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株式日記と経済展望
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「NHKスペシャル メルトダウン」 大量の放射性物質がどのように放出されたか?
大量の放射性物質は2号機から出たが、ベントに失敗し格納容器は破損された。
2014年3月18日 火曜日
◆NHKスペシャル メルトダウン File.4 放射能"大量放出"の真相 を見てました。速記メモ。 3月16日 Fallen Physicist, Rising Engineer
http://sci.tea-nifty.com/blog/2014/03/nhkfile-08d1.html
このシリーズももう4回目。大量の放射性物質がどのように放出されたかの特集でした。
http://www.nhk.or.jp/special/detail/2014/0316/index.html
では速記メモ。
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世界最悪レベルの事故から3年。どのように放射線物質が放出されたのか、まだ明らかになっていない。モニタリングポストに3年間残っていたデータがあると初めてわかった。WSPEEDIによるシミュレーションでも検証する。原発にも死角があった。ベント操作で飛散したのか?SAMPSONによるシミュレーションでどのように格納容器が破壊されたのかも見る。再現ドラマもあり。とここまでがイントロ。
福島 双葉町にはまだ住むことができない。今も未解明な問題は様々にある。
事故を振り返る。放射線量が多かった2号機が水素爆発していない。なぜか?
1号機と3号機はメルトダウンして水素爆発が起きたのに。
大量放出の原因はなにか?
2号機の中央制御室。手書きで原子炉の水位が書かれている。ベントのレバーの操作ができなかった。格納容器、原子炉の中でメルトダウンが始まると圧力が上がり、一気に破裂する可能性がある。そこでベントで蒸気を抜く。しかし2号機だけがベントができなかった。
SAMPSONでシミュレーションする。と思ったら再現ドラマが始まった。
中央制御室の指揮をとっていたのは免震重要棟。ベントの指示をだした。全ての電源が失われた2号機中央制御室。非常用電源を使ってベントをしようとしたが、圧力は下がらない。空気圧がたりない。現場が疑ったのはAO弁とよばれるバルブ。外から空気を送り込むことで開く。バルブをあけるための空気が足りないのではないか。現場に復旧班が向かう。放射線量は高くない。原子炉建屋の中にベントがある。直接現場にいくしかない。建屋には2重の扉が備えられている。そして入る。放射線量を確認しながら進む。原子炉から10mの距離。バルブに空気を供給するボンベがある。ベントのAO弁用空気ボンベを確認。空気圧問題なし!あ、これが問題じゃなかった。じゃあ一体なぜ圧力が下がらないのか。
ベントできてない。みんなで設計図を確認する。バルブ自体が故障しているならすぐには直せない。またSAMPSONによるシミュレーションで、原子炉内部が悪化していることを示す。
最後の手段が残されていた。予備のバルブ。それも原子炉建屋の中に。再び現場に戻る復旧班。入ると、、、事態が一変していた。放射線量がもう人が入れないことに。一瞬で数ミリシーベルトの放射線量を浴び、蒸気に包まれていた。
当時の福良ユニット所長にインタビュー。現場から報告を受けていた。
メルトダウンで大量の放射線が出始めていた時間には、しかしこの段階では圧力は設計を超えていないので、放射線は漏れないと考えられていた。なぜ放射線が漏れたのか。
そこで専門家と探る。
まず格納容器そのものではなく、その外側にある設備、RCIC(非常用冷却装置)が疑われた。電気が無くなっても蒸気でタービンを回すもの。タービンには原子炉の蒸気が流れ込む。しかしタービンの軸のパッキンは4重。本当に漏れるのか。
流体工学の専門家が調べる。RCICと同じ構造を作って、蒸気を流し込む。圧力も事故と同じにして。おっと漏れてる。。。だめじゃないか。。。ファインマンさんのスペースシャトル事故のOリングを思い出した。
なぜ漏れた?RCICには死角がある。パッキンの間には隙間があって、蒸気が漏れてきたら吸い出すようにしていた。が、、、それが電気で動いていた。だめじゃないの、、、
対応した人も今見返したらその可能性もあるとコメント。
その後さらに最悪の状態が、、、圧力に耐圧容器が耐えられなくなってきた。白い蒸気が2号機から上がる。
11930マイクロシーベルト!が漏れている。東京渋谷でも通常の2倍の放射線量。
さらに、、、1号機。格納容器はどこが壊れたのか。調査が始まっている。
遠隔操作するボートを使う。格納容器のすぐ外側に投入。配管から漏れだす汚染水を見つけた。量を見ると、予想よりも深刻な状況にあると。コンクリートに覆われた格納容器の下の部分が怪しい。壊れにくいと言われていたのに。
構造解析の専門家に加わってもらうと、、、SAMPSONシミュレーションでは原子炉の下のコンクリート部分に核燃料が集まり、あふれ、壁に流れ出す。しかし壁から1mのところで止まった。直接触れていないのに壊れるのか。熱の影響を見ると、格納容器の壁は600℃まであがり、熱膨張が問題になる。材質が異なるコンクリートの継ぎ目に大きな力が。そこが破壊される。
漏れやすいのは配管のつなぎ目やフタだと思われていたが、直接触れなくても壁が壊れうるとは東京電力にも知らせる。対策はしていくと。
しかしまだ2、3号機の調査はこれから。
また双葉町 上羽鳥。放射線量が高い場所があり、防護服を使用してレポート。
貴重な手掛かりを見つけた。放射線量を記録するモニタリングポスト。3年も放置されていた。そのデータを解析する。ALOKA Monitoring postって書いてあるな。
Excelで解析してる。。。
急激に放射線量がピークに。4.6ミリシーベルト/時。1号機のベント時間。
WSPEEDIによるシミュレーションと比べる。北西に移動、上羽鳥を通過し、そのデータはモニタリングポストの値を再現した。
しかし当時は問題ないレベルと東京電力は説明していた。
ベントのところにサプチャン(圧力抑制室)があり、放射線物質を0.1%に減らせるとしていた。イタリアのSIETという実験施設をたずねる。
どんな構造?サプチャンに見立てた水槽に配管で蒸気を送り込む。ミラノ大学の先生が説明。ハイスピードカメラで見ると、蒸気が一瞬で熱を奪われ、水に。で泡が消えたように見える。蒸気が水に変わる瞬間、放射性物質は水の中に。しかし、、、1号機のサプチャンでは異常事態があったのでは?別の部分から蒸気がながれだし、温度成層化、つまり上があつく下が冷たくなっていた可能性が。また実験施設で見てみる。。。
すると大量の泡になって蒸気が水面まで上がる。放射性物質も一緒に放出される。
水温が低い時は0.1%、高いと50%も漏れる。。。
そこで電力会社6社にアンケートを送った。新たな装置を取り付けるとはしているが、、、詳しいことは説明されない。
原子力規制委員会にも聞いた。見落とし、欠けがあるのは問題。だができるだけ努力はした。継続的な改善は続けていかないといけない。
(私のコメント)
福島の第一原発災害から3年が経ちましたが、原因の解明はまだ途中であり、巨大な原発のシステムは実際に起きてみないと欠陥が分からないような複雑なシステムであることが分かった。ベントのためのバルブの操作も電気が無ければ操作できず、1号機と3号機は何とかベントできたが、2号機はバルブが故障して動かなかった。
補助バルブを開けようとしたがその時には建屋内部は放射能が異常に高くなり建屋にも入れなくなった。そうこうしているうちに格納容器の一部が壊れて、放射性物質で汚染された蒸気が外部に漏れだし、東北から関東近県一帯を汚染させてしまった。つまり2号機のベント失敗による格納容器の破損による漏れが一番の原因らしいことが分かった。
1号機と3号機の水素爆発でも一時的に放射能汚染が拡散しましたが量的には限定的なものであり、2号機から漏れた放射能汚染された水蒸気が大量の放射能汚染をもたらした。つまり2号機のベントに成功していれば放射能汚染はもっと規模の小さな汚染で防げたのかもしれない。
2号機の格納容器は20ミリの厚い鋼板であり簡単に壊れるものではなりませんが、メルトスルーした核燃料が底のコンクリートに貯まり、格納容器の鋼板が熱せられて破断しやすくなっていて破損したらしい。そこから汚染された水が外部に流れ出して大気中に拡散して放射能汚染が東北から関東一帯を汚染させた。
1号機と3号機はベントされたから何とか海水を注入させることが出来ましたが、2号機はベントに失敗して海水を注入させることも出来ず、格納容器内は異常な高温になり、格納容器自体が高温になり一部が破損して高濃度の汚染水が外部に流れて水蒸気となって大気中に流れた。
ベントするための開閉操作は圧搾空気を用いた大がかりなものであり、電動式で電気が無ければ作動しないものだった。手動ハンドルで動かせなかったのかと以前にも書きましたが、非常に大がかりなバルブなので電動でないと動かせないらしい。バッテリ電源で開けようとしたが圧搾空気が出なくてバルブが動かなかった。
建屋内部の汚染はRCICのパッキンからの漏れであり、漏れ出た水蒸気は電気で吸い出される構造になっていましたが停電で働かなかった。それは建屋内部に充満して作業員は入れなくなり予備のバルブも動かせなくなってしまった。その時点で2号機は万事休すで格納容器は大爆発して拡散される可能性もありましたが、格納容器の一部が破損してそこから汚染水が流れ出た。
原子力発電所でベント作業すること自体が非常事態であり、作動点検などほとんど行われてこなかったのかもしれない。やったとしても電動開閉作業であり手動での開閉作業は想定外だったのだろう。原子力発電所の安全対策は何重にも打たれていましたが、津波で水没する事は対策が打たれなかった。
原子力安全保安院が津波対策を指摘していたが、東電の勝俣会長は聞いていないと恍けてしまった。この事は東電の経営体質に問題があるのであり、監督官庁も東電には頭が上がらず指摘事項も無視するなどの驕りが事故を招いてしまった。普通の火力発電所なら津波が来ても壊れるだけだが原発は東日本全体を人の住めない地帯にするような被害をもたらす。
国も東電も誰も責任を取るつもりはないようですが、だれが責任者なのかもわからない運用そのものが問題だ。これはシステム上の問題であり、専門家たちも原発の事が分からない人が責任者となり、現場から問題を指摘しても途中でうやむやにされてしまう。結局は大災害になって初めて欠陥が分かり、事前の予防対策は放置される。
「株式日記」では軽水炉型の原子炉そのものが欠陥であり、制御棒を入れても自然停止する事が出来ず、常に水を循環させて冷やさないとメルトダウンを起こす事故が起きる。4号機の水素爆発の例がいい例ですが、燃料プールの燃料棒も水で冷やし続けないとメルトダウンを起こす。
軽水炉型の原発は寿命が来たら廃炉にして、超高温ガス炉などの第四世代原子炉に切り替えて行くべきだろう。超高温ガス炉は自然停止のテストも東海村で成功している。しかし政治的な制約もありアメリカの原子力産業の都合もあり軽水炉が使われ続けてきた。海岸線に立地した原発はミサイル攻撃などの脆弱性もあり、地下深くに設置が出来る超高温ガス炉などに切り替えて行くべきなのだ。
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