http://www.asyura2.com/14/genpatu36/msg/769.html
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3月14日伊予灘でM6.2の地震が起こった。震源深さが80キロ程度だということなので、伊方原発からは100キロ程度は離れていたと言っていいはずだ。そのせいか、伊方原発1号機では56ガルを観測したという。
今日本にある原発のほとんどは600ガル程度の揺れには耐震性があるとされているので、56ガルなら軽くパスすることが出来る程度の揺れでしかない。
しかし、直下型の地震の時、かなり大きなガルを観測している。
岩手・宮城内陸地震
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B2%A9%E6%89%8B%E3%83%BB%E5%AE%AE%E5%9F%8E%E5%86%85%E9%99%B8%E5%9C%B0%E9%9C%87 より部分引用:
2008年(平成20年)6月14日(土)午前8時43分(JST)頃に岩手県内陸南部(仙台市の北約90km、東京の北北東約390km)で発生した、マグニチュード7.2(気象庁暫定値)の大地震。同県奥州市と宮城県栗原市において最大震度6強を観測し、最大加速度は次のようになっている。
地震計や電子基準点などにより観測された、主な地震前後の変位(観測地点の移動)を以下に並べる。
一関西(岩手県一関市、震源に最も近く最大加速度4022ガルを観測した地点) - 地震波形から推定される変位153cm(合成値、分解すると東方向に45cm、北方向に44cm、上方向に140cm)、地中観測から推定される変位130cm(同、東方向に28cm、北方向に60cm、上方向に112cm)。観測データの上方向の加速度は下方向の2.5倍で、加速度の絶対値も3866ガルと特異的な値であった[23]。また、地震により観測点が1メートル以上移動していた[24]。
電子基準点(岩崎観測点基準、小数第1位で四捨五入)[25]
栗駒2 - 東方向94cm、南方向116cm、上方向210cm
栗駒 - 西方向15cm、北方向13cm、下方向2cm
皆瀬 - 東方向28cm、南方向9cm、下方向2cm
東成瀬 - 東方向21cm、南方向13cm、下方向1cm
雄勝 - 東方向10cm、南方向2cm、上方向1cm
湯沢 - 東方向8cm、南方向4cm、上方向0cm
水沢1 - 西方向8cm、北方向5cm、上方向3cm
平泉1 - 西方向15cm、北方向3cm、上方向1cm
岩手川崎A - 西方向7cm、北方向2cm、上方向0cm
この一関市の観測点が最大加速度を記録した理由は、「観測点が断層の真上にあったため表層付近の地盤が大加速度の入力により弾性限界を超え、部分的に粒状体的な振る舞いをした為」と考えられ『トランポリン効果』と命名された[23]。なお、この加速度は自由地盤(地表そのまま)の加速度を記録しているのではなく、観測施設の構造上の特徴によりロッキング振動を生じ浮き上がった観測施設(建物)が地面と再接触した際の衝撃力の影響を受けた波形を記録していた[26]と、解析されている。また、ロッキング振動の影響がなければ、上下動最大加速度は1.6G程度であったとされている[26]。
ロッキング振動とは、ブロック型構造物が両端を中心に回転運動を繰り返す振動。
以上部分引用終わり。
上の文章で「ロッキング振動の影響がなければ、上下動最大加速度は1.6G程度」としているが、はたしてロッキング振動であったのかどうか、確認されていない。つまり、現実に地面が4000ガル程度で揺れていた可能性があるのだ。更に重要なことに、「上下動最大加速度は1.6G程度」としているが、1Gは980ガルなので、1.6Gは1500ガル程度になる。つまり、ロッキング現象が起こっていたとしてそれを割り引いた加速度でさえ1500ガルなのだ。上の文章は「上下動最大加速度は1.6G程度」というようにGという単位を出すことでガル換算を避けて、トランポリン効果で大きくなっただけだという誤解を誘導している。そして、「上下動最大加速度は1.6G程度」ということは実際の揺れは水平方向の揺れも加わることからより大きくなっているわけで、トランポリン効果を除いて考えて、1800ガルとかになっているはずなのだ。これは通常の原発の耐震性の3倍程度の揺れとなってしまう。
岩手・宮城内陸地震は震源の深さが8kmで、M7.2だったから、1800ガルという大きな揺れになるのだと考えることもできる。しかし、地震は結構複雑なのだ。
そこで、新潟県中越地震を見てみよう。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E6%BD%9F%E7%9C%8C%E4%B8%AD%E8%B6%8A%E5%9C%B0%E9%9C%87 より部分引用:
新潟県中越地震は、2004年(平成16年)10月23日17時56分に、新潟県中越地方を震源として発生したM6.8、震源の深さ13kmの直下型の地震である。
http://www.jma.go.jp/jma/press/0412/24a/kyoushinhakei.pdfには、「平成 16 年(2004 年)新潟県中越地震の地震活動では、たびたび大きな震度が観測され
ましたが、10 月 23 日 17 時 56 分に発生した本震(マグニチュード 6.8)では、新潟県が設置した川口町の震度計により、平成 8 年の震度計の全国展開後はじめて震度計によって震度7が観測されました。また、10 月 23 日 18 時 34 分に発生した最大余震(マグニチュード 6.5)では川口町で強震観測史上最大値となる最大加速度 2,515 ガル(震度6強)が観測されました。」と書かれている。
ここで重要なことは、「最大余震(マグニチュード 6.5)では川口町で強震観測史上最大値となる最大加速度 2,515 ガル(震度6強)が観測されました」と書かれていることだ。M6.5程度で2500ガルもの揺れが観測されたということだ。
岩手・宮城内陸地震は震源の深さが8km、M7.2で、1800ガル。しかし、新潟県中越地震の最大余震ではM6.5で2500ガルというのはおかしいのではと思うかもしれない。
しかし、ガルというのは地震計が観測した値であり、当然、地震計が設置されていないとどんなに大きな揺れがあってもそれは記録として出てこない。つまり、震源の真上とか、または震源がある岩盤の続きが地表面に続いている場所などに地震計があれば、その地震の最大の揺れがはっきり分かるが、大概の場合、最も近くの地震計は震源から十キロ程度は離れているので、現実の最大の揺れと観測された最大の揺れとは違うのだ。
しかも、震源深さが20キロか10キロかで相当に震源真上の揺れは異なってしまう。また、震源からの距離が同じであってもその地震計が設置されている地盤の様子によって揺れ方は異なる。
最近やっと気が付いたのだが、地震が起こったとき、震度だけでなくて、各観測点のガル、つまり、加速度の大きさだが、それも一緒に公表したらどうだろうか。全ての観測点でガルの値を公表するのが大変であれば、最大のガル値とその地震計が震源からどの程度離れていたかを公表されたらどうだろうか。
日本全国で最初に再稼働に向かうとされている鹿児島県の川内原発は基準地震動、つまり、ここまでの揺れなら耐震性があるという揺れの大きさをそれまでの540ガルから620ガルにしたので、規制委員会がOKを出しているのだという。確かに、80ガルも耐震性が強化されたのだから、それなりに安全性が改善されたのは確かだとは思う。しかし、上に見たように、マグニチュード6.5程度の地震であっても原発の真下、または、近くで起これば、2000ガル程度の揺れにはなってしまうのだ。
なお、基準地震動とはその大きさの揺れが一回起こったときの影響を見て耐震性があると判断することになっている。現実には揺れが何分間もまたは何回も続くことがあり、こういった場合については考慮されていない。
更に、今までガルと言う数値を絶対的なデータのように使ってきたが、現行の地震計は高周波、つまり、短波長の揺れについては観測ができないことが確認されている。つまり、瞬間的に1000度を超える高温になっても平均的な温度である500度しか測れないという温度計があったら、それで温度を計測し、原発の管理をするのはおかしいと多分誰でも思うはずなのだが、地震計については、瞬間的な揺れは世界中で観測しないでいいことになってしまっているのだ。1995年の阪神大震災ではこの衝撃的な揺れで鉄筋コンクリート建造物が大きな被害を被ったはずだという指摘が大阪市大の専門家の方によりされている。
http://bousai.tenki.jp/bousai/earthquake/detail-20140314020702.html
発生時刻 2014年3月14日 2時6分頃
震源地 伊予灘
最大震度 震度5強
位置 緯度 北緯 33.7度
経度 東経 131.9度
震源 マグニチュード M6.2
深さ 約80km
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140314-09133501-ehime-l38
西予で震度5強 県内被害状況
愛媛新聞ONLINE 3月14日(金)17時39分配信
西予で震度5強 県内被害状況
【写真】崩れた屋根によって破裂したと思われる水道管=14日午前4時半ごろ、西予市三瓶町蔵貫
14日午前2時6分ごろ、愛媛県内で強い地震があり、西予市明浜町、同市三瓶町で震度5強を観測した。県内で震度5強以上を観測したのは2001年3月24日の芸予地震以来。
松山地方気象台によると、震源地は伊予灘で震源の深さは78キロ、マグニチュード(M)は6.2と推定される。
県原子力安全対策監によると、定期点検中で停止中の四国電力伊方原発(伊方町)では、1号機の地震計で最大加速度56ガルを観測した。午前6時20分に四電から「原子炉施設など全ての設備で異常がないことを確認した」との連絡を受けた。
県災害警戒本部の午後1時現在のまとめなどによると、松山市小坂5丁目のビルでエレベーター内に男性(21)が一時閉じ込められ、過呼吸で救急搬送された。
西予市と伊方、鬼北、愛南各町の計6カ所で水道管が破裂したほか、八幡浜市と伊方、鬼北両町の計78戸で一時断水した。
土砂崩れや落石による道路の通行規制も相次ぎ、久万高原町久万の町道と西予市宇和町永長と同市明浜町高山の市道2カ所が通行止めとなっている。
愛媛新聞社
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