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原発エネルギーは本当に「低廉」なのか 驚きの検証結果〈AERA〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140313-00000011-sasahi-bus_all
AERA 2014年3月17日号より抜粋
原発によるエネルギーを「低廉」だと位置づける政府。実際のところはどうなのか、検証した。
原発神話の重要な筋書きのひとつが「安さ」だった。経済性は原発推進の動力源に使われてきた。しかし東京電力福島第一原発事故で、神話は崩れた、はずだったのだが、再び政府は原発を「発電コストが低廉で、安定的な」ベースロード電源と位置づけ、再稼働へとひた走る。
確かに原発停止に伴い火力燃料の輸入が急増した。経済産業省は、2013年度のLNG(液化天然ガス)や石油などの燃料費は震災前より3.6兆円増えると予測し、「国富は流出し、貿易収支が悪化」と警告する。燃料費の抑制は緊急の課題だ。だが、目先の危機回避のために原発の発電コストは「低廉」と断言していいのだろうか……。
コストを再検証してみよう。民主党政権下の11年12月、有識者によるエネルギー・環境会議の「コスト等検証委員会」は、電源ごとに想定したモデルプラントで発電単価を出した。事故リスク対応費や税金の政策経費、環境対策費など従来は考えなかった要素も対象にしたところ、原子力の1キロワット時当たりの発電単価は、8.9円以上(12年に9円以上と修正)となった。
04年の資源エネルギー庁の試算より3円もはね上がった。便利なことに内閣官房のホームページに載っている「発電コスト試算シート」を使えば、為替レートや燃料価格の変動を「すぐにアップデートできる」(松村敏弘東京大学教授)。エネルギー分野の専門家に、試算の修正を依頼した。IEA(国際エネルギー機関)の「WorldEnergy Outlook 2013」から概算してもらうと、注目すべき結果が出た。
原発は下限ですら10円以上。どこまで上がるかわからないのだ。この2年間に東京電力の要賠償額見通しは約1兆円から約5兆円、除染費用は中間貯蔵施設の建設費も含めて1兆1500億円から3兆6千億円、廃炉費用は1兆円が2兆円に増えた。放射性廃棄物の最終処分費用は見通せない。また、遠隔地の原発から大都市へ電気を送る電源線費用などは除外されている。
原発の発電単価は1兆円の経費増で0.1円上がる。事故リスク費用は、保守的にみても10兆円程度、追加されよう。石炭火力より高くなった原発を「低廉」と言うのは無理がある。
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