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防ぐより慣れよ?手抜き放射線防護と安心神話。再除染 国予算たった78億円!
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2014年04月11日 子ども達を放射能から守るネットワーク@ちば
「自宅の除染は2年前に終わった。でも線量は高いまま。裏手の山から雨水に紛れて放射性物質が流れて来るのだろう。中学生と高校生の孫が近くにいて遊びにも来るけど、あの子らの体が心配。何とかならんもんか」。福島市渡利地区で暮らす亘理尚寛さん
「線量が高止まりしていて、市外で暮らす子どもは『もうこの家には住みたくない』 『親から引き継ぎたくない』と言っている。土地を売るとしても、今のままじゃ二束三文にしかならない。本当にため息しか出ません」
本日の東京新聞特報が福島の除染問題に関して伝えてます。テレビなどでは伝えならない現地の方の切実の声。除染しても線量が再び上がる。それなのに国は再除染にほとんど予算を計上しない。除染の作業員の健康問題もやはり心配になります。除染ありきだけでなく、保養や移住促進などもっと住民の多様なニーズに応えるような政策転換が必要です。
防ぐより慣れよ? 手抜き放射線防護と安心神話 (東京新聞特報4/11)
原発の維持を柱にしたエネルギー基本計画が閣議決定される。福島原発事故などなかったかのような姿勢にあぜんとさせられるが、福島現地でも放射線防護を重視する視点が揺らいでいる。住宅地の再除染や除染作業員の被ばく線量管理の不徹底が好例だ。一方、政府は低線量被ばくを軽視する「安心神話」の宣伝に躍起だ。被ばくについては「防ぐより慣れよ」という政府の本心が透けて見える。
【再除染 国予算たった78億円】
「自宅の除染は2年前に終わった。でも線量は高いまま。裏手の山から雨水に紛れて放射性物質が流れて来るのだろう。中学生と高校生の孫が近くにいて遊びにも来るけど、あの子らの体が心配。何とかならんもんか」。福島市渡利地区で暮らす亘理尚寛さん(80)はそう不安を募らす。
福島県庁に近い渡利地区は福島第一原発から約60キロ離れながら、事故後は局地的に放射線量が高いホットスポットになった。 亘理さんによれば、事故直後の線量は毎時3マイクロシーベルト。平常時の被ばく限度とされる毎時0.23マイクロシーベルト(年間1ミリシーベルト)の13倍だ。地区内の住宅6100戸の除染は終わったが、山に近い亘理さん宅周辺はまだ毎時0.8〜0.9マイクロシーベルトある。
近所の60代の男性は自宅の敷地と道路の境界に土のうを並べ、放射性物質を含む雨水が道路側から流れて来るのを防いでいる。それでも敷地内の線量は毎時0.5マイクロシーベルト。男性は「山の除染は全然進んでいない。早く汚染源を取り除き、ここら辺の除染も、あらためてやってほしい」と語る。
近隣の60代の主婦は表情がさえない。「線量が高止まりしていて、市外で暮らす子どもは『もうこの家には住みたくない』 『親から引き継ぎたくない』と言っている。土地を売るとしても、今のままじゃ二束三文にしかならない。本当にため息しか出ません」
市除染企画課によると、市全体で除染が完了した住宅は3割程度だが、再び線量が上がったケースが少なくなく、再除染の要望が寄せられているという。小林香市長は今年1月、再除染の財源確保を求める申し入れ書を井上信治環境副大臣に手渡している。 しかし国の対応は鈍い。除染のために国が本年度当初予算に計上した2582億円のうち、再除染の費用は3%に当たる78億円しかないのだ。
環境省の担当者は「汚染状況を踏まえて積算した。この額で確定というわけではない。今開かれている除染の専門家会議の議論を踏まえ、どの程度まで再除染が必要なのか検討していく」と釈明する。 とはいえ、お役所言葉の「検討」は何の頼りにもならない。一度目の除染すら遅れ気味で、除染の効果自体に疑問が生じる中、再除染の先行きは不透明だ。
低線量被ばくの受忍を押しつける国の姿勢は帰還政策にも反映されている。 帰還住民の被ばく線量の測定は個人線量計を配って行おうとしている。モニタリングポストで空間線量を測って被ばく量の推計値を出す場合と比べ、数分の一の値になるとも指摘されている。知らず知らずのうちに高い線量を受け入れさせるための「トリック」になりかねない。
【作業員線量 一元管理も強制力なし】
被ばく防護がおろそかにされているのは住民だけではない。除染作業員も同様だ。その一例が作業員の被ばく線量の一元管理だ。 福島の除染事業は福島第一原発に近く、汚染が深刻な11市町村については環境省が直轄し、大手ゼネコンに発注。その周辺の36市町村は、自治体が窓口になって実施している。 これまでも作業員の被ばく線量は国の規則「除染電離則」に基づき、記録して管理するよう業者に義務付けていた。ただ、業者が廃業して記録がなくなったり、作業員が複数の業者で働くうちに紛失したりすることがたびたびあった。
このため厚生労働省は4月から、市町村が発注する事業に関して、財団法人「放射線影響協会」(東京)にデータを集中させる方式にあらためた。同協会は原発で働く作業員が持つ「放射線管理手帳」を発行しており、情報を効果的に集約できると判断。作業員は同協会に照会すれば、除染で受けた被ばく線量が分かるようになる。 環境省直轄の事業についても、昨年11月から作業員に放射線管理手帳を持たせるようにしており、厚労省の担当者は「20年後、30年後に健康被害が出た場合に、すぐに被ばく線量が分かるようになる」と意義を強調する。
一見、メリットが大きいように思えるが、問題点は多い。一つは法的な強制力がないため、業者が正確な記録を提出するかどうか分からない点だ。ある除染業者の男性は「被ばく線量を測定して記録に残すのは手間がかかる。強制なら従わないといけないが、そうでないのなら、大多数の業者はいいかげんな数字を出すだろう」と打ち明ける。 さらに除染事業は土木工事や建築工事と違って自治体への登録制度などはなく、労務管理がずさんだったり、組織としての体をなしていない業者も少なくないとされる。男性は「人手不足もあって、何でもありの状態になっている。新しい制度をつくったところで、書類上つじつまを合わせるだけになる」と語る。
福島での除染は終わりが見えない。国は当初、11市町村の事業は先月を終了予定としていた。ところが除染廃棄物の仮置き場の確保などが難航し、最長で工程を3年間延長する方針を示している。36市町村も、場所によっては2017年3月まで作業が続く。 除染に伴う被ばく線量の限度は原発事故の収束作業と同じく、5年で100ミリシーベルト、かつ1年で50ミリシーベルトまで。被ばく線量が正確に計測されない状態が続けば限度を超えて被ばくし、将来的に健康被害を招く事態にもつながりかねない。
市民団体「被ばく労働を考えるネットワーク」(東京)の中村光男氏は「体裁を整えるより、極力被ばくしないやり方を徹底させる方が先だ」と主張する。 中村氏が昨年、現場を視察すると、大半の作業員がマスクをつけておらず、業者も注意するそぶりがなかった。加えて除染作業では原発労働と同様、下請けの多重構造や偽装請負なども問題視されている。 「作業員が契約した業者と実際に指示を出す業者が違うような状況で、正確な被ばく線量が申告されるとは考えにくい。国は現場の実態が分かっていない」
一方、政府は被災者への「リスクコミュニケーション」に力を入れる。専門家との対話を通じ、放射線リスクや防護策を考えてもらうことが狙いとされているが、実態は「事故による健康影響は考えにくい」という結論ありきの内容だ。 カネや手間がかかる住民や除染作業員の被ばく防護よりも、被ばくリスクを甘受させた方が容易という政府の姿勢が垣間見える。
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