★阿修羅♪ > 原発・フッ素37 > 387.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
九電川内原発、なぜ再稼動一番手に?"談合破り"の裏に厳しい財務事情、全国で再値上げも(Business Journal)
http://www.asyura2.com/14/genpatu37/msg/387.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 4 月 09 日 07:43:53: igsppGRN/E9PQ
 

九電川内原発、なぜ再稼動一番手に?"談合破り"の裏に厳しい財務事情、全国で再値上げも
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140409-00010004-bjournal-bus_all
Business Journal 4月9日(水)3時24分配信


 2011年の東京電力福島第一原子力発電所事故を受け停止中だった原発の再稼動としては一番手に、九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県薩摩川内市)がなる。原子力規制委員会は川内原発1、2号機の審査を優先して進めることを決め、早ければ今夏中にも再稼動となる。

 昨年7月に施行された原発の安全性に関する新規制基準で、地震や津波対策が強化され、テロも含めた過酷事故への備えが義務付けられた。現在、8電力会社の10原発17基が安全審査を申請している。北海道電力泊原発(北海道)、関西電力の大飯原発(福井県)と高浜原発(同)、四国電力伊方原発(愛媛県)、九州電力玄海原発(佐賀県)の審査もほぼ同時期に始まったが、川内原発がその中から抜け出したのは"談合破り"を決断したからだ。

●九電の"談合破り"

「ちょっと乱暴なところもあるが、エイヤっと大きくしました」。九電幹部は規制委の審査会合で、川内原発の地震想定を大幅に引き上げる方針を表明した。規制委の事務局である原子力規制庁の審査官は「御社の哲学、思想が見えて安心した」と評価。川内原発の優先審査入りが事実上決まった。

 昨年7月に施行された新規制基準は東電福島原発事故を踏まえ、科学的に考えられる最大規模の地震、津波対策を求めたが、想定を引き上げると追加の耐震工事が必要になるため、電力会社は引き上げを渋った。そこで電力各社は、電力中央研究所で想定の見直しを行い、その数値を規制委に報告することにした。これがいわゆる「地震想定談合」と呼ばれるものだ。しかし、この想定値が規制委の了解を得られなければ、審査はストップする。

 九電は規制委の意向に沿って最大の地震の揺れ(加速度)を540ガルから620ガルへと引き上げたが、その理由を同社幹部は「すべて(規制委に)反論していたら再稼動が遅くなる」と説明しているが、背景には同社の厳しい財務体質があったとみられている。

●忍び寄る債務超過の危機

 原発への依存度が高かった九電の14年3月期連結決算における最終損失は、1250億円の予想であり、3期連続の赤字になる。過去の利益の蓄積である利益剰余金(単体)が、3月末にゼロになる見通しだ。火力発電用の代替燃料費がかさみ、九電は昨春、企業向けで11.94%、家庭向けで同6.23%の値上げを実施したが、値上げ後も大幅な赤字が続くのは、原発の早期再稼動を見込み、値上げ幅を縮小したからだ。

 2月中旬、北電は電気料金の再値上げを申請したが、昨年9月に値上げをして半年もたたないうちの再値上げだ。同社の川合克彦社長は「債務超過の可能性も否定できない」と語った。

 一方、九電の瓜生道明社長も「(再値上げの)検討を進めざるを得ない」と説明しているが、値上げを申請してもすんなり認められる保証はない。原発の再稼動が進まず、再値上げもままならないとなると、経営が傾きかねず、それこそ北電同様に債務超過という事態が現実味を帯びてくる。これが"談合破り"を決断した最大の理由といわれている。

 ちなみに九電は、今夏までに川内原発の2基(合計出力178万キロワット)が再稼動すれば、夏の電力需要の1割程度は賄えると計算している。

●資本支援が相次ぐ可能性も

 安全審査で川内原発が玄海原発3、4号機に先行するのは、九電にとっても好都合だ。地元手続きは、「やらせメール」問題が尾を引いている玄海原発より川内原発のほうが円滑に進む公算が大きいからだ。

 審査終了後の関門は、再稼動の前提となる地元の了解だ。川内原発については鹿児島県の伊藤祐一郎知事が「地元」の範囲について「(立地自治体の)薩摩川内市と県(の判断)で十分」と繰り返し表明している。周辺自治体の同意は必要なしという考え方で、薩摩川内市の岩切秀雄市長も「地元経済は疲弊している。活性化させる必要がある」と語り、再稼動に強い期待をにじませている。伊藤知事、岩切市長とも再稼動に前向きなことから、迅速に手続きが進むとみられている。

 規制委は、さほど反対がない川内原発で実績をつくり、他原発の審査を効率的に済ませ、順次再稼動に持っていきたいともくろむが、再稼動容認の自治体ばかりではない。再稼動が大幅に遅れた場合、東電、関電、四電は今秋の電力料金の再値上げが視野に入ってくる。

 そんな中、日本政策投資銀行は、経営不振が続く北電を資本支援する。議決権のない優先株で今夏に500億円規模の出資をする方向で、債務超過を回避するのが狙いだ。政投銀は北電に続き、九電にも資本支援する交渉を進めている。九電は、夏にも優先株を発行して1000億円規模の資金を調達する。6月末の株主総会で定款を変更し、優先株を発行できるようにする。九電はこれまで、水面下で追加融資や資本増強策を検討してきた。原子力発電所の停止で業績が悪化している電力会社はほかにもあり、資本支援が相次ぐ可能性も出てきた。

編集部


 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. 2014年4月09日 10:12:59 : nJF6kGWndY
焦点:原発停止で政府系に駆け込む電力業界、「国民負担」増大のリスク
2014年 04月 9日 06:35 JST
[東京 9日 ロイター] -電力会社による政府系金融機関への資金支援要請が相次いでいる。原発が止まり、収益が悪化して値上げでも対応できないと「駆け込む」姿は、「国頼み」のスタンスを鮮明にした。このまま「経営無策」を続ければ、値上げや公的資金の注入を繰り返し、国民負担を増大させることになるだろう。

<再値上げ言及に官邸は激怒>

「首相官邸サイドから経済産業省幹部に強い叱責があったようだ」──。北海道電力(9509.T)が電気料金の再値上げ検討を表明した今年2月17日の直後、北電を抑えられなかった経産省に対し、官邸側が激怒したと大手電力の関係者は語る。

4月1日からスタートした17年ぶりの消費税率引き上げ。その増税の心理的なマイナス・インパクトに追い打ちをかけかねない電気料金値上げを表明した北電に、官邸側のいら立ちが表面化したとみられている。

北電は昨年9月、家庭向けなど規制部門向けで平均7.73%の値上げを実施。翌18日には茂木敏充経産相が記者会見で「最大限の経営効率化など値上げ回避に努力することが重要」と発言し、再値上げにクギを刺した。

だが、そのけん制発言を振り切ってまで、値上げ表明せざるを得ない事情が北電にはあった。

<経営を左右する不透明な原発再稼動>

2011年3月11日の東日本大震災を契機に、定期検査で停止した3基の原子炉が再稼働せず、コストの高い火力発電で代替した結果、収益が急速に悪化した。

3期連続の経常赤字によって、2011年3月期に23.2%だった自己資本比率(単体)は14年3月末時点で5%を割り込む見通しまで低下することになった。

このまま赤字を垂れ流すことになれば、債務超過の可能性も出てきたため、日本政策投資銀行に「優先株」の引き受けを要請したことが1日、明らかになった。

原発がいつ稼働できるのか──という問題と、電力会社の経営は密接に絡んでいる(表参照)。

ロイターが電力会社へのアンケートや専門家、市場関係者への取材をもとに2日にまとめた調査では、全国48基中、「17基の再稼働が困難」との見通しだ。

その中で、北電の泊原発の3基は「再稼働可能」の分類に入っているが、それでも経営への影響が深刻さが増している。

北電は昨年7月、原子力規制委員会に泊1─3号機について、審査を申請した。だが、再稼働のメドは見えてこない。1、2号機は初期段階で審査書類の不備を指摘され、審査が現段階で大幅に遅れている。

3号機は、緊急時に原子炉格納容器を冷却する配管の追加を求められた。北電側は、工事は「数カ月では終わらない」と説明。早期の運転再開が展望できない以上、「赤字構造解消には早期の値上げが必要」としている。

北電に続いて九州電力(9508.T)による政投銀への1000億円規模の資本支援要請も明らかになっている。

規制委は3月、九電川内原発1、2号を「優先審査」の対象に選び、現在、集中審査中。早ければ夏にも再稼働する可能性がある。

九電がほぼ同時に申請した玄海原発3、4号も、全国48基の中では審査は先行している。北電とは対照的に、原発の運転再開の時期によっては、政投銀による資本注入を回避できるシナリオもありそうだ。

<関西電力(9503.T)の先行きに厳しさ>

原発を保有する地域電力9社中、原発依存度(11年3月期までの5年平均)が43%と最も高いのは関西電力だ。ある経産省幹部は「東電を除けば、経営状況が最もきついだろう」と指摘する。

実際、14年3月期までの3年間の当期赤字の累計額は約5800億円となり、自己資本比率(連結)は11年3月期の24.8%から13年12月に16.5%に低下。

昨年7月に高浜3、4号と大飯3、4号の再稼動審査を規制委に申請したものの、合格のメドは見えていない。

八木誠社長は3月26日の記者会見で、この夏の原発再稼働について「大変厳しい状況」と述べた。

再稼働が遅れ、代替策としての再値上げに手間取れば、15年3月期の黒字化が難しくなる。4年連続の赤字となれば、将来の黒字化を前提に計上した約5000億円の繰り延べ税金資産の取り崩しを迫られる可能性もある。

原発依存の経営によって「最適な火力電源の構築が進まなかった」(エネルギー・アナリスト)という構造問題も抱える。

ここにきて東北電力(9506.T)と九電は火力電源について、自社応札を打ち出した。だが、関電は「経営状況を鑑みると、(自前の発電所建設には)大規模な資金調達が必要」(八木社長)と説明し、外部資金に頼らざるを得ない状況であることを明らかにしている。

<中長期も廃炉という負担>

また、関電は古い原発を抱えているという不利も付いて回る。ロイターの調査では、美浜1─3、高浜1、2、大飯1、2の計7基について、運転開始から40年前後という古さを主因に再稼働困難と判定した。

再稼働ができなければ、いずれ廃炉を迫られる。経産省は、廃炉決定の場合、関連費用の引き当て不足を一括計上する従来の仕組みを昨年10月に変更。廃炉決定後も10年間は電気料金で回収できるようにした。

将来の廃炉コストは、「原子力発電施設解体引当金制度」に基づき、電力会社が見積り額を算定し、電気料金に上乗せしてきた。見積りの合計額は約2兆8000億円(12年度末、東電福島第1原発5・6号機含む)に上る。

だが、解体費用、解体に伴って生じる廃棄物の処分、施設撤去までの維持費、運転中に出た低レベル放射性廃棄物の処分などで構成される廃炉コストが、上記の見積額に収まる保証はない。

廃炉作業が始まっている東海原発(出力16.6万キロワット)の場合、解体に347億円、廃棄物の処分に538億円の計885億円という見積もりになっている。

一方で、古い原発は引当金が積み上がっており、仮に現時点で廃炉が決まっても、10年間の分割で関連費用を計上できる。各社の収支を圧迫するような巨額の費用負担を回避する仕組みができている。

だが、原子力関連施設のコストは当初の見積もり通りとなる保証はない。電力業界が青森県六ヶ所村に建設した使用済み核燃料の再処理工場施設(着工1993年)の建設費用は、当初7600億円という見積もり額が、2006年には3倍近い2兆1900億円に跳ね上がった前例がある。

廃炉に関していえば、原子炉解体後に出る廃棄物の処分場がそもそも見つかっていない。福島第1原発事故後、国のエネルギー政策議論に参加した伴英幸氏(NPO法人、原子力資料情報室共同代表)は、「処分場の部分が不確定要素となる。(廃炉コストは)現在の見積額では収まらないだろう」と話し、電力会社か国民に将来、新たな負担が発生する可能性を示唆した。

<総括原価廃止方針でも乏しい改革機運>

現在の枠組みでは、電力会社の経営能力を超えると認定される赤字部分は、政策投資銀行など損失が発生した時には税金で補てんされるマネーと、電気料金の引き上げという2つのルートで埋め合わせることになる。

いずれも最終的には納税者・利用者の負担になる。鉄鋼業界から東京電力(9501.T)会長に転じた数土文夫氏は「(東電は)地域独占や総括原価主義に安住してきた」と指摘する。

電気料金高止まりの要因と指摘されてきた「総括原価方式」は、政府が導入を決めた電力システム改革の第2弾の「小売り全面自由化」が実施される2016年度以降、競争の仕組みを入れることが困難な送配電部門のコストを除き、順次廃止される。

首都圏など大都市圏の電力市場には、都市ガスや石油、商社など異業種からの参入が見込まれるが、経産省は、電力会社同士の本格的な競争の進展こそ、電気料金の高止まりを是正すると期待する。

ただ、2000年3月に始まった、大口需要家を対象とした電力小売り部分自由化では、大手電力が営業区域外の顧客に供給した事例は、九州電による中国電力(9504.T)管内にある商業施設に対してのわずか1件にとどまる。

経産省側は、「日本には9社も大きな電力会社がある」(中堅幹部)と、競争進展に向け、業界の意識改革を求める。

これに対し、電力各社のトップは、原発の稼働停止が長期化する中で、電力システム改革への取り組みよりも、自社管内の安定供給を優先させる意向が強く、電力自由化に対応する改革機運に乏しいのが実態だ。

(浜田健太郎 取材協力 浦中大我 編集:田巻一彦)


  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
  削除対象コメントを見つけたら「管理人に報告する?」をクリックお願いします。24時間程度で確認し違反が確認できたものは全て削除します。 最新投稿・コメント全文リスト

▲上へ      ★阿修羅♪ > 原発・フッ素37掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
この板投稿一覧