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原発の「温排水問題」/報道特集「原発の長期間停止・海の生態系に劇的変化」
http://www.at-douga.com/?p=11321
2014年4月24日 @動画
2014年4月12日に放送された、報道特集「原発の長期間停止・海の生態系に劇的変化」を紹介します。
(所要時間:約21分)
原発の長期間停止:海の生態系に劇的変化(1)
原発の長期間停止:海の生態系に劇的変化(2)
動画の内容
政府が昨日(※2014年4月11日)閣議決定したエネルギー基本計画では、原発の再稼動の方針が明記されています。その中でも、最も早く再稼動されるのではないかと言われているのが、鹿児島県の川内(せんだい)原発です。
こうした中で私たちは、各地の原発周辺の海に潜ってみました。
<原発の自然破壊>原発が止まり、そして海が蘇る4/12報道特集「原発の長期間停止 海の生態系に劇的変化」文字起こし
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-3659.html
2014-04-14(10:18) みんな楽しくHappy♡がいい♪
丁寧に取材されていて、原発稼働による自然破壊の過程がよく理解できる
とてもいい番組だと思いました。
原発の長期間停止
海の生態系に劇的変化
金平:
政府が昨日閣議決定したエネルギー基本計画では原発の再稼働の方針が明記されています。
その中でも「最も早く再稼働されるのではないか」と言われているのが鹿児島県の川内原発です。
こうした中で私たちは、各地の原発周辺の海に潜ってみました。
再稼働で注目 川内原発の海は
原発の再稼働をめぐって注目が集まる鹿児島県薩摩川内市。
市街地から外れた海岸に川内原子力発電所が建っている。
原子力規制委員会が安全審査を優先的に進めることを決め、再稼働第1号となる可能性が高いとみられている。
その川内原発の南8kmに位置する羽島地区。
数日ぶりに海が穏やかになったこの日も、多くの船が漁に出ず港に泊まったままだった。
羽島の漁師1:ほとんど漁はない。魚が釣れない。
今林記者:釣れない
羽島の漁師:ええ。ほとんどだから出ないですよね、船は。
羽島の漁師2:年々少なくなっていきますよ。まぁ、海藻がないからね、一つは。海藻に左右されるから。
羽島漁協では、沖に設置した定置網の水揚げが20年で数分の1にまで落ち込み、
漁が成り立たず、網が撤去された。
「川内原発の稼働後水揚げが激減した」と漁師が訴えている。
羽島漁協の平石組合長は水揚げが減ったのは「原発から出されるあるもの」が原因ではないかと考えている。
羽島漁協 平石良博組合長:
一番の問題は温排水です。
死んだお湯が出てくるんだから。
生きている水が死んだお湯になって出てくるのと一緒ですからね。
川内原発では、タービンを回して発電する際に使った蒸気を海から引き込んだ海水で冷やしている。
この暖められた海水は温排水として再び海に戻される。
最大で周囲の水温より7℃高い温排水を海に流すことが認められている。
水揚げの減少に悩む羽島漁協などでは独自に水中の調査を行った。
すると、川内原発の南側では北側に比べてより多くの海藻が消えていたことが分かった。
川内原発の放水口は南に向いていて潮の流れからも温排水がより南側に広がっていたためだと考えられている。
原発の南側にある羽島地区では、かつてはひじきなどが海岸を覆い尽くす程生えていた。
しかし「数年前に全滅してしまった」という。
羽島漁協 平石良博組合長:
今ごろだったらですね、藻がふさふさに、もうその辺には浮いてくるぐらい
こんな、これぐらい引き潮のときにはそれぐらい藻が沢山ありよったんですよ。
それがもう全然…
福島第一原発の事故後、川内原発は二基とも停止した。
それから2年半、温排水の大量放出は止まっている。
羽島地区の海の岩場では、今年ある変化が起きていた。
羽島の住民:去年はね、全然見なかったです。今初めて見ましたね。今年初めて来たんですけど、海に。
岩場に生えていた海藻はヒジキ。
まだ小さな固体だが、一度は羽島の海岸から姿を消していたヒジキが新たに根付き始めている。
羽島漁協 平石良博組合長:
ヒジキが生えている事は驚きです。
私だけじゃなくて、見た感じでも地域の人達が海岸に降りて行ったら何度も「滑る」と。
「滑る」という事は、海苔が付いているから滑るとか、転ぶとか、
今まで聞いた事がない言葉ですよね。
「昔に帰っていくのかなぁ」という気がしないでもないですよね。
原発長期停止で海の中は…
玄海原発
原発から温排水が出ている時に海の中はどうなっていたのか?
九州にはもうひとつの原発がある。
佐賀県の玄海原発だ。
近くでダイビングショップを経営する浪口志郎さんは、玄界灘の海に潜り続けて30年になる。
玄海原発前の海に向かった。
唐津マリンスポーツクラブ 浪口志郎さん:5〜6年ぶりぐらいになるかなぁ。
今林記者:以前は、こちらはどういう状況だったんですか?冬場。
浪口志郎さん:冬場はね、ここはね、あったかくてね、玄界灘の通常の海よりか2℃〜3℃温かかったんですよ。
東日本大震災後に順次停止した玄海原発。
現在2年以上にわたって停止して、温排水の放出が止まるという、全例のない状況となっている。
今林隆史記者:
玄海原発横の海がどうなっているのか?
これから潜って確かめてきます。
佐賀玄海町 2014年2月26日
原発が停止して温排水が止まった今、海はどうなっているのか?
2月末の海に潜ってみた。
今林隆史記者:
現在水深は5m、海水の温度は13℃でしびれるような冷たさを感じます。
あたりを見渡すと、活発に泳ぎまわっている魚はほとんど見られません。
原発が稼働している時は正方形のコンクリートのブロックには全く海藻は生えていませんでしたが、
今はびっしり海藻で覆われています。
現在はいたるところにアラメやクロメなどの昆布の仲間の海藻が生えている。
ところが、原発が動いていた2006年の2月末に浪口さんが撮影した映像には、
海藻はほとんど映っていない。
岩がむき出しの状態で海藻は生えていなかった。
同じ場所で比べてみると違いは明らかだ。
海藻は水温が高くなりすぎると生えなくなる。
その上海藻を食い荒らす南国の大型の魚も越冬で来ていたため、
原発稼働中は海藻が生えていなかったと考えられる。
今林記者:海藻は以前はどうだったんですか?
浪口志郎さん:
以前はね、この地域にはやっぱり、あんまり生えていませんでしたもんね。
予想以上でした。
他の玄界灘の地域のよりもここの方が海藻が綺麗なんですよね。
ですから新しい藻が着床して芽生えたというか、そういう印象を受けましたね。
海の変化は泳ぎ回る魚の種類にも表れていた。
今年2月末にいたのはカワハギなど、玄界灘でよく見られる魚だった。
今林隆史記者:
12年前の2月にこの限界の海に潜った事があります。
その時は、今年に比べて海水温が高く、色鮮やかな魚が多く見られました。
その時に比べて現在は海水も冷たく魚の姿も減っています。
全く違った印象を受けます。
この映像は原発が動いていた8年前(2006年)の2月末に撮影されたものだ。
海を覆い尽くすほど群れをなして泳いでいるのはキビナゴ。
熱帯や亜熱帯の温かい海に生息する魚だ。
色鮮やかなこの魚も暖かい海を好むソラスズメダイ。
当時玄海原発前の海には冬の玄界灘ではあり得ない南国の生態系が出現していた。
夏場に暖流に乗って北上している南の魚は、冬になると寒さに耐えられず姿を消すのが普通だ。
この自然のサイクルが原発によって変わった。
玄海原発から流れ出る温排水は、4基合わせて毎秒238トン。
これが周辺を局所的に温暖化させていた。
その結果玄海原発前の海は冬でも南の魚が生き残り、釣り人やダイバーが集まる人気スポットとなっていたのだ。
浪口志郎さん:
いやもう、全然様変わりしていましたね。
魚はね、やっぱり昔稼働していた時、温排水が出ていた時よりも全然数は少ないし、
普通の玄界灘の魚がほとんどでしたね。
原発“温排水”の影響は
原発が漁業に与える影響について40年間研究している東京海洋大学の水口憲哉名誉教授。
原発が海の生き物に大きな影響を与えると話す。
東京海洋大学 水口憲哉名誉教授:
海藻っていうのはですね、そこに常に定着して、一生を繰り返している訳ですから、
そこに常に変な水が洗っているところな訳で、
常にそこでいろんな影響を受けている訳で、
どうしても海藻の方が魚よりは影響がハッキリ見えやすいですね。
水口名誉教授は温排水について、
海を温める事よりも「大量の水を取り込んで排出する事」の方がより問題だと考えている。
海に豊かさをもたらす小さな生き物たちが吸い込まれ失われてしまうというのだ。
水口憲哉名誉教授:
「連行」と言って、
冷却水として取り込まれる海水の中にいろんな小さな浮遊生活を送る幼生。
貝や海藻を含まれて、それから魚の稚魚も含めて、
小さな子どもが一緒に吸い込まれる影響というのが一番大きいですね。
“温排水”は複合的な汚染物質を含む廃水とも呼ぶべきものだと指摘する。→“温廃水”
水口憲哉名誉教授:
冷却系のパイプにいろんな海の生物のフジツボとかカキが付かないようにする塩素系の薬物を入れたり、
それから冷却系のパイプの金属が溶けた金属イオンとか、金気が、そういうものも入っている。
漁師の人達は「なんか変な悪い水が出てくる」というけれども、
「悪水」といういい方をしますね。
“千年先まで見通して…”
若狭湾
福井県若狭湾。
合わせて14基もの原発が集中する。
原発停止前後に起きた「海の劇的な変化」を目撃した研究者がいる。
京都大学の益田玲爾准教授は高浜原発からおよそ2km離れた海で10年間調査を続けてきた。
京都大学舞鶴水産実験所 益田玲爾准教授:
原発が完全に止まって二日後に私は潜ったんですけど、
なんと、寒くて死んで海底に落ちている魚なんて言うのもいくつか見かけました。
若狭湾では、原発が止まって海がどう変わったのか?
先月益田準教授に海の中を案内してもらった。
2014年3月12日
益田準教授:
ここで10年以上継続して潜水していますが、
このあたりにホンダワラ類の海藻が茂るようになったのは、原発の温排水が止まってからのことです。
原発停止後に南方系の生き物が消えて現在は海藻の一種ホンダワラが生い茂っていた。
今目立つのはサザエやムラサキウニなど冬の日本海では良く見られる生き物たちだ。
益田準教授:
このあたり、原発の稼働中はガンガゼ(ウニの一種)が沢山いたところです。
しかし今は、ガンガゼは死に絶えてムラサキウニ、
若狭湾に本来いる種類のムラサキウニが多くなっている。
原発稼働中には南方系のウニの仲間ガンガゼがよくみられた。(2008年1月)
しかし、原発が全て停止した2週間後(2012年3月)には死んでいた。1カ月後
1カ月後には長いトゲしか残っていなかった
益田準教授:
ムラサキウニ、サザエ、いずれも原発の稼働中はほとんど見なかったんですね。
これが、最近増えてきています。
「温廃水が出ていない状態の方が、食べておいしい様な海の生き物っていうのは多くなる」
というふうに考えられます。
原発稼働中、この地点は温廃水によって、周辺の海と比べて水温がおよそ2℃高くなっていた。
この2℃が冬場生き物の生死を分けていたのだ。
益田準教授:
水の中では陸上よりも遥かに熱が伝わりやすいという事なんですね。
ですから、水中が2℃違うという事は魚にとって非常に大きな違いになります。
人間が陸上での2℃というのはどうにでも調節できますが、
魚にとっての2℃というのは調節が聞かないエリアになってしまいがちなんですね。
益田準教授は火力発電所周辺の海でも調査している。
火力発電所からも温排水が出ているが、量が原発より少ないため海に変化は起きていなかった。
益田準教授:
特に他の場所と種類が違うという事もないんですよ。
それで、このあたりの冬の海らしい状況です。
火力の方が効率よく熱エネルギーを使って電気を取り出しているっていうふうに言われていますし、
それから、新しいタイプですから効率がいいんでしょうね。
原子力発電所で生み出される熱エネルギーのうち発電に使われるのはおよそ3割。
それに対し火力発電所では高性能のもので熱効率は6割近くに達する。
つまり、同じ量の電気を生み出すのに原発の方が火力よりも多くの熱を温廃水として海に流しているのだ。
益田準教授:
若狭湾は美味しいものがたくさん取れるところとしても有名な場所だった。
そういうふうに少なくても1000年以上築かれてきた文化がある場所で、
今、稼働したほうがいいのかどうか?という事は、
この1年どうしたらいいか、この2年どうしたらいいか?という事で、
つい決めてしまいがちだと思うんですけれども、
ここで、1000年築かれてきた歴史を考えると、
その先1000年を見通して判断をした方がいいんじゃないかというふうに私は思います。
スタジオ
岡村仁美:
福岡のRKB毎日放送のスタジオには取材にあたった今林記者に着てもらっています。
今林さん、原発が止まる事で海の中の生態系というのはここまで大きく変わるんですね
今林隆史:
調査に当たった研究者が驚くほど、原発停止後の海は劇的に変化していました。
停止後わずか数日で、南国系の魚が死んでいたそうです。
この、原発前の南国系の魚は私も目撃した事があります。
今からおよそ10年ほど前の2月に玄海原発の前の海に潜りました。
その時、南国系の大きな魚が泳ぎ回っているという、今考えると異様な光景が広がっていました。
今回あの海がどうなっているのか?と思い海に潜って取材しました。
日下部正樹:
今回はあえて放射能ではなくて別の角度から、
原発と環境問題を取材しようと思った理由というのは何ですか?
今林:
はい。
福島第一原発の事故後、放射能の問題は広く認識されていると思います。
一方、事故を起こしていない、通常運転中の原発が、周囲の環境にどのような影響を与えているのか?
原発が長期間停止している今だからこそ見えてくるものがあるのではないかと思い、
今回海に潜りました。
現在原発の再稼働をめぐって議論が進んでいますが、再稼働に賛成反対という前に、
「原発が周囲の環境にどのような影響を与えるのか」もっと詳しく知る必要があると思います。
金平茂紀:
今林さん、「原発の再稼働賛成反対を言う前に、原発がどういうものかというのをもっと知った方がいい」
というのはその通りだと思うんですけれども、
それにしても昨日、政府が閣議決定したエネルギー基本計画なんかを読みますとね、
「政府の側がそもそも、耳を傾けない姿勢なんじゃないか」という様な思いがするんですけれども、
そうすると、福島第一原発の悲劇というのは一体何だったのか?という事を考えると、
とても憤りを感じざるを得ないんですけれども、
今林さん、今後も取材を続けて下さい、どうも。
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