http://www.asyura2.com/14/genpatu36/msg/568.html
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今回は被ばく患者の激増と今後の医療について考えてみた。
10年ほど前から、日本では医療崩壊が大きな問題になっている。
医師・医療スタッフの不足、医療費抑制政策、過大な安全要求、医療過誤・訴訟などにより、
医師の士気低下、長時間労働、病院経営悪化などが生じ、医療現場は著しく疲弊、安定的・
継続的な医療提供体制が成り立たなくなっていると指摘されている。
日本の医師・看護師は、一人当たり米国の5倍の入院患者を受け持ち、外来では8倍の患者を
診察しており、多忙、過労でいつ医療事故が起きても不思議でない状況にあると言われている。
http://www.mfukuda.com/koramu/iryouhoukai.htm (これからの医療のあり方)
そこに福島原発事故が起きてしまった。
すでに疲弊している医療現場に、これまでの数倍、数十倍の被ばく患者が殺到したらどうなるか。
まず医師が絶望的に不足する。
白血病、がん、心筋梗塞、脳出血、脳梗塞などの治療ができる高度な技術・知識のある専門医が
全く足りず、患者は長期間、治療や手術を待たされる。待っている間に亡くなる人も続出する。
過労で倒れる、亡くなる先生や看護師も出てくるだろう。
新たに医者を育成するとしても10年以上かかる。とてもすぐには間に合わない。
無菌病室などの設備や輸血用などの製剤・製薬も不足する。これも長い長い順番待ちとなる。
そして医療費が跳ね上がる。保険料は大幅に値上げされるか、保健の適用範囲が著しく狭められ
大半は自己負担となる。病院はお金のある人だけを受け入れるようになるだろう。
年金制度は、多数の若年・中年労働者が少数の高齢者を支える仕組みであったが、
現実には高齢者が激増して崩壊の危機にある。
同様に、健康保険制度も多くの健常者が少数の病人を支えるという前提があってこそ成り立つ。
病人が激増すれば、制度そのものがあっという間に崩壊するのだ。
米国では、医療保険が高額で、お金のない人は無保険、まともな医療が受けられない。
数年前に米国の医療制度を批判したマイケル・ムーア監督の映画「シッコ」が話題になった。
治療費が払えずに街頭でゴミのように捨てられる女性患者、作業中に指を二本落としてしまい
何百万円もかかる接着手術を諦めた男性など悲惨な例が紹介された。
これを太平洋の向こう側の話だと思っていたらとんでもない。すでに日本でも始まっているのだ。
一昨年NHKで衝撃的な番組が放送された。
「クローズアップ現代-『もう病院で死ねない』 - 医療費抑制の波紋」 (NHK 2012/5/29)
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3205.html
「クローズアップ現代-『もう病院で死ねない』 - 在宅医療の名の虐待」
(世を倦む日日さんのブログ 2012/5/301)
http://critic5.exblog.jp/18368577/
さらに介護保険の改悪も進んでいる。
「介護保険、利用者負担2割に 改正法案が閣議決定」 (けあNews 2014/2/14)
http://www.caretomo.com/carenews/237
政府による医療・介護費抑制のため、自宅生活が難しい高齢者でも、どんどん強制的に
退院させられているのだ。
お金のない人には治療はできません、自宅で勝手に死んで下さいということだ。
こういった切り捨てが高齢者だけでなく、被ばく患者を含めた全患者に拡がるのは時間の問題だろう。
高額な治療費が払えない人は、容赦なく病院から追い出される。
治療どころか、正しい診断すらしてもらえない可能性もある。
(未確認情報であるが、無菌室が一杯で治療ができず、明らかに白血病であっても
医師がそう診断しないケースがすでにあるらしい)
入院できず、自宅で天井を見つめ、苦しみながら死んでいく人が続出するだろう。
白血病の治療費は数百万円、長期間の治療なら1千万円を軽く超える。
現在は高額療養費制度によりかなりの額がカバーされるが、それでも自己負担は
百万円を超えるのが当たり前だ。
もし、こういった補助制度が無くなり大半が自己負担になったら、われわれ庶民はとても払えない。
治療を断念する人が急増、助かる命も助からなくなる。
しかも、被ばくで体がガタガタになれば、一人でいくつも病気を抱え込むのが普通である。
家族が二人、三人と倒れることもあるだろう。
かなりの資産があっても、ばく大な医療費の支払いで、あっという間に無一文になるだろう。
米国では個人破産の6割は高額な医療費が原因だそうだが、日本もそうなるであろう。
そんな心配はご無用、患者が急増することはない、大丈夫、と言う超楽天的な人がいたら、
次の人口密度の比較を見てほしい。
人口密度 (平方km当たり)
ベラルーシ 50人
ウクライナ 79人
福島県 141人
日本平均 341人
東京都 6070人
豊島区 21800人 (東京都23区人口密度トップ3)
中野区 20190人
荒川区 19930人
首都圏の人口密度はべラルーシやウクライナの実に数百倍だ。
そしてチェルノブイリ強制移住地域に相当するホットスポットがあちこちにあるのだ。
それでも被ばく被害はごくわずかだ、大丈夫だと言える人がいるだろうか。
これから被ばく被害が深刻化し、病人だらけの時代に突入する。しかも何十年も続く。
相当の金持ちでもないかぎり、高額、高度な治療が必要な大病を患ったらアウト、
治療はあきらめる以外にない。
だから病気にならないよう、各自、自衛策を取るしかない。
できるだけ汚染地帯から遠くへ逃げ、食材には細心の注意を払って被ばくを最小にし、
健康を維持すること。また万病の元である喫煙や過度の飲酒も控えるべきだ。
これからは勝ち組、負け組にはっきり分かれる時代になるだろう。
もちろん収入や財産は関係ない。貧しくても健康を維持できれば勝ち組、
お金があっても大病になれば負け組である。
本来なら、急増する被ばく患者に備えて、政府は緊急に医療スタッフや設備を増員、
拡充すべきなのだが、例によって何もしない。
公式には被ばく被害は"ごくごく軽微"とされているからだ。
4月からの消費税増税分は社会福祉に使うという話だったが、それも叶うまい。
大半は除染や原発再稼動のためにゼネコンや原子力ムラにむしり取られるだろう。
これからも今まで通り、呼べば救急車は来てくれる、病院はいつでも診察してくれる、
必要なら入院もできる、治療費は健康保険で大半カバーされる、そう思っていたら大まちがいだ。
考えを改めたほうがよい。
医療が大崩壊し、お金のない人は放置されて死んでいく血も涙もない暗黒未来が
すぐそこまで来ているのである。
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