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【 私たちが知らない4年目の福島第一原発、その真実の状況 】《前篇》
http://kobajun.chips.jp/?p=17606
2014年4月11日 星の金貨プロジェクト
福島第一原発の本当の状況について、きわめて貧弱な情報しか提供されていない
福島第一原発の設計、それは第二次世界大戦後のアメリカの産業技術を支配していた傲慢さの現れ
メルトダウン・メルトスルーから使用済み核燃料プールの火災へ!国の破滅が眼前に迫っていた3.11
アーニー・ガンダーセン / フェアウィンズ 3月12日
3基の原子炉が同時にメルトダウンするという、人類が初めて経験した巨大事故が福島第一原子力発電所において発生してから3年という月日が経ちましたが、この間福島第一原発は今いったいどういう状況にあるのか、きわめて貧弱な情報しか提供されてきませんでした。
カネ、権力、そして科学技術に関する傲慢さは、日本国内はもちろん北半球で暮らしている人々の生活や生命、健康よりも常に優位に立ち、この間福島第一原発からは途切れることなく放射性物質が放出され、環境中のいたるところに入り込んでしまいました。
福島第一原発の事故は産業事故の歴史において、最悪の例を作りだしました。
福島第一原発の原子炉を廃炉にし、発電所そのものを解体し去るには数十年の歳月を要します。
そしてこの地一帯の汚染の解消は21世紀だけでは終わらず、どんなに早くても22世紀までずれ込むことになるでしょう。
今回はアーニー・ガンダーセンが、事故から3年が過ぎた福島第一原子力発電所の真実の状況について、分析を行います。
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フェアウィンズのアーニー・ガンダーセンです。
人為的な要因が重なり、福島第一原発の3基の原子炉をメルトダウンさせる事故が起きてから3年の月日が過ぎましたが、この間提供された情報というものは本当にわずかなものでした。
なぜこのような悲劇が起きてしまったのでしょうか?
関係する世界各国の政府は、この事故の計り知れない影響の大きさについて口を閉ざし続けています。
そし多くの大手メディアが真実の隠ぺいに加担している現在、数多くの疑問と質問が電話、電子メール、そして手紙によってフェアウィンズに寄せられ続けています。
主要な事故収束作業はもう終わったのでしょうか?
日本の人々、特に子供たちの安全は確保されているのでしょうか?
避難を強いられていた人々は、自宅に戻ることが出来たのでしょうか?
海は汚染されなかったのですか?
残念なことに、答えはすべて『ノー』です。
そしてもう一つの疑問、今後福島県全域、そして日本はどういうことになるのか?
その大きな問題が残されているのです。
それではまず、3基のメルトダウンの引き金が引かれてしまった時点に立ち返ってみましょう。
福島第一原発の建設が始ろうとしていた1966年当時、設計を行っていたアメリカのゼネラル・エレクトリック(GE)社は後の福島第一原発を運命づける、ある重要なデザイン上の決定を行いました。
日本の地震のおよび津波の専門家からの抗議にも関わらず、GE社は福島第一原発の建設予定地であった崖の上の台地を、海抜約8メートルの高さにまで削り取ることを決定したのです。
当時GE社は、日本で津波が引き起こした数々の災害の歴史について把握しており、この点についての知識を持つ科学者はGE社の決定に異議を唱えました。
しかしGE社はこの意見を退け、崖を削り取り、代わりに高さ5メートルの防潮堤を建設することにしたのです。
日本の2千年に及ぶ歴史には、太平洋岸に押し寄せる津波が40メートル前後の高さに達する可能性がある事が記されていましたが、GE社はその可能性を排除してしまったのです。
なぜ、GE社はそのような決定をしたのでしょうか?
私はその場にいたわけではありませんが、おそらくは福島第一原発の建設、そして完成後の運営費用を削減することが目的であったと考えています。
その決定は、第二次世界大戦後のアメリカの産業技術を支配していた傲慢さの現れでした。
アメリカは第二次世界大戦において、シンプルなデザインの兵器や車両を大量生産する物量作戦によって勝利を得ました。
アメリカの産業界の技術者たちは、この考え方があらゆる問題の答えになると信じていたのです。
彼らは日本人に対して、原子力の平和利用という考え方の普及に乗り出し、広島、長崎の悲惨な体験と原子力発電を切り離すべく大々的にキャンペーンを始めました。
福島第一原子力発電所の事故は2011年に安全管理の問題が突然に引き起こしたものなどではないのです。
1号機のメルトダウンが証明して見せたように、世界中の原子力監督・規制機関は、ゼネラル・エレクトリックのマーク1型沸騰水型原子炉が、操作が複雑で、安全上も問題がある事を把握していました。
それでは高さが15メートルの津波が福島第一原発を襲った2011年3月11日に移動しましょう。
日本の科学者が1960年代にその到来を恐れた巨大津波は、高さが5メートルの防潮堤を楽々と乗り越え、東北の太平洋岸に建設された福島第一原発に殺到しました。
原子炉の冷却ポンプが破壊され、非常用の電源装置も全く稼働できなくなました。
冷却水が無くなった原子炉を待つものは、破滅でしかありませんでした。
稼働中の原子炉1号機、2号機、3号機が次々と爆発し、北半球全域に向けて放射性物質を噴き上げました。
溶けた核燃料が圧力容器、原子炉格納容器の底を突き破るメルトスルーが起き、原子炉がある地上・地中一帯が取り返しがつかない程汚染されてしまいました。
稼働中の他の3基とは異なり原子炉の炉心が外に取りだされていた状態の4号機原子炉建屋でも爆発が発生、ここでは使用済み核燃料プール内の水が大量に蒸発し、大量の核燃料火災発生の直前にまで至りました。
4基の原子炉の爆発によって環境中に放出された放射性セシウム、ストロンチウム、放射性ヨウ素、そしてホットパーティクルは東日本・北日本全域に拡散しましたが、折から吹いていた北西風によって海上に運ばれ、その結果これらの放射性物質が北半球の全域で観測されることになりました。
〈 つづく 〉
http://fairewinds.org/nuclear-power-profits-risks/
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これまでご紹介してきた海外の報道によって、福島第一原発の状況が私たちの想像をはるかに超えるひどい状況にある事が伝わってきました。
ただ海外報道の場合、想定している読者は飽くまでアメリカ国民、英国国民であるため、実情が事細かに記されている訳ではありません。
それを伝えているのが東京新聞や河北新報などの『地方紙』の頑張りです。
今日も下記の記事を読んで、これまで英国のガーディアン紙やアメリカNBCニュース(ロイター通信)などが集中的に伝えてきた福島第一原発の作業員の問題が、私たち自身の身に迫る危険な問題だという事を痛感しました。
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201404/20140410_63010.html
原発推進を標榜するY新聞やS新聞、そしてニューヨークタイムズが伝えたように( http://kobajun.chips.jp/?p=16429 )安倍政権に浸食されてしまったNHKなどには期待しようのない地方紙の切実な報道に、私たちは目を向ける必要があると思います。
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【 私たちが知らない4年目の福島第一原発、その真実の状況 】《中篇》
http://kobajun.chips.jp/?p=17623
2014年4月12日 星の金貨プロジェクト
人間の手によって作りだされた、人類がこれまで直面した中で最悪の産業事故
付近一帯の汚染をすべて取り去る作業は、今世紀中には終わらない
いったん環境中に放射性物質が放出されてしまったら、それを制御することなど不可能
アーニー・ガンダーセン / フェアウィンズ 3月12日
こんにち私たちがこの世界規模の悲劇について考えるとき、福島第一原子力発電所の3基の原子炉のメルトダウン、そして様々な形で放射性物質が環境中に放出される事態を引き起こしたものは天災ではない、という事をはっきりと認識する必要があります。
保険会社は天変地異については人間の手ではどうにもならない事から、『神のみぞ知る』という言い方をします。
しかし福島第一原発の事故は人間の手によって作られたものであり、人類がこれまで直面した中で最悪の産業事故なのです。
福島第一原子力発電所はそもそも設計・計画段階から欠陥を抱えていました。
そして内在する数々の危険性について根拠もなくそれを否定し、併せて今回のような事故が発生した際にきちんと機能する安全システムも存在していませんでした。
様々な事実に対する正確な認識さえあれば、福島の悲劇は防ぐことが出来たはずなのです。
しかし、まず企業が各自に利益を手にできるようにすることが第一義となり、世界の政治的思惑、そして近代技術に関する思い上がった考え方が加わり、まずはカネと権力の確立が優先されることになりました。
その結果何百年もの間福島県内の平和な場所で暮らしていた、農業・漁業従事者や住民の生活と健康が危険にさらされることになってしまったのです。
それでは2014年3月11日まで時間を進め、事故後3年が過ぎた福島第一原発では相変わらず危険な状態が続いているという事実に焦点を合わせましょう。
福島第一原子力発電所自体、そしてそれを取り囲む福島県のすべての市町村、そして福島県沖の太平洋は、これまで人間が想像したことも無い程ひどく汚染されており、それを根本的に解決する手段を人類は持ち合わせていません。
福島第一原発の事故はこれからも人々の生命に脅威を与え、東京電力の社員と現場作業員に対しては数えきれぬほど多くの困難な課題を与え続けることになります。
そしてかつての住民たちは住む家を失ってしまうか、それとも海も生態系も汚染されたしまった環境の中に戻っていくか、そのいずれかを選択することを強いられています。
この3年の間の唯一の前向きな出来事は、東京電力が4号機の原子炉建屋にある使用済み核燃料プールから少しずつではありますが、計画的に核燃料アセンブリの取り出し作業を開始したことです。
一方、敷地内の膨大な数のタンク内に保管されている高濃度の放射能汚染水については、漏出事故を繰り返すなど予断を許さない状況にあります。
そして原子炉1〜3号機の溶け落ちた核燃料とその場所に流れ込む地下水は、高濃度の汚染水を作り続けており、地中にしみ出した分については、太平洋への流れ込みが懸念されています。
そして世界中の専門家が最も懸念している問題があります。
東京電力は悪化し続ける環境汚染について、どのような有効な対策も取れないままでいます。
さらに見過ごせないのは空前絶後とも言うべき産業事故を引き起こした張本人でありながら、自然災害の被害者であるがごとく振る舞っていることです。
福島はこれから一体どうなるのでしょうか?
福島第一原発の敷地の下には汚染水により徐々に地下湖が形成されつつあり、そこから太平洋に汚染がしみだしていく現象は今後100年間は続くと考えられます。
事故収束・廃炉作業には数十年の歳月がかかりますが、付近一帯の汚染をすべて取り去るにはそれ以上の年月が必要であり、おそらくは今世紀中には終わらないでしょう。
ところで、福島第一原発の事故はなぜ世界規模の巨大災害に発展したのでしょうか?
事故がここまで最悪の状態に陥った原因は、日本政府が国民や滞在者では無く東京電力という組織の救済を優先した事、そしてその企業利益を守ろうとしたこと。
そして人々の将来の安全や生活、作物栽培の安全、食の安全よりも、原子力産業界がすでに着手していた計画の達成を保護することを選んだことにあります。
フェアウィンズが3年間訴え続けてきたこと、日本政府は真剣にその実行に着手する必要があります。
1. 事故収束・廃炉作業現場から東京電力を締め出すこと。そして今回の事故により日本がどれ程の財政的被害を被り、放射能汚染がどれ程ひどいものであるかを、国民に対し包み隠さず明らかにすることが必要です。
2. 日本の国民は福島第一原発の事故収束・廃炉作業の費用を、数世代に渡り支払い続けなければならない事を正直に認めなければなりません。
3. そして、地震が多発する島国である日本の脆弱な地質学的構造を考慮すれば、安倍政権は欠陥の多いリスク・アセスメントと事故が発生した際の機能に疑問がある安全基準に基づいて日本国内の50基の原子炉の再稼働を認めるべきではありません。
いったん環境中に放射性物質が放出されてしまったら、それを制御することなど不可能なのです。
〈 後篇につづく 〉
http://fairewinds.org/nuclear-power-profits-risks/
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【 私たちが知らない4年目の福島第一原発、その真実の状況 】《後篇》
http://kobajun.chips.jp/?p=17650
2014年4月13日 星の金貨プロジェクト
どれ程効率的に電気を生み出そうと、原子力発電所は一夜にして人々の暮らしを破壊しつくした
原発建設の助成金、事故後の処理費用、いずれも納税者に負担の義務が回ってくる
政治がカネの力や原子力産業の政治力に大きく影響を受ける今、それを変えるのは私たち自身
アーニー・ガンダーセン / フェアウィンズ 3月12日
福島第一原発の事故において、私たちは何を学ばなければならないのでしょうか?
どれ程効率的に電気を生み出そうと、原子力発電は一夜にして人間世界を破壊し尽くす危険性を持っていることを私たちは経験しました。
フェアウィンズは福島第一原子力発電所の事故について、検証を繰り返してきました。
(以下の記事等をご参照ください)
【 40年続いた幻想を、粉々に打ち砕いたフクシマ 】
http://kobajun.chips.jp/?p=12835
『進行中の福島の危機』、本当は何が起きているのか
http://kobajun.chips.jp/?p=14404
【 放射線科学の世界的権威が明らかにする・日本の黒い塵、その正体 】
http://kobajun.chips.jp/?p=13069
アメリカの除染の専門家が明らかにする、本当の汚染状況
【 人の手によって作られ、人の手により悪化していく福島の危機 】
http://kobajun.chips.jp/?p=11924
【 発生から2年、さらに明らかになる福島第一原発事故の真相 】
http://kobajun.chips.jp/?p=7214
【 福島第一原発で今も続く事故、そして危険、その真実 】
http://kobajun.chips.jp/?p=5025
原子力発電は一般納税者が支払っている税金の中から多額の助成金を受け取ることが出来る、経営する側には莫大な利益をもたらす事業です。
一方、一般国民は原子力発電のために税金を徴収され、危険と隣り合わせの生活を強いられ、万が一原子力発電所で事故が起きれば、その事故処理のためさらに多額の税金を徴収されることになるのです。
しかし世界各国のエネルギー事情は絶望的なものではありません。
ドイツは2022年までに既存のすべての原子力発電所を停止させるという勇敢な決断を行い、今後一切の原子力発電所建設を行いません。
ドイツは優れたエンジニアリング技術と経済に対する先見性が国際社会において高く評価されています。
ドイツの国民と政治家は、福島第一原発のような原子力発電所による巨大災害を引き起こして、その高い文化と生活水準を破壊してしまう危険を冒すよりは、安全で安定した未来を守るために、多少効率が悪くとも再生可能エネルギーによる電力供給の途を選択したのだと考えられます。
ドイツは原子力発電を止めても、国家として問題なく機能できる、その実例を示すことになります。
そして尚原子力発電に頼ろうとしているアメリカ合衆国、フランス、日本、ロシアと中国に対し、後に続くべき指針を示すことになるでしょう。
環境保全、健全な経済、そして市民の生命と安全を守る、そのために社会を変えていくためには、私たち一人一人がそのための取り組みに参加する必要があります。
この世界の未来がどうなるかは、私たち自身にかかっているのです。
マギーと私、そしてフェアウィンズのチームは、これからも原子力発電とその危険性に関する正確な情報を適宜提供できるよう、努力してまいります。
その情報をあなたの家族や友人、できるだけ多くの人に伝えてください。
現在世界中の政府の方針が、カネの力、そして原子力産業の政治力に大きく影響を受けています。
この状況を変えるためには、あなたのような人が考え、行動することが必要なのです。
詩人のジューン・ジョーダンがこう書いています。
『私たちが登場を待ち望んでいた人間、それは私たち自身なのです』
〈 完 〉
http://fairewinds.org/nuclear-power-profits-risks/
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折から安倍政権が「エネルギー基本計画」を閣議決定しました( http://mainichi.jp/select/news/20140411k0000e010226000c.html?inb=fa )。
フェアウィンズのこの議事を読んだ後にその事実を思い合せれば、次に私たちがしなければならないことは自ずと明らかでしょう。
誰も聞いていない感想を口にしても仕方がありません。
どうすれば現実が変わるのか、もちろん暴力や非合法の行為ではなく、自分を見つめなおし、現実の一歩を前に進めるための方策を考えていきましょう。
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