドイツに何が起きているのか」という事について、 お話を伺いたいとこう思います。
私達には結構大きく報道されたので馴染みのある話ですが、 東日本大震災の後、ドイツは脱原発を決めました。 2022年までに原発をゼロにすると。
かたや、原発事故を起こした私達の国は原発回帰をベースロード電源というやつですかね。 やっていくという風に話しているわけですが、 ドイツで石炭火力発電の復権が進んでいるっていうのは本当なんですか?
小出さん:
本当です。 本当と言うか、もともとドイツという国は石炭が大変豊富な国で、 石炭を従来から火力発電で使ってきたということですし、 これからは原子力をとにかく止めるために、 石炭と再生可能エネルギーで乗り切っていこうと彼らはしているのです。
そして、石炭という物もいわゆるコジェネとかですね、コンバインドという形の物が どんどん技術が開発されてきていますので、 石炭も従来のように環境破壊的ではなくなってきているのです。 それをドイツは視野に入れて、石炭も使いながらというように考えているのだと思います。
湯浅:
前回でしたかね。 お伺いした時に、日本もそういう新しい発電技術、石炭と使う発電技術に 必ず転換していくだろうとおっしゃったと記憶していますが、 ドイツも政府もそれを視野に入れて、 そういう事を見据えて脱原発を決めたと。 と言うことは、いわば計算づくで可能だと判断してやったということですね?
小出さん:
えーっとですね、日本の政治家あるいは経済界の方達の動きを見ていると、 大変視野が狭すぎると私は思うのです。
ほんとに、その目先の事だけを考えてですね、 原油の輸入代金が上がってしまったら困るとかですね。 電気代がちょっと上がったら経済がまた成長できなくなるとかですね。
そういう風に日本の人達は考えてしまうのですが、ドイツの場合はそうではないのですね。 遥かかなたを見ながら、どういう戦略でやっていけばいいか ということを考えながらやっているのです。
湯浅:
先日、IPCCの付属文書というのも出まして、そこでは、 風力や太陽光でも温室ガス削減効果は可能で、 まだ原発に依存する必要はないというような、 国際機関もそういうことをおっしゃっているという報道が出ておりましたが。
小出さん:
私はIPCCというあの団体は、もともとその原子力をやりたくて ああいう団体がでっち上げられたと言ったら言葉が悪いですけれども、 作られたのかなと思っていたのですけれども、 5次報告では原子力が無くてもやっていけるという風に書いたわけで、 むしろ見直しました。
湯浅:
そうすると、ドイツが今後、政権が変わったりして原発に回帰するっていう可能性は低い。
小出さん:
ありません。
湯浅:
無いと。
小出さん:
はい、ほぼ完璧にと言ってもいいくらい無いと思います。
湯浅:
それはなんでですか?
小出さん:
ドイツもですね、もともとは原子力をかなりやろうとしていた国なんですね。 1990年に東西両ドイツが統一された時には、27基の原子力発電所がありました。
湯浅:
日本のちょうど半分ですね。
小出さん:
そうですね。 それをなんとか止めて、いわゆる再生エネルギーでやろうとしてですね、 壮大な構想を立てながら一歩一歩やってきたのです。 もう今現在、ドイツには9基しかないという所まで減らしているわけです。
湯浅:
3分の1まで。
小出さん:
はい。これからも再生可能エネルギーを普及させる、 そして、石炭を復権させるということで、 政治家も、そしてまた経済界もそれで合意してここまでやってきてるわけですから、 原子力が復権するということは、私はドイツではないと思います。
湯浅:
そうすると、その3分の1まで減らしてきたってことは、 廃炉先進国でもあるってことですか?
小出さん:
そうですね。 廃炉というのはとっても難しいことで、世界中どこもまあ成し遂げられない。 悩みながらいるわけですけれども、ドイツはそういう意味では 廃炉技術で世界をリードしようという、 そういう考えは多分あると思います。
湯浅:
じゃあ、日本も学べる点はたくさんある。
小出さん:
もちろんです。 先程から聞いて頂いたように、 長期的な視野でもって国を動かさなければいけないというようなことは、 まずドイツにしっかりと学ぶべきですし、 これから廃炉ということをどうするかという事が 日本でももちろん重要なことになってきてしまうわけで、 ドイツのやり方というものをしっかりと見ておくべきだと思います。
湯浅:
そうすると、改めて最後にまとめていただくと、 再生可能エネルギーあるいは脱原発という観点から、 日本とドイツの一番大きな違いというのはどういう事になりますかね。
小出さん:
まずは、先程聞いて頂いたように、 目先の利益だけを日本という国が求めてきてしまってるわけですが、 そうではいけないという事だと思います。
日本というこの国は、とにかく何か金儲け、金儲けと言ってしまうわけですけれども、 ドイツが脱原発を決めた最大の理由は、倫理的に正しくないということなのですね。
政府の中に倫理委員会というものが立ち上げられて、 原子力のテクニカルな問題だけではなくて、 原子力が持ってる倫理的な問題、社会的な問題というものまでも検討して、 やはり原子力は止めるべきだという。 そういう判断をドイツはしたわけです。
日本もそういう、そうですね、人間の生き方というようなものも含めて、 キッチリと考えられるような体制を作るべきだと私は思います。
湯浅:
はい、ありがとうございました。
小出さん:
はい、ありがとうございました。
http://www.rafjp.org/koidejournal/no69/
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