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http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2014041102000252.html
2014年4月11日 夕刊
政府は十一日の閣議で、国のエネルギー政策の指針となる「エネルギー基本計画」を決めた。東京電力福島第一原発(福島県)の事故を収束できず、核のごみの行き場も決められないなど多くの課題を残したまま、原発を「重要」と位置付けて活用する方針を明確にした。政府が民主党政権時に「国民的議論」を経て決めた原発ゼロ方針にはひと言も触れず、密室の議論で原発の維持推進へとかじを戻した。
基本計画のとりまとめ作業は当初から「原発推進ありき」だった。政府は昨年十二月、原発推進に慎重な識者を差し替えた有識者会議で素案を策定。ことし一月六日まで一カ月にわたってパブリックコメント(意見公募)を実施して約一万九千件の意見が集まったが、公表したのは抜粋した百二十八種類と、対する政府の考え方だけ。脱原発を求める声がどれぐらいだったかの分析・公表もせず二月に計画案をつくった。三月からは自民党と公明党から少人数の議員が集まった「ワーキングチーム」が、経済産業省幹部とともに密室で文章を調整。国民の意見を反映する姿勢は乏しかった。
政府は民主党政権時の二〇一二年に、意見を公募し、原発ゼロを支持する回答が87%にのぼった。国民同士が話し合う「討論型世論調査」なども併せた議論の結果、三〇年代に原発の稼働をゼロにする方針をまとめた経緯がある。
しかし今回の基本計画では、政府としていったん目指した原発ゼロ方針にひと言も触れないまま、原発維持を掲げた。
原発への依存度は再生可能エネルギーの導入などで「低減する」と記載したが、茂木敏充経産相は記者会見で、減らすための具体策をあらためて問われると、「(基本計画を)読めば分かることは、わざわざ私が繰り返す必要はない」と答えなかった。
◆事故・賠償、棚上げ 「原子力ムラ」復活
<解説> 政府が閣議決定したエネルギー基本計画は、安倍晋三政権の発足で息を吹き返した経済産業省や文部科学省のほか、電力会社など原発を推進してきた「原子力ムラ」の思惑を反映した。
経産省は「原発への依存度を下げる」としつつ、公明党と自民党の一部が求めた「二〇三〇年に総発電量の30%を再生エネにする」という目標には強く抵抗し、二割以上を目指す努力目標にとどめた。逆に、電気料金が高くなっていることなど原発の必要性を訴える理由は細かく説明。文科省などが研究する新型の原子炉「高温ガス炉」の開発を「推進する」との一文も最終段階で滑り込ませた。
大手電力会社でつくる電気事業連合会は、自民党が所属議員に基本計画についてアンケートを行った際、一部議員に「模範解答」を配るなど積極的に介入。結果、基本計画は原発を「重要」と位置付けるなど模範解答通りになった。
半面、大事故が起きた場合の対応は棚上げ。政府と電力会社が押しつけ合う賠償責任については「総合的に検討する」と逃げるなど、基本計画は「原子力ムラ」に都合よくつくられた妥協の産物となった。
すでに原子力規制委員会は十原発十七基の原発について新基準をクリアするか審査を進めており、夏にも鹿児島県の九州電力・川内(せんだい)原発が合格する可能性がある。政府は原発の海外輸出を増やす方針も固めている。
使用済み核燃料の最終処分場や再利用計画も全くめどが立たないなど多くの課題を抱えたまま原発稼働を急ぐ安倍政権のエネルギー政策は無責任体質への逆戻りと言わざるをえない。 (吉田通夫)
<エネルギー基本計画>
エネルギー政策基本法で政府に策定が義務付けられた、国の中長期的なエネルギー政策の指針。おおむね3年ごとに見直し閣議決定する。電力やガス、石油などエネルギー企業の投資計画にも大きな影響を与える。民主党政権は2010年策定の計画で、地球温暖化防止の観点を重視し二酸化炭素の排出が少ない原発の新増設方針を明記した。原発事故で民主党政権は原発ゼロ方針に転換し基本計画の見直しに着手したが、作業途上で自民党政権に交代した。
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