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<ビジュアル夕刊>放射線を撮る
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014041902000237.html
2014年4月19日 東京新聞 夕刊
キビタキ 福島県飯舘村で採取(森敏さん・森住卓さん提供)
おそらくこれから二千年もたったころは
それ相当のちがった地質学が流用され
相当した証拠もまた次次過去から現出し
みんなは二千年ぐらゐ前には
青ぞらいっぱいの無色な孔雀が居たとおもひ
新進の大学士たちは気圏のいちばんの上層
きらびやかな氷窒素のあたりから
すてきな化石を発掘したり
あるひは白亜紀砂岩の層面に
透明な人類の巨大な足跡を
発見するかもしれません
宮沢賢治「春と修羅」序(抜粋)
◇
見えない。匂わない。そんな放射能による汚染の実態を、見せる手法がある。ところどころに黒い斑点があるこの透明な鳥の写真は、オートラジオグラフ(放射線写真)と呼ばれるその手法で、福島県飯舘村にいたキビタキの被ばくの様子を写し出したものだ。
放射線写真は、放射線に感光する特殊な板に鳥などの被写体を載せ、被写体から放出される放射線を撮影する。このキビタキは東京電力福島第一原発の事故で放射能に汚染され、住民が避難を強いられている飯舘村の牛舎で二〇一二年一月、写真家の森住卓(もりずみたかし)さん(63)が拾った。東大名誉教授の森敏(さとし)さん(72)が協力し、それを写真にした。
鳥の形がうっすらと見えるのは、キビタキが全身に被ばくしているため。「翼の黒い斑点は、羽や体に降り注いだ放射性物質。腹部の色が少し濃いのは、昆虫や植物を食べて放射性物質が胃に直接入ったり、筋肉に蓄積したりしたのだろう」と森さん。また、森住さんは「福島の動植物の被ばくを何とか見える形にして、事故の風化を食い止めたい」と話す。
◇
美しい鳴き声のキビタキは福島の県鳥にもなっている
宮沢賢治は長い時間軸でものをみつめ、詩集「春と修羅」の序で「おそらくこれから二千年もたつたころは…」と、遠い未来の人々の視点に思いをはせた。
これから二千年もたった時代に生きる人々は、はるか昔の人間が残した放射性物質に、何を思うだろうか。自然豊かな福島に放出された放射性物質が消え去るまでのほど遠い時間を、今こそ想像したい。 (岩岡千景、藤川大樹)
<8万年の月日> 福島第一原発から放出された放射性物質が10分の1まで減るのにセシウム137は100年。プルトニウム239は実に、8万年。実際にほとんどなくなるまでには、セシウム137で200年以上かかるとされる。
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