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<甲状腺疾患>「今後は今までの常識とは違う」〜関東の子どもたちの異常について(1)〜2/14三田茂医師(文字起こし)
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3.11以来、東京近郊の在住者および福島からの避難者など
子どもたち一人ひとりに時間をかけて診察されてきた三田茂医師のお話です。
これからの甲状腺疾患について要点を話されていましたので、その部分を文字起こししました。
文字起こし部分のYoutube→http://youtu.be/VfuEZPvsWm8?t=17m31s
三田茂医師(小平市三田医院・院長):
僕の大学は信州大学で菅谷先生の学校です。
同級生に聞くと「菅谷先生に教わって講義が面白かった」というんですけど、
僕はよく覚えていないんですけど(笑)
菅谷先生の一応教え子という事になっています。
で、とても厳しいんです、信州大学は甲状腺に関して。
これは、長野県というのは甲状腺疾患の多発地帯だったんですね。
海がないから。
だから地方性の甲状腺腫のこんな大きな写真なんかも見せられましたし、
試験も厳しかった。
卒業して東京に帰ってきて、病院で甲状腺のことを、ちょっと困った時にまわりを見てみると、
東京には甲状腺の病気が得意な人はあんまり居ないんです。
・甲状腺がんは高齢者の病気である(あった?)
甲状腺がんという病気。
これは今子どもの甲状腺がんが問題になっているけれども、「高齢者の病気」なんですね。
あるいは、今まではそういう理解だった。
だから、甲状腺がんが40代で無いことは無いんだけれども、
甲状腺がんを扱い慣れてる先生たちは、
「放っておいても大丈夫なんで、もうちょっと待っても大丈夫」っていう感じです。
・甲状腺がんは進行してから手術しても大丈夫である(あった?)
甲状腺がんは進行してから手術しても大丈夫で、ある、あった。
今まではね。
だから「ちょっとグリグリしていたものが大きくなってきました」と、
そういうのをすぐに甲状腺、内分泌科の先生にみせても
「こういうのはまだ内科医のガイドラインではいいんですよ」っていう
「どんどん大きくなっても、大きささえ大きくなければいい」みたいなことを平気で、今までは言われました。
・小児科医は甲状腺疾患の経験がない
これはね、ほとんど「ない」と思います、小児科医は。
上に書いてある通り甲状腺がん自体が高齢者の病気であるし、
小児科が診る甲状腺疾患というと、さっきのびまん性の機能性障害ですよね。
甲状腺機能低下症とか、バセドウ氏病とか、せめてそれ位。
「私は小児甲状腺の専門です」っていう小児科の先生と今回何人か話をしましたけれども、
「甲状腺がんはみた事がない」とみんな言っています。
それから、小児甲状腺の専門の先生は、「超音波を触ったことがない」とみんな言います。
当然自分で機械を持っていないです。
ですから小児科の先生に、「子どもなんだから甲状腺をみてくれ」というのはやっぱり無理なんです、これは。
・東京は甲状腺疾患が少ない土地であった
さっき言った通りですね。
病院に入って見回してみると、だれも甲状腺の事をよく知らない。
こんなに大きな都市で、何千万もこの地域に住んでいるのに、「伊藤病院」ぐらいで事が足りていたんですね。
こんなところに病院が一つで足りていい訳がないけれども、
やっぱり東京には甲状腺疾患が少なかったので、
「東京の医者というのは甲状腺に対してのセンスは悪い」と僕は思いますね。
・甲状腺エコーは発展途上
これはデジタルの機械が出始めてどれ位になるんでしょうか、10年位になるのかな。
で、それまでのアナログの機械と、今のデジタルの機械は見え方が全く違います。
それから、デジタル機器というのはテレビでも何でもそうだけれども、
4年、5年経つともう世代が違うんですね。
ですから「昔の10年、15年前のいろんな論文と比べてどうだ」というのは
ちょっとナンセンスなんじゃないかとおもいます。
「じゃあ比べようがないじゃないか」と言われちゃうかもしれないけれども、比べようがないですね、今ね。
だから、昔の事と比べているよりは、
みんなでこれからどんどんどんどん検査をして症例を積み重ねていくという事が大事じゃないかと思います。
いずれにしても僕はずっと訴えてきたつもりですけれど、なかなか乗ってくれる医者はいませんでした。
・甲状腺がんはヨウ素のみが原因ではないらしい!
やっぱりヨウ素が原因だっていうのは、
ベースはそうなんでしょうけど、IAEAもそう言っているし、WHOもそう言っているかもしれないけれど、
ベラルーシとかウクライナに行った先生、僕はチョト暇がなくてまだ行っていないんですけど、
行った先生たちがむこうのドクター達と話をしてくると、
「どうもヨウ素だけでは無くてセシウムとか他の核種も関与しているらしい」
と向こうの先生たちは思っているようです。
ですから「ヨウ素だけだから」という事で話を進めるのは、
前提としては僕は間違いじゃないかと思うんですね。
・放射能が甲状腺がんに与える影響は?
放射能が甲状腺腫瘍に与える影響。
これはもともと高齢者の病気で、
多分若い時に小さいのが出来たのが、だんだんだんだんゆっくりゆっくり大きくなると、
しばらく進行してから手術して、たとえば
「リンパ節転移があってから手術しても、多くの甲状腺がんが大丈夫なんだよ」っていう、
そういう感覚が今まで甲状腺を扱っている先生たちにはあるんですけど、
今回被ばくしましたからね、私たちは大いに。
子どもたちだけではなくて、甲状腺腫瘍。
たとえば30年かけてようやっと表在化するような癌が、
もしかしたら半年で大きくなっているかもしれない。
それから、ある程度大きくなって転移しなかったような癌が、
1〜2cmで転移しているかもしれない。
甲状腺の検査もそうですけれど、子どもたちだけではいけないと思います、いろいろ調べるのは。
全年齢で調べるべきです。
うちに子どもたちが心配で連れてくるお父さんお母さんのエコーもやってます。
1700人、述べにすると2000人以上はやっているんですけれど、
複数回やっている人も沢山いますから。
東京近郊、あるいは関東地方位の子どもに関して言えば、
子どもの甲状腺の、さっき言った結節性の疾患ですね。
のう胞みたいなもの以外の充実性結節。
ですから良性腫瘍も含めて腫瘍はほとんどみた事がないです。
大人の、お母さん、お父さんには、もう癌が何例も見つかっています。
40歳ぐらい。
一番若い人は30代のお母さんで、6mm位の癌です。
で、リンパ線は腫れてないと思ったんだけれども、耳鼻科の先生に、内科じゃないですよ、
耳鼻科の先生に頼んで手術をしてもらったのが、リンパ節に転移していました。
ですから、「今後は今までの常識とは違うかもしれない」という目で見ないと、
甲状腺に関してもですね、大変嫌な思いをするかもしれない、と思います。
甲状腺に皆さん興味があるかもしれないけれど、甲状腺の話はこれ位にさせて下さい。
ーー血液検査に続く
<血液検査>「ホットスポットに住む4歳男子」〜関東の子どもたちの異常について(2)〜2/14三田茂医師(文字起こし)
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2014-02-17(09:05) みんな楽しくHappy♡がいい♪
三田医院 三田茂医師のお話 2014年2月14日
ホットスポットに住む4歳の男の子〜血液検査
24:21
http://youtu.be/VfuEZPvsWm8?t=24m21s
私は甲状腺を患者さんが心配で来た時に、甲状腺のエコー検査と血液検査をやっています。
これは、そういう意味でするのがいいと思っているからやっている訳です。
甲状腺はさっき言ったように、それほど緊急ではないかなと思うけれども、
やったらやっただけの事はあると思うからやっています。
是非やりたいのはやっぱり血液検査だと思います。
これは電離放射線健康診断個人票という、これは電離放射線細則という法律であるんですけれども、
例えば僕たちは放射線を扱いますから管理区域に普段出入りする訳ですよね。
それから放射線の技師さんとか、検査につく看護師さんとか、
そういう人はみんなこの診断を受ける義務がある
あるいは、原子力で働く人たちもこれを受ける義務があります。
年に2回か3回受ける義務があると思います。
ここに上の方には「受けた線量」なんて書いてあるので、これは外部線量だけの話です。
これは爆発して放射能がどうのこうのという話じゃなくて、
外部被ばくがどうのこうのというだけの話ですね。
その線量の推定を書いて、それから血液検査をして、
あと目に関しては「目はよく見えるのか?」
「皮膚はなんか変なふうになっていないか?」
これは自己申告です。
ですからこの検診というのは「ちゃんと血液検査をしなさい」という、そういう検診です。
「血液」と書いてあります。
赤いほうが赤血球。
これは貧血ですね。
いわゆる貧血、赤さがどうか?という事ですね。
ちょっとビックリしたのが血小板がない位。
で、一番上に白血球があると。
ですから白血球が大事という事です。
これが三田医院のデータなんですけれども、
これは4歳ぐらいの男の子。
ホットスポットの男の子です。
右と左に分かれていますけれど、左側が2011年12月1
で、データが悪かったのですぐに再検査したんですけど、
→が付いているように、白血球、赤血球、血小板。これが基本ですね。
この人を左からみると、
白血球数が5000個
赤血球数が463万ですね、これは万っていう単位。
血小板が21万9000。これも万っていう単位です。
白血球が赤血球と一緒じゃなくてずっと多いんですね。
これが血液像です。
ですから血液をとって、このうすーく、本当に薄くのばすとこんな感じになります。
それを染色したものですね。
まあるい飴玉みたいなの、これが赤血球です。
ふたつ入っているのが白血球ですね
で、カスみたいに、ゴミみたいに写っているのが血小板です。
大体こんなような感じ。
だから赤血球がものすごく多くて血小板はかなり、これで1,2,3,4…9個ぐらいあるんですけど、
で、白血球はそんなに多くないと。
右がリンパ球で左が好中球です。
で上の段ですね、
白血球、赤血球、血小板まで、これが数を数えるわけですね。
マイクロリットルあたりの数という事ですから、
さっき5000と言ったのは1マイクロあたり5000あります。ということです。
この下の抹消血液像というのは、それとは別に、さっきみたいは標本をつくってカウントした時に、
白血球をたとえば1000個カウントすると、
その中に好中球が35.7%ある
好酸球が1.2%ある。
リンパ球が57%あると、そういうことです。
この人の白血球1000のうち好中球が35.7%というのは、
この下に書いてある5000×35.7%(35.7/100)=1785
この人は12月の時点で白血球5000のうちの1785が好中球だった。
リンパ球は57%だから、2850ぐらいですか。
で、このパーセントと、それから総数というのは、日にちによって変わっちゃうので、
比較する時には実数計算が原則です。
本来でも教科書に書いてある事です。
2番目の好酸球というのにもちょっと問題のある子が多いです、実は。
好酸球はアレルギーで上がると書いてあるけれども、昔の本には放射能で上がると書いてあります。
最近はアレルギーが多いから好酸球=アレルギーみたいに思っているけれども、
そうじゃない場合も大いにあるという事です。
これは僕が基にしている本です。
日本医師会雑誌というんですけれども、
「生涯教育シリーズ」といって、日本医師会の会員には、大体多くの先生は会員なんですけど、
日本医師会から一生勉強しなさいと、こういう本が定期的に送られてくるんですね。
整形外科も、婦人科も、いろんな本が送られてきます。
これが24年、おととしに送られてきた子ども用のマニュアルです。
これはもうちょっと古いんですけど同じような「血液疾患診療マニュアル」
いろんな教科書があるんだけれども、一番無難なところというところで、
僕の話は全部この、日本医師会が出している生涯教育シリーズの教科書を基にした話です。
もう一度戻りますと、
白血球、赤血球の数。
それから抹消血液像。これは白血球5000個の、あるいは6200個の分類という事です。
この一番下のATY−LYと書いてあるのは、異形リンパ球ですが、
これが本来は、末梢ですね、血管の中を流れている血液の中には見られないものなんだけれども、
今回、この子はみられたと。
ですから、2011年12月にこの子は、ホットスポットに住む男の子でしたけど、
好中球の数もすごく少ないし、
年齢からしたら白血球数も少ないし、
本来ないはずの異形リンパ球も出たし、という事で3か月後にもう一回調べてみたんだけれども、
「変わらなかった」という事です。
ーーつづく
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