27. 2014年2月22日 16:43:46
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2013/08/18 「西日本の原発から放射能が噴き出れば、フクシマ以上の危機が襲来! 台風で『死の灰』が日本全土を覆う」 〜3.11DAYS行動する会シンポジウム「もうがまんできない」 「福島原発事故は最悪の事態ではない」──。 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/96869 2013年8月18日(日)19時から、横浜市中区の横浜市開港記念会館で「3.11DAYS行動する会シンポジウム『もうがまんできない』」が行われ、藤田祐幸氏(物理学者)は、こう強調した。集まった市民らは、この反語的な議論に息をのみ、広瀬隆氏ら脱原発論者による、参院選での自民党圧勝を背景に高まる原発推進ムードに異を唱える「再稼動反対」の主張に拍手を送った。 ■出席者 •司会 広瀬隆氏(作家) •大信田尚一郎氏(三陸の海を放射能から守る岩手の会、元教員)/特別出演 山本太郎氏(参議院議員)/秋山豊寛氏(元TBS記者、元宇宙飛行士、農家)/相沢一正氏(茨城県東海村村議)/矢部忠夫氏(新潟県柏崎市議)/田中三彦氏(元原子炉設計者、元国会事故調査委員会委員)/中嶌哲演氏(原発設置反対小浜市民の会、明通寺住職)/広河隆一氏(DAYS JAPAN編集長)/藤田祐幸氏(物理学者) ■主催 DAYS JAPAN/3.11DAYS行動する会(詳細) このアーカイブの完全版は、IWJ会員のみ閲覧・視聴ができます。 会員の方はここをクリックしてください。 会員登録はこちらから。 このアーカイブだけを有料で閲覧・視聴する場合はこちらから。 「この7月25日に、ゴーストタウン化した福島の立ち入り禁止区域を調査した」。司会の広瀬隆氏(作家)は、その折に知り得た、放射能汚染の深刻な実態の報告を随所に織り交ぜながら、シンポジウムの舵を取った。 トップバッターの大信田尚一郎氏(三陸の海を放射能から守る岩手の会)は、新聞『天恵の海』の発行を通じて六ヶ所再処理工場(青森県)と停止中である東海再処理工場(茨城県)の危険性を訴え続けている。「六ヶ所工場には3000トンのプールがあるが、すでに高レベルの放射性廃液で満杯。必死になって冷却し続けている状況だ」とし、「地震や津波で同工場の冷却用機器が破損した場合、どうするのか」と警鐘を鳴らした。また、今から30年余り前に旧西ドイツ政府がまとめた、再処理工場に事故が起きた場合の被害を予測するレポートの存在にも触れ、その驚愕の内容を紹介。「日本政府は、原発を再稼動させ、置き場のない核のゴミをさらに増やしていって、一体どうするつもりなのか」と、怒りをこめて力説した。 「あのドイツも、核のゴミの処分は大ざっぱだった」。この日、特別出演した山本太郎氏(参議院議員)は、広瀬氏と一緒にこの3月に取材した、ドイツの原発事情を報告。「ドイツは、われわれ反原発派にとって手本のような存在。だが、核のゴミの処理に関しては、断じてそうではなかった」と指摘し、脱原発優等生のドイツでさえ、使用済み核燃料の処理に苦慮している実態を浮き彫りにした。「ドイツ当局の担当者に(地下水の存在などに照らしながら)『地中処分で本当に大丈夫なのか』と、何度も質問したが、『安全だ』との一点張りだった。埋めたあとはモニタリングを一切しないのに、だ」。 福島第一原発から32キロメートル地点で、農業を営んでいた秋山豊寛氏(元TBS記者)は現在、京都に避難中。「『東北の食べ物を食べて被災地を支援したい』という声が聞かれるが、東北の食べ物が汚染されていることは確かだ」とし、「先日、岩手県の一関市に出向いたが、あの辺の山菜は食べられないことになっている。また、イノブタも大量発生しているが、これも食べられない」などと説明した。 そして、「先の参院選、東京では山本太郎氏が当選して、大変なけっこうなこと。京都の選挙区では、『原発の再稼動反対』を明言したのは共産党の倉林明子候補だけ。その倉林候補が当選したのも当然の結果だ」とし、「参院選の結果に落胆している人は大勢いるかもしれないが、反原発という民意は少しずつ前進している」と述べた。 相沢一正氏(茨城県東海村村議)は「東海第二原発も、東日本大震災に伴う巨大津波が、あと70センチメートル高ければ、全電源を喪失して福島第一原発と同じ結果になっていた可能性がある」と話し、東海第二原発の再稼動に反対する意思を改めて表明した。その上で、日本原電が同原発で「ベント設備」に着手した件に触れ、「安全対策という視点で、外部に放射能を排出するベントが肯定視されている」と懸念を示した。「かつて、原発推進派は『原子炉を5重の壁で囲んで放射能を封じ込める』と力説していたではないか。彼らの安全思想が転換したというのなら、原発の正否に関する議論を、国民を参加させて行うべきだ」。 後半は、矢部忠夫氏(新潟県柏崎市議)の話からスタート。2007年7月に起こった中越沖地震の折に、3号機の変圧器に火災が起きた柏崎刈羽原発について、矢部氏は「あの時、絶対に稼動できない原発になったはずなのに、7基のうち4基が再稼動し、その直後に福島の原発事故が発生している。柏崎刈羽原発事故の検証がきちんと行われていれば、フクシマショックは起こり得なかったのではないか」と、厳しい口調で訴えた。 「東電の最終報告は『福島第一原発1号機の爆発は5階で起きた』としているが、そうではないこと示唆する証言を得た」。かつて、原子力委員会の体質を「『自分たちだけで調べるから外部の人間は見ていろ』という高圧的な態度だ」と表現した田中三彦氏(元国会事故調査委員会委員)は、このように述べた。田中氏は、1号機の5階と4階をつなぐ、重さが1.5トンある大物搬入口が、「実は閉まっていた」と指摘。「となると、4階がめちゃくちゃになったことに説明がつかない。私は、4階で爆発が起こったとみている」と語り、「福島原発事故の基本的な事実把握すら、未だになされていないのが現実だ」と報告した。 中嶌哲演氏(原発設置反対小浜市民の会)は「現在稼働中の大飯原発(福井県)3・4号機は、こうしている間にも、大量の『死の灰(放射性廃棄物)』を生成し続けている。原子力規制委員会がいかに論じようと、原発の再稼動は許されるべきことではない」と訴えた。そして、「『安全な原発』を標榜するのであれば、なぜ東京、神奈川、千葉の海岸部分に原発を設置しなかったのか」と口にし、「福島など、原発立地地域の住民は、この疑問をもっとも強く抱いている」と結んだ。 その後、このシンポジウムの主催者で『DAYS JAPAN』の編集長、広河隆一氏のあいさつを挟み、藤田祐幸氏(物理学者)が登壇した。「福島原発事故は、最悪の事態ではない。日本列島の東の外れで起こったからだ」と話す藤田氏。福島第一原発から排出された放射性物質の大部分は、太平洋側へ流れたから、との趣旨で、「もし、伊方原発など、西日本の原発から放射能が噴出すれば話は別。(台風の進路次第では)放射能が日本全土を覆ってしまう」とした。藤田氏は「われわれは、日本中を居住不能に陥れる危機を、未然に防がねばならない」と語気を強め、「フクシマショックを、最後の原発事故にすることが肝要だ」と力説した。【IWJテキストスタッフ・富田/奥松】 |