http://www.asyura2.com/14/genpatu36/msg/650.html
Tweet |
3年ぶり再開 常磐道「原発20キロ圏」終点まで行ってみた
http://gendai.net/articles/view/life/148513
2014年3月7日 日刊ゲンダイ
閉鎖したコンビニ付近には人っ子ひとりいない/(C)日刊ゲンダイ
東電福島第1原発事故発生以来、放射線量が高くて立ち入りができなかった常磐自動車道「広野⇔常磐富岡」間(約16.4キロ)が先月22日、ほぼ3年ぶりに再開通した。
常磐道は三郷JCTから千葉・茨城県内を北上し、福島県いわき市に入る。ここで東北道方面につながる磐越道と分岐(いわきJCT)、さらに北へ。3つ目が広野IC。
東京からの距離は200キロ弱。ここより北は原発から20キロ圏内にスッポリ入り、絶望的な放射能汚染で現在も全町避難が続くエリア(楢葉町、富岡町、大熊町、双葉町など)。JR常磐線も広野駅止まりだ。終点の常磐富岡ICから福島第1原発まで10キロ足らず。目と鼻の先だ。
再開通で何が変わったのか。放射能は心配ないのか。先週土曜日、常磐道を北へ向かった――。
■電光掲示板が映す放射線量
AM10:45ごろ、いわき中央ICを過ぎると、常磐道は対面通行に。制限速度も70キロに。いわきJCTで半減した交通量が再びガクンと減る。前後を走る車はいない。対向車1台とすれ違った。
間もなく、右手に煙を吐く3本の煙突が。広野火力発電所だ。ひとまず、広野ICで高速を降りると、料金所横に電光掲示板が。「富岡IC手前4キロ地点の放射線量 2.90マイクロシーベルト/h」と、不気味な光を放っていた。
ICから国道6号に出ると一般車が走っている。コンビニもラーメン店も営業中。GSのレギュラーガソリンの価格は154円だ。人が暮らし、商店も営業中。普通の田舎町の光景ではないか。同町役場近くの線量計の値は「0.119マイクロシーベルト/h」だった。
■放射能廃棄物の山
再び、広野ICから富岡方面へ。上下線とも車両の数はまれだ。「富岡町」の標識を過ぎると、周囲の風景が一変した。
遠くに見える農地や山々は寒そうで寂しげ。一面、台形に土を盛ったような形でグリーンシートで覆われた田んぼが点在する。これが、除染した土や木など放射性廃棄物の山なのだろう。高速から中身は確認できないが、右にも左にも…。
間もなく高速の終点だ。近くの瓦屋根のてっぺんに白いシート。重しで押さえている。人が住む気配はない。それもそのはず、辺りは去年まで警戒区域。人は自由に出入りできなかった。現在も富岡町の約9割が帰還困難地域か居住制限区域で定住者はいないのだ。
■変わり果てた故郷
実際、富岡IC周辺は、料金所周辺にも、コンビニ前の交差点にも人っ子ひとりいなかった。コンビニは閉鎖され、民家の門は朽ち、2階の障子はボロボロ。原発事故から時間が止まっているかのよう。見ているだけで、むなしさが広がる。
時折、工事車両とおぼしきダンプカーが通り過ぎるが、犬や猫の姿もないし、鳥のさえずりさえ聞こえない。まるでゴーストタウンだ。遠くに土木工事作業員が数人いたが、全員が白いマスクを着けていた。
農道の左右に何枚も田んぼが続く。しかし、3年間放置したそれは、1メートルほどに伸びたアシの原っぱ状態。これが自然豊かな我が故郷だとしたら、変わり果てた姿に住民は絶望するしかない。
8日に福島県を訪れる予定の安倍首相。この光景を目の当たりにして、どんな言葉を発するのか。
▲上へ ★阿修羅♪ > 原発・フッ素36掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。