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6都県、母乳から放射性物質 国調査より広範囲に 原発事故後半年 [福岡県]
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/f_sougou/article/77531
2014年03月24日(最終更新 2014年03月24日 01時44分) 西日本新聞
2011年3月の東京電力福島第1原発事故直後から約半年、名古屋市の市民団体が東北・関東9都県に住む授乳中の母親356人の母乳を調べたところ、8・1%に当たる6都県の29人から放射性セシウムやヨウ素を検出した。国の研究チームが実施した同様の調査より広範囲で確認されており、識者は「今回の結果を踏まえ、行政は継続的な健康調査をすべきだ」と指摘している。
市民団体は「母乳調査・母子支援ネットワーク」。事故直後から11年9月まで、調査希望の母親を募集し、母乳の成分を民間の研究機関に依頼して調べた。
国の研究チームが11年5〜6月、全国8県108人を対象に実施した母乳の調査で、セシウムを検出したのは福島県の7人だったが、今回は東京、福島、千葉、茨城、神奈川、栃木の6都県24人に上った。甲状腺がんを引き起こすヨウ素は、短期間で崩壊が進むため国の調査では確認できなかったが、今回は福島、茨城、千葉3県の5人から検出された。
県別では、155人が調査対象となった福島の14人(セシウム13人、ヨウ素1人)が最多。セシウムの最高値は福島県郡山市の女性=当時(30)=から検出した1キロ当たり11・5ベクレルだった。国が年間1ミリシーベルトを超えないよう設定した食品基準値は牛乳1キロ当たり50ベクレルで、今回はこれを下回った。
母乳には母親の体内に蓄積した放射性物質と、摂取した食物などに付着した同物質の一部が移行するとされる。国の調査を受け、日本産科婦人科学会などは「授乳を続けても問題ない」との見解を出していた。
同ネットが11年9月から12年3月に実施した東北・関東7県の乳児100人(検査時の平均年齢1歳5カ月)への調査では、37人の使用後のおむつからセシウムが検出された。今回の調査を監修した長山淳哉元九州大准教授(環境遺伝毒性学)は「母乳からの検出は母親が高濃度に汚染されていた証拠で、原発から遠く離れた地域でも食物や水などを通じて被ばくが広がったとみられる。母乳から乳児が被ばくしたとみられ、福島県以外でも母子の健康調査が必要だ」としている。
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