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<被ばく調査>「目的果たせず」削除 7カ月経て最終報告書
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140418-00000112-mai-sctch
毎日新聞 4月18日(金)21時18分配信
東京電力福島第1原発事故に絡んで実施された個人線量計による被ばく量調査の未公表問題で、内閣府原子力被災者生活支援チームは18日、調査から約7カ月たって最終報告書を発表した。調査を依頼された研究機関は3月下旬、支援チームに宛てた「最終報告書」と題する文書で、支援チームの当初の調査目的を果たせなかったと報告していたが、この記載は丸々なくなっていた。
この調査は昨年9月に実施。避難指示解除を予定する福島県の田村市都路地区(今月1日に解除)、川内村、飯舘村で、新型の個人線量計による測定値と放射線測定器で実測した空間線量、従来活用されてきた航空機モニタリングによる空間線量の推計値を比較した。
毎日新聞が入手した3月下旬の「最終報告書」は、住民の帰還後に想定される被ばく量が、航空機モニタリングからの推計値に比べ一定の低い割合になることを実証するのが支援チームの「モチベーション(動機)」だったと記載。だが実証はできず「事業の主な目的から外された」としていた。関係者によると、支援チームはこの「実証」結果を公表して住民の帰還促進につなげる狙いだったという。
18日の記者会見で、支援チーム側はこの記載が消えたことについて「そうした議論をした時期はあった」と説明。会見では「目的が書かれておらず不自然」「経緯を明らかにすべきではないか」などの指摘が相次いだが、支援チームの戸高秀史参事官は「個人被ばく線量の推計手法を確立することが調査の目的だった」と科学的な目的だけを強調。約7カ月間にわたり公表しなかった理由については「分析作業が済んでいなかった」と話した。
関係者によると、この調査では当初、農業や林業の従事者について生活パターンを「屋外滞在8時間」として年間被ばく量を推計。農業で4.5ミリシーベルト、林業で6.6ミリシーベルトという川内村の数値について「かなり高い」との意見が関係者間で出され、昨年秋を予定していた公表が見送られた。その後、推計のやり直しを重ね、発表された最終報告書では、農業や林業が屋外約6時間とされ、農業で1.3〜3.5ミリシーベルト、林業で4.8〜5.5ミリシーベルトとなった。【日野行介】
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