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(映画レビュー)生きものの記録 [VHS]
三船敏郎 (出演), 黒澤明 (監督) | 形式: VHS
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5つ星のうち 5.0
核戦争を主題にした最良の映画--核の時代のリア王
2005/8/9
By 西岡昌紀
アメリカの映画評論家ジョウン・メレン(Joan Mellen)は、この映画(「生きものの記録」)を「核戦争を主題にした最良の映画」と呼んで居る。私も同感である。そして、この映画は、黒澤明監督の最高傑作であると、私は、思ふ。--この映画には、核戦争の場面は登場しない。『渚にて』の様に、放射能によって、人々が死んで行く描写も無ければ、『博士の異常な愛情』の様に、核のボタンを握る権力者を風刺したりもしない。ただ、放射能の恐怖に怯える老人と、老人のその恐怖を理解しない家族の間の断絶を、描くだけなのである。だが、その老人と家族の間の断絶こそが、核の問題の本質である事を、黒澤明監督は、白黒の映像によって、見事に描いて居る。即ち、核戦争から、自分の愛する家族を守りたいと思ふ老人と、そんな事より、工場を経営し、生活して行く事に追はれる彼の家族の間の断絶こそが、人類が、核から解放される事が出来無い理由である事を、黒澤明監督は、描いて居るのである。我々を核と原子力に縛りつけて居るのは、我々の生活である。生命が大切な事は、わかって居る。だが、生活が有るから、我々は、核と原子力から逃げて、何処かに行くと言ふ事が出来無いのである。それが、老人の子供たちが、老人に付いて行こうとしない理由なのである。そして、この単純な現実を直視する事が、いかに恐ろしいかを、この映画は描いて居るのである。言ひ換えるなら、この映画は、核の問題を取り上げる事で、人間の自由の問題を語って居るのであり、そこに、この異様な作品の秀逸さが有ると言へる。(私は、黒澤明監督は、この映画の物語を、「リア王」から着想したのではないか?と、思って居る。)--チェルノブイリ原発事故を経験し、核拡散の懸念が深まる現在、この映画が、多くの若い日本人に見直される事を望む。
(西岡昌紀・内科医/長崎に原爆が投下された日から60年目の日に)
http://blog.livedoor.jp/nishiokamasanori/archives/7127403.html
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