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大間原発、差し止め提訴 函館市長に聞く 30キロ圏なのに発言権ない
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2014年2月24日 東京新聞:こちら特報部 俺的メモあれこれ
電源開発(Jパワー)大間原発(青森県大間町)の建設差し止めなどを求め、北海道函館市がJパワーと国に対し、訴訟を起こす。自治体が原告となる原発差し止め訴訟は全国初だ。異例の訴訟は、他の原発周辺自治体に波及する可能性もはらむ。工藤寿樹市長は「住民と街を守る責任がある」と話す。(荒井六貴)
◆事故前の基準で許可 フルMOX 「危険だけ負わされる」
「天気のよい日は、対岸にある大間原発を見ることができる。不安は大きい。国が相手だろうが、黙っていられない」。工藤市長は力を込める。
大間原発は国策会社として設立されたJパワーが、大間町の津軽海峡に面した場所に建設している。出力は138万キロワット。2008年5月に着工したが、11年3月の東京電力福島第一原発事故の影響で、いったん工事は中断。12年10月に工事を再開している。
函館市の人口は27万人。最短の地点で23キロ。いったん事故が起きれば、大きな被害が及ぶ。50キロ圏内の人口は、青森県内の約9万人に対し、北海道内は37万人にも上る。
市は裁判で、Jパワーに対し、建設と運転の差し止めを求め、国に対しては、原子炉設置許可処分の無効確認などを要求する。
函館市は原発事故の防災重点地域である30キロ圏内の緊急防護措置区域(UPZ)にある。それにもかかわらず、原発建設や稼働の同意手続きに関与できない。電力会社と締結する原子力安全協定などの対象は、都道府県や立地自治体に限られている。
国は、30キロ圏内の自治体に地域防災計画の策定を求めているのに、建設の同意は求めていない。工藤市長は「原発の危険にさらしておいて、発言権はまったくない。説明会を何回も要求しているのに、応じてもらえない。この理不尽さを訴えていく。言うべきことを言わないと、なし崩し的に造られてしまう」と語気を強める。
工藤市長は福島原発事故直後の11年4月に初当選。大間原発の建設を無期限凍結するよう求める要望書を政府に提出するなどしてきたが、政府から具体的な対応策が示されることはなく、一方的に建設再開が容認されてしまったという。「再三再四、建設の凍結を求めてきたが、聞き入れられなかった。訴訟を起こすしか手段はない」と強調した。
大間原発の国による原子炉設置許可が、福島原発事故の前の旧審査基準によって出されていることも問題視し、その違法性を主張する。「原発事故前のいいかげんな審査指針で、許可が出されている。それに基づいて工事も再開している。そんな許可は無効だ」
大間原発が、使用済み核燃料から取り出したプルトニウムとウランを混ぜた混合酸化物(MOX)燃料を100%使用する世界初のフルMOX原発であることも、大きな不安要因だ。核燃料サイクルでできるプルトニウムを利用するプルサーマル計画を推進する手段として位置付けられている。だが、専門家の間では、毒性の強いプルトニウムを使うフルMOX原発の安全性を疑う意見が強い。
工藤市長は「津軽海峡は国際海峡で、ほかの地域と比べ、外国のゲリラ船も入りやすい。世界一危ないフルMOXで、世界一テロに弱い原発ができあがることになる」と危機感を募らせる。
◆全国からの応援 支えに
原発事故によって、個人の生命や安全が損なわれるのと同じように、自治体も住民が散り散りになれば、壊滅的被害を受ける。それが、自治体が訴訟を起こす理由だ。
市には、提訴を支持する意見が400件以上寄せられている。「農協、漁協、観光協会、党派も超えて団結し、市民にも理解されている」と話す。27日開会の市議会に提訴の承認を求め議案を出す。全会派が賛意を示しており、3月下旬にも可決される見通しで、4月上旬に東京地裁に提訴する。
訴訟費用は5年で2000万円程度を想定。財政が厳しいため全国に支援を呼び掛けるという。「全国の応援を得ながら、訴えていきたい。この問題に左も右もない」と理解を求めた。
函館市の提訴方針に対し、原子力規制庁とJパワーは「訴状が届いていないので、コメントはできない」とした。
大間原発は、中国電力島根原発3号機(島根県)、東京電力東通原発1号機(青森県)と並ぶ着工済みの原発だ。安倍晋三首相は「原発の新増設は想定していない」と表明しているが、大間原発については新増設には当てはまらないという考えを示している。訴訟の行方は、政府の原発政策に大きな影響を与える可能性がある。
「大間原発は、電力の需給にも関係がない。最低限、新しい原発は凍結すべきだというのは、多くの人が思っていることだ。福島の反省もなく、進めるのはおかしい」と安倍政権の姿勢を批判した。
自治体による提訴は、どんな意味を持つのか。
弁護団を束ねる河合弘之弁護士は「原発の立地自治体は原発マネーに頼ってしまっていて、なかなか止めてくれとは言えないのが実情だ。原発の周辺自治体は『うちも』と続いてほしい」と期待する。弁護団に加わる井戸謙一弁護士は「30キロ圏内の他の自治体の思いを代弁することにもつながる」と説く。
脱原発を主張する首長、首長経験者でつくる「脱原発首長会議」には、39都道府県の90人超が加入している(2月12日現在)。茨城県城里町の阿久津藤男町長は、日本原子力発電東海第二原発の再稼動に当たって同意手続きの対象とするよう求めている。
首長会議の事務局長で、元東京都国立市長の上原公子氏は「公園の遊具で子どもがけがをしただけでも大問題になる。それだけ、自治体は一人の命に責任を持っている。原発こそ生死にかかわる問題で、他の自治体も函館に続くよう呼び掛けたい」と話す。
元三重県知事の北川正恭・早稲田大大学院教授は「大間原発でも、特定秘密保護法でも、国が無理強いをしてきちんとした過程を踏んでいない。それに地方が怒っている。自治体も国に無条件に従っていたら、住民に説明責任を果たせないということだ」。前千葉県我孫子市長の福嶋浩彦・中央学院大教授は「自治体は国の出先機関ではない。地方のうねりが国を動かすケースもある。住民の立場に立ち、国に影響を与えることも、自治体の一つの仕事だ」と話した。
[デスクメモ]
大間原発が建設されている青森県の下北半島には、使用済み核燃料の再処理工場など核燃料サイクルの重要施設も多数立地している。大間原発が完成しないと、核燃料サイクル計画は頓挫してしまう。すると、原発は立ちゆかなくなる。だから、安倍政権は稼働に執念を燃やす。事故の被害など考えていない。(国)
2014年2月24日 東京新聞:こちら特報部
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014022402000148.html
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