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台湾 「日の丸原発」猛反対
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2014年3月23日 東京新聞朝刊 こちら特報部:[ニュースの追跡]より 俺的メモあれこれ
台湾が「日の丸原発」に揺れている。日本製の原子炉が使われ、台北付近で建設中の「第四原発」が激しい反対運動に見舞われているのだ。現地の市民団体幹部は「ストップさせるためには海外の協力が必要。より関心を寄せてほしい」と訴える。(上田千秋)
◆現地の市民団体 「日本人はリスクを世界に発信して!」
「このまま稼働を許せば、福島のような事故がいつ起きてもおかしくない状況になってしまう」。台北市に拠点を置く市民団体「緑色公民行動連盟」の洪申翰事務局次長(29)は、「こちら特報部」の取材に表情を曇らせた。
洪氏は今月中旬、日本の市民団体の招きで来日した。東京や川崎の講演では、台湾の現状を説明するとともに、市民団体関係者らに連携を呼び掛けた。
台湾で問題となっているのは、北部・新北市に建設中の第四原発。米ゼネラル・エレクトリックが受注し、原子炉は日立製作所と東芝、タービン発電機は三菱重工が製造した。日本企業による原発輸出の第1号で、現地では「日の丸原発」とも呼ばれる。
1999年に着工した同原発は当初、2004年に稼働予定だった。建物はほぼ出来上がっているものの、完成は遅れている。洪氏によると、コスト優先のズサンな工事が横行し、電源喪失したり、火災が起きたりといったトラブルが相次いでいるからだ。
それだけではない。新北市は台北市からわずか40キロしか離れておらず、周辺は人口密集地域。東側100〜200キロの地点には海底火山も存在する。台湾は「日本同様、地震の多発地帯なのだ。洪氏は「すでに稼働している他の3つの原発と比べても、第四の危険性は際立っている。今までは原発を容認していた人も、第四には反対している」と解説する。
反対運動は計画が浮上した80年代からあったが、福島事故後いっそう盛んになった。洪氏の団体などが昨年3月に企画したデモには20万人以上(主催者発表)の市民が集まり、抗議の声を上げた。洪氏は「長年にわたる運動の積み重ねと、多くの人の脱原発への思いが大規模デモという形になった」と振り返る。
その後も流れは変わらず、世論調査では60〜70%の人が第四原発の建設中止を望んでいる。ところが台湾政府は方針を変えず、今夏にもウランを使った臨界実験が実施されるとささやかれる。
◆日本だって再稼働へ 推進派の根拠に
台湾政府が稼働に突き進もうとする根拠の一つは、日本の動きだという。洪氏は「馬英九総統は『事故を起こした日本でさえ、原発は安全だとして再稼働させようとしている。どうして台湾でやめる必要があるのか』と話している。安倍政権の姿勢が、台湾の原発推進勢力に利用されている」と批判する。
福島事故から3年たった今年3月にも、大規模なデモが台湾各地であった。ただ洪氏は「脱原発は、台湾だけで完結できる問題ではない」と説く。
「原発は輸出入され、国境を超えた輪ができている。自国だけでなく他国の動きにも反対の声を上げるべきだ。特に福島事故を経験した日本人が、原発が抱えるリスクを世界中に発信していってほしい」
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