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東電労組 福島原発事故後に実施の給与2割カットの撤回要求。 福島の回復置き去りに、東電労使だけ「原状回復」先行(FGW)
http://financegreenwatch.org/jp/?p=41078
2月 16th, 2014 Finance GreenWatch
各紙の報道によると、福島第一原発事故処理で国から巨額の資金支援を受けている東京電力の労働組合が、今春闘で、現行の一般社員給与の2割カットの撤回を会社側に求める方針という。事故処理費用は今後さらに膨らむとみられる中での「福島事故」を人質にした格好の賃上げ要求は労使交渉を越えた議論を呼びそうだ。
東電労組は今週中にも会社側に賃上げ要求を提案するという。
東電社員の平均年収は事故前は、平均年収757万円(平均年齢40.6歳)だったが、事故後の2012年には、賠償費用などをねん出するための費用削減策として、社員の給与も2割カットを実施した。その結果、他の大企業並みの約556万円に減額した。その後、2013年度には年俸制に切り替えるとともに、571万円に引き上げられた。
東電は、その後、今年1月に政府が認定した新総合特別事業計画(再建計画)のなかで、給与カットの幅を14年度下半期に14%、16年度には5%にまで縮小するとの方針を示している。今回の労組の賃上げ要求は、こうした漸進的な削減幅の縮小を、一気に挽回し、元の給与水準に戻そうという要求になる。
東電では、福島原発事故の収束見通しが得られず、2018年度から予定される電力小売自由化への対応も遅れていることなどから、企業としての将来性に陰りが生じており、若手社員を中心に転職する動きが相次いでいる。労組の給与水準の回復要求は、待遇面での改善で人員の流出を防ぐ狙いもある。
その一方で、福島事故の除染費用負担や賠償問題で、東電は被災住民への対応が不十分であるとの声は消えていない。賠償負担は今後もさらに膨らむとみられるなかで、賠償原資に影響する人件費負担増を先行して実施することの妥当性が問われそうだ。
また費用節減の歯止めがなくなることに、融資銀行団などの理解が得られない可能性もある。福島事故対応が進捗しない中での、東電労使による「早すぎる原状回復」への動きは、被災住民以外からも、事故責任を顧みない自己本位の行動との批判が出そうだ。
http://j-union.com/-/toudenrouso/
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