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川内原発の優先審査決定について 小出裕章
http://blog.livedoor.jp/home_make-toaru/archives/7617595.html
2014年04月05日19:04 とある原発の溶融貫通(メルトスルー)
湯浅誠:
今日は、川内原発の優先審査決定という報道等についてなんですけれども。 再稼働申請をした原発17基の安全審査のうち、 川内原発がその中で初めて基準に適合する目途が立ったと。 早ければ今年の夏にも再稼働する可能性が出てきたということなんですが、 まず、この川内原発について基本的なところを教えていただいてよろしいでしょうか?
小出さん:
はい。 九州電力という電力会社は原子力発電所を2ヵ所に持っていまして、 初めは玄海という所に造りました。その次に造ったのが川内原発でして、 鹿児島県の今は薩摩川内市という名前になりましたが、 川内川という川が流れている河口の所に建っている原子力発電所です。 1号機が84年、2号機が翌年85年に稼働を始めました。
湯浅誠:
川内原発は「川」に「内」と書いて「せんだい」と読むわけですが、 小出さんは川内原発には行かれたことがあるんですかね?
小出さん:
川内市には何度も行ったことはありますが、原発の敷地の中に入ったことはありません。
湯浅誠:
今回の福島第一原発の事故を起こした型とは同じなんでしょうか?
小出さん:
違うものです。
湯浅誠:
違うものですか?
小出さん:
はい。 東京電力は沸騰水型。 私たちがBWRと呼ぶ型の原子力発電所を使っていたのですが、 九州電力は加圧水型(PWR)という形の原子力発電所を使っていまして、 川内原発もその加圧水型です。
湯浅誠:
川内原発が優先枠に選ばれた、最初にGoサインを出すんじゃないかという所に選ばれた 理由というのは、その型の問題とかも含めて色々あるんでしょうね?
小出さん:
たぶん、色々あると思います。 要するに、今湯浅さんが聞いて下さったように、 川内原発は福島の事故を起こした原子炉とは形が違うということで、 規制委員会としては取扱いがしやすかったんだろうと思いますし、 規制委員会が言っているのは、規制委員会の委員と九州電力との間で 基準地震度そして基準津波というものの想定が一応合意に達したということで、 これならいけるということになったんだと思います。
湯浅誠:
国と電力会社が急ぐのはある意味分かるというか、 そうだろうなって感じなんですけども、自治体ですね。 自治体はかなり、その新潟県知事の言い方と福井県知事の言い方が違うように、 自治体によっては色々と対応の差が出てきてるように思うんですが。
小出さん:
そうですね。
湯浅誠:
この鹿児島県の場合はどうですかね?
小出さん:
えーっと、伊藤知事という方がかなり強力に川内原発の再稼働を要請しています。 ですから、まあ地元の要請があるということも、 たぶん規制委員会としては理由づけの大きなものにしようと思ってるんだと思います。
湯浅誠:
県知事が一生懸命になる最大の理由はお金ですか?
小出さん:
もちろんお金です。 もともと立地をさせられてしまった時も建てさせてくれるならば 「電源三法の交付金が下りますよ」 「固定資産税が下りますよ」 「お金が入りますよ」 という事で、まあ原子力発電所を押し付けられてしまったわけですし、
川内原発の場合も30年も運転していますので、 固定資産税はどんどん減ってきているわけですし、 電源三法交付金もほとんど減っているわけで、 とにかく何とか新しくまたお金が欲しいということが自治体としては、 その所に落とし込められてしまってるのだと思います。
湯浅誠:
そうすると、確か川内原発は3号機の新設をあの東日本大震災の直前あたりに やってたと思うんですが。
小出さん:
そうです。
湯浅誠:
それも予断を許さないというか。
小出さん:
はい。 まあ、安倍さんという人が今首相の座にいて原発再稼働はもちろん、 新規の建設もやると言っているわけですし、 海外に原子力発電所を売るというようなことまで言っているわけですから、 川内原発3号機も新規の建設になるわけですけれども、 やられてしまう可能性もやはりあるだろうと思います。
湯浅誠:
市民の反応はどうなんですかね?
小出さん:
たぶん、みんな不安だろうと思います。 例えば、福島の事故が起きた後にですね関西電力の大飯という原子力発電所が 一時期再稼働したことがあったのですが、 その時、大飯の町民にアンケートを取ったところ、 みんな「事故が不安だ」とほとんどの方はそう言ったのです。
ただ、再稼働に賛成か反対かと問うと、今度は賛成という人は 半分を超えたということだったのです。
つまり、不安だけどもやっぱりお金のためには動いて欲しいという、 そういう引き裂かれた感情になっているんだと思います。
湯浅誠:
厳しいですね。 なんかそれをこう私たちが外から他人事のように偉そうに言えるのか っていうことも他方でありつつ。
小出さん:
そうですね。 非常に苦しい状況に地元が既に追い込まれてしまっているわけですから、 その苦しさを何か別の形で補償できるような仕組みを作らないと、 たぶんますます苦しいところに追い込められていくんだろうと思います。
湯浅誠:
そうですね。 今後、川内原発の審査はどのように進んでいくことになりますか?
小出さん:
はい。 簡単にはいかないだろうと思います。 一応、あのー審査に対する意見も公募しないといけませんし、 公聴会をやるということも必要ですので、一筋縄ではいかないだろうと思います。
特に、その事故が起きるということを まあ新しい規制基準では想定しているわけですけれども。 事故が起きた時の避難ということができるのかというと、 ほとんどの場合はたぶんもうできないと思いますので、
・周辺の自治体がキチッとした防災計画を立てられるかとか、
・交通渋滞が起きた時にどうするのかとかですね、
そういう問題が具体的にクリアできなければ、 やはり住民の不安も拭い去れないでしょうし、 簡単には再稼働というところにはいかないと私は思います。
結局は、社会的な弱者がですね逃げることができないまま取り残される。 そして、いわゆる原発関連死と呼ばれているような形で、 命すら落としていくということがたくさん起きたわけですから、 これからもし再稼働ということになるのであれば、 ほんとに避難ができるのかどうかという事はやはりキチッと考えるべきだと思います。
湯浅誠:
そうですね。 福島でやっぱり震災関連死が直接の地震と津波の被害者数を上回ってるっていうのは、 ほんと深刻に受け止めないといけないのですね。 はい。今日もありがとうございました。
小出さん:
ありがとうございました。
http://www.rafjp.org/koidejournal/no65/
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