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<原発再稼働>「10原発17基」の安全審査の現状は?
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140402-00000011-wordleaf-pol&p=1
THE PAGE 4月2日(水)14時0分配信
原子力規制委員会は原子力発電所の再稼働に向けた安全審査において、九州電力川内(せんだい)原発1、2号機を優先して審査する方針を固めました。夏の電力需要のピーク期に合わせ、それまでには運転再開となる可能性が高まっています。
各電力会社が規制委に安全審査を申請しているのは10原発17基。なぜ、この中から川内原発の審査を優先することになったのでしょうか。また、そのほかの原発の再稼働スケジュールはどのように進められているのでしょうか。
■原発の安全審査は難航
原発の安全審査が始まったのは昨年の7月。当初、審査は「順調なら半年程度」と見込まれ、早ければ昨年末にも稼働を開始する施設があると見られていました。しかし、作業は難航し、いまだ安全審査をクリアした施設はありません。
時間がかかる理由の1つは、新規制基準で強化された地震・津波想定に対する事業者側(電力会社など)の対策不足があります。想定される地震の揺れ(基準地震動)を東日本大震災前と同じ数値に設定するなど対策の甘さが目立ちました。一方で、事業者側からは必要な書類を後出しで求められるという声もあるようです 。
こうした安全審査の遅れを受け、規制委は審査中の10原発の中から優先的に審査を進める原発を選別。川内原発1、2号機は審査の主要項目をクリアしていることもあり、優先枠に選ばれました。規制委側には、この審査をモデルケースとして他原発の審査を効率的に行っていく思惑があるとみられます。
■各原発の審査の状況は
では、残りの9原発の審査は現在どのようになっているのでしょうか。個別に確認してみましょう。
■伊方原発 3号機(四国電力、愛媛県)
地震や津波の心配が少なく、審査の進捗は川内原発に続くといわれている。ただし、3月14日午前2時7分ごろには、愛媛県で震度5強の地震が観測された。
■玄海原発 3、4号機(九州電力、佐賀県)
九電は地震想定を引き上げたものの、大幅な耐震補強工事の必要はないと提示。規制委側はおおむね妥当との認識を示している。
■大飯原発3、4号機(関西電力、福井県)
地震対応をめぐり関電と規制委の主張が平行線。今夏の再稼働は厳しい状況といわれている。
■高浜原発3、4号機(同)
津波対策に不備があるとされ、審査が一時保留に。関電は、3月末までに防潮施設を予定より前倒しで完成させるとしている。
■泊原発1、2、3号機(北海道電力、北海道)
1、2号機の重大事故時の解析に3号機のデータを流用し、審査が一時保留に。一方、3号機は原子炉格納容器の冷却設備に不備があり、数か月かかる工事が必要となった。
■柏崎刈羽原発6、7号機(東京電力、新潟県)
重大事故対策としてフィルター付きベント(排気)装置を義務付けられているほか、断層問題で審査進まず。
■島根原発2号機(中国電力、島根県)
県庁所在地に立地し、万一の際の避難が難しいとされている。日本海にある活断層について、再度の調査と解析を求められた。
■女川原発 2号機(東北電力、宮城県)
重大事故対策として、フィルター付きベント(排気)装置を義務付けられている。ほか、津波対策として高さ29メートルの防潮堤の建設を進める計画も。
■浜岡原発4号機(中部電力、静岡県)
2月27日に安全審査の初会合を実施。東海地震の想定震源域内に位置し、さらに南海トラフ巨大地震の想定震源域にあるため、再稼働を懸念する声が相次いだ。
■再稼働と安全対策は
九州電力は優先審査の決まった川内原発について、約3万年前に鹿児島県の姶良(あいら)カルデラで起こった大規模な噴火にともなう火砕流が原発の敷地まで及んでいたとする試算結果を初めて示しました。九電側は「原発の運転中に破局的噴火が発生する危険性は十分小さい」と評価しています。
これに対し、川内原発を視察した福島みずほ参議院議員は、自身のブログで「なぜ九州電力は、そのことを担保できるのでしょうか。自分たちが原発を動かしているときは、そのような事故は起きないと断言できる根拠は全くありません」と記しています。
各電力会社は、再稼働が遅れれば電気料金の値上げを検討するとしています。暮らしや経済への打撃を抑えながらも、安全をどのように確保していくのか。課題は依然として山積みです。
(南澤悠佳/ノオト)
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