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国、根拠示せず!! 「世界最高水準の安全基準」・・・菅元首相・質問主意書への回答
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2014-04-28 原発隣接地帯から: 脱原発を考えるブログ
菅直人元首相が4月16日に提出した、エネルギー基本計画に関する質問主意書に対する回答が25日、菅元首相に届いたそうです→答弁書。菅元首相のコメントはブログの方に掲載されています→「答えられない『世界で最も厳しい水準』の根拠」(菅直人Official Blog 4月25日)。
(菅直人Official Blog スクリーンショット)
安倍首相が強調する“世界最高水準の原子力安全基準”の根拠を問いただした質問主意書でした。
答弁書には、「国際原子力機関や諸外国の規制基準を参考にしながら、我が国の自然条件の厳しさ等も勘案し、地震や津波への対策強化やシビアアクシデント対策の導入を図った上で、世界最高水準の基準となるよう策定したもの」と書かれていたが、これじゃ全然回答になっていない、と菅元首相は指摘しています。具体的理由を聞いているのに、具体的な内容は何もないじゃないかと。
確かに、質問主意書では、(1)航空機の衝突対策、(2)コアキャッチャーの義務付けなし、という2点について、具体的に質問していました。
これについての国の回答は要するに、“新規制基準は、あらかじめ規定・方法を定めて、それを満たせば良いというやり方じゃなくて、原子力規制委員会が事業者と話し合いながら決めていくことになっていますから、基準に具体的な方法が書いてないのは当然なんです”という回答でした→「なお、新規制基準においては、事業者が満足しなければならない性能の水準を定めており、これを実現する方法の詳細についてあらかじめ指定しておらず、国際的にも、原子力に係る規制基準においては、性能基準を規定していると承知している。」(答弁書)。
これで、はぐらかされちゃパカ丸出しですので、菅元首相は反論します→「しかしヨーロッパでは航空機の衝突対策は事業者が満足しなければならない性能水準に含まれている。」(菅元首相ブログ記事)。菅元首相のコメントは、つまり次のようなことのようです・・・“質問したのは「性能水準」だ。「方法」じゃない。曲解して質問のポイントをスルーするな”。具体的に言えば、質問主意書で書いた「航空機の衝突に耐えられるように格納容器の壁を二重にし」とは、“格納容器の壁を二重にし”という方法が問題なのではなくて、“航空機の衝突に耐えられる”という性能への要求がポイントだ、と質問主意書の記述を解釈して見せたのです。このやり取りで重要なのは「性能水準」という用語だと思われます。なんか、官僚用語での戦いは、わかりにくいです。
ということで、とりあえず今回の菅元首相ブログ記事の結論は、“日本でだって必要な航空機の衝突対策のない新基準は、(ヨーロッパならその規定があるのだから)、世界最高水準の安全基準じゃない”となっています→「日本の新規制基準に航空機の衝突対策が含まれているとは聞いていない。つまり、新規制基準はヨーロッパで求められている性能基準には達しておらず、『世界最高水準』とは言えない。」(菅元首相ブログ記事)。
う〜ん、これはこれで、そうなんですけどね・・・コアキャッチャーの方は、かくして、主意書の書き方が「方法」っぽく、機能要件に関する記述が「メルトダウンに備えて」程度だったからか、菅元首相はコメントしていません。むむむむ、「全電源停止の場合でも、外部からの電源供給不要で、メルトダウンを食い止める性能を持つコアキャッチャー」とか、書いておけば良かったのに〜。
【またしつこくコアキャッチャーです】
(日本原子力学会HP掲載資料から引用)
全電源喪失し、メルトダウンが起きた時、炉心溶融物を回収するのが、「コアキャッチャー」です。流れ出してきた炉心溶融物が放熱板の上に広がり、自然に冷却するようにできています。
ヨーロッパの多くの原発に採用されているこの仕組、全電源喪失・原子炉メルトダウンの際に、放射性物質を原子炉建屋外に出さない最後の砦です。
これが、日本の原子力規制委員会の安全基準では義務付けられていませんし、実際にこんなものが付いた原子炉は日本に1つもありません。日本の原子炉は冷却に失敗すればメルトダウンからメルトスルー(原子炉に穴があき、炉心溶融物が外界へ流出)に至ってしまいます。
資源エネルギー庁は、“独自の”コアキャッチャーを内々に開発中ですが、強制冷却式ですから、冷却系の電源が失われれば「それまで」という“なんちゃってコアキャッチャー”に過ぎません。
“世界一厳しい安全基準”なんて、バカバカしくて笑うしかないのが、日本の原子力規制委員会の安全基準です。
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