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福島を最終処分場にして日本は再び原発大国になる 小出裕章
http://blog.livedoor.jp/home_make-toaru/archives/7558259.html
2014年02月23日00:00 とある原発の溶融貫通(メルトスルー)
石井彰:
経済産業省が昨年の12月6日、ちょうど特定秘密保護法案。私に言わせれば、不特定秘密隠蔽法案の可決のどさくさに紛れて、総合資源エネルギー調査会基本政策文化会が新エネルギー基本計画というのを発表しました。
これは、原発を重要なベース(基礎)の電源として考えていこうと民主党政権が打ち出した2030年代に原発を0(ゼロ)にするという目標をさらりと撤回して、むしろ原発を活用していこうという方針を出しました。
これが閣議決定をされたり、そのいろんなことになってきているんですが、まずこの原発を主要な電源・重要な電源とするっていう理由なんですけれども、
・「安定供給」
・「コスト低減」
・「温暖化対策」
この3つの理由で、原発をベースにするんだっていうふうに経済産業省は言ってるんですが、小出さんはどうお考えですか?
小出さん:
まったくマンガのような話ですね。安定供給って、今電源が困ってると言ってるのは自民党なんですね。
原発全部止まっちゃってるわけで、なぜ止まったかといえば、彼らが絶対安全だといってきた原子力発電所が実はそうではなくて、巨大な事故を起こしてしまうものであったということを事実が示したから、今原子力発電所は全部止まっているわけですし。だから、電気が足りなくなったら大変だとか言って、節電要請をしたりしているわけですね。
安定供給なんていうものをもし目指すのであれば、原発はやっぱりやってはいけないと思わなければいけないと思います。
「コスト低減」なんていうのもほんとにお話にならないほどのことですね。もともと原子力発電所というのは、電力会社の有価証券報告書を使って計算すると一番高い発電方法でした。
ですから、やらないにこしたことはなかったわけですし、ましてややってしまって巨大な事故を起こして、本当であれば東京電力なんか何回倒産しても足りないほどの被害が出ている。
そして、もっとちゃんと保障しようと思えば、日本の国家が倒産しても贖(あがな)いきれないというほど酷いことが起きているわけであって、コストの問題をいうならもう原発なんて話にならないほど失格です。
「温暖化対策」ということでも私自身は地球温暖化というのは、二酸化炭素が原因だということにはかなり疑問を持っていますし、地球温暖化を防ぐというのであれば、一番良い方法はエネルギー消費を抑えるということですので、これから原子力をどんどんやってエネルギーを供給するという、そういう考え方そのものをまずは改めなければいけないと思います。
石井:
なるほどね。それとですね大変気になるのは、この計画のまだ素案ですけれども。素案しか私は見ておりませんが、原発の再稼働を推進するだけでなくて、どうも新設するということもですね匂わせてる。
あえて、この計画の中に盛らないことによって、入れないことによって、新増設の可能性を含ませてるんじゃないかなっていうの、これは僕の穿(うが)った見方でしょうか?
小出さん:
いえいえ、必ず、そうだろうと思います。今止まってる原子力発電所も安全性を確認して再稼働させるとまずは言っているわけですね。冗談は私は言わないでくれと思います。
これまで自民党政権が安全性を確認したと言って、日本で58基もの原子力発電所にお墨付きを与えてきました。もちろん、福島第一原子力発電所の1号機・2号機・3号機・4号機もみんな自民党政権がお墨付きを与えた原子炉ですけれども。
それが事実として事故を起こしてるわけですから、まずは自分達のやったことが間違いだったと反省しなければいけませんし、私自身は犯罪だと思っていますので、犯罪を犯した人間をまず処罰をしなければいけないと思っています。
それなのに、また「安全性を確認して」というようなことを言う人達がいるのですね。ほんとに困った人達だと思いますし、さらには、新設・増設ということも彼らが考えてるはずですし、その先には原発の輸出ということももちろん考えているわけです。
石井:
それとですね、やっぱり気になるのは、原発から出る使用済み核燃料のいわゆる高レベルの放射性廃棄物の最終処分場の選定についてですね。これまでの自治体による応募方式。それは、どこも応募なんかしないわけで。応募方式から、政府が候補地を示す方式に転換するというふうに盛り込みましたよね。これは、今後どういうふうになると予想してらっしゃいますか?
小出さん:
要するに、ほんとは埋めてはいけないゴミなのです。残念ながら、私達が原子力に手を染めてしまいまして、核分裂生成物という放射性物質を膨大に作ってしまったのですが、それを私達人間が無毒化するという力を持っていないのですね。
ですから、どこかに隔離をしなければいけない。それは、確実なのですけれども。日本の政府は、それを地面の下に埋めてしまえばいいという、そういう方針でこれまでやってきたのです。
しかし、埋めてしまったところで、一体そこに何年間じっとしておいてくれればいいかといえば、10万年とか100万年という時間の長さなのです。そんなもの科学が保障できる道理がないわけであって、いや、本来やってはいけないやり方だと私は思ってきました。
で、私自身は国とそういう論争を続けてきたわけですが、一昨年の9月の11日になって、日本学術会議という、いわゆる学者の国会の組織が「埋め捨ては正しくないから、1から考え直せ」という答申を出したのですね。
私は、「なんで今まで黙っていたのか」と半ば半分、学術会議に対して文句を言いたくなりましたけれども。でも、学術会議の言ってること自身は正しいことだったと思います。
それを受けて本当であれば、埋め捨てにするという方針を変えなければいけなかったはずなのですが、埋め捨てにするという方針自身は全然変えないで、これまでどこか手を挙げてくれるのを待っていたけれども、それではダメだから、国の方で強権的に今度は押し進めるという、そういうやり方に打って出てきたわけですね。ほんとに酷い政権だなあと私は思います。
石井:
当然ですね、今いくつか候補地がですね、噂の段階ですが出ております。こういう所に対してお金でですね懐柔(かいじゅう)するか。あるいは、最後は強制代執行というようなですね、力ずくでいくか。つまり、なんらかの形で最終処分場を作らなければ、もうこれ以上、原子力発電はできないわけですから、彼らは遮二無二やってきますよね。
小出さん:
そうです。これまでにも候補地として狙われていた所はたくさん日本中にあるわけですし、その内のどこかに、また白羽の矢を今度は国家の側から強制的に執行してくるという可能性はあると思いますし、私が今心配しているのは福島です。
広大な土地が放射能で汚染されてしまっていまして、その内の15平方キロメートルを国有地化するというような方針をこないだ自民党の政権が出してきました。
15平方キロメートルというのは、埋め捨ての場所を取る時に必要な面積にほぼ近いですので、そういう所を国有地化した上で、放射能の最終的な処分場もそこに押し付けようという魂胆かなと私は疑いました。
石井:
は〜、そういう動きがあるんですか。
小出さん:
はい。
石井:
なるほどねえ。絶えず、私達は大きなニュースにばかり目を向けてしまう。どうしても福島原発事故のことがですね、忘れられがちになる。あるいは、その一方で私達も毎日暮らしていかなければならない。そういう中で、どうしても忘れている間にヒューヒューヒューっと、こうなんていうのかな。悪政が堂々とまかり通っちゃってることを小出さん、どうやってこう変えていけるっていうか、食い止めるっていうか…
小出さん:
皆さん、きちっとやはり物を考えていただきたいと思います。こういう言い方は良くないと承知の上ですけれども、「愚かな国民には愚かな政府」という言葉がありましたけれども、国民自身が賢くならなければ今の酷い時代、これからどんどん酷い時代に向かっていくという流れを止められないんではないかと私は大変不安に感じています。
石井:
私達が少しでも賢くなっていくためにですね、引き続き小出さんからですね、こうやっていろんなお話を伺っていきたいと願っております。今日はどうもありがとうございました。
小出さん:
ありがとうございました。
http://www.rafjp.org/koidejournal/no59/
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