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戦争と原発はつながっている 小出裕章
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2014年02月15日21:30 とある原発の溶融貫通(メルトスルー)
公開日: 2014/02/15
〜第58回小出裕章ジャーナル〜
戦争と原発はつながっている その1 「もともと原子炉というのは、原爆材料であるプルトニウムをつくろうとして開発された
道具です」
西谷:
今日はですね、テーマは「戦争と原発はつながっている。その1」でいきたいと思いますが。小出さん、2月2日のイベント良かったですね。ありがとうございました。
小出さん:
お世話になりました。ありがとうございます。
西谷:
会場満杯になりまして、いろいろアンケートが寄せられてるんですけどね。例えばですね、こんなんがあります。
「原子力がどう作られてきたか?」
「平和利用の影に隠されて、こんなにも戦争に近づくために軍事利用できる状況が作られていることが、本当によく分かって理解できた」
こんなんがあります。
「リトルボーイとファットマンが同時に作られた理由は考えたことがありませんでした。核開発・物理・戦争って結び付くべくして結び付いていたのでしょうか?」みたいなね。
小出さん:
はい、その通りですね。気が付いて下さったのなら嬉しいです。
西谷:
そうですね。そんな感想がもう山ほど寄せられていて、ほんとに皆さん「目からウロコだった」みたいな話で喜んで帰っていだたいたんですが、やはり会場に来られてない方の方が圧倒的多数なので、ちょっと小出さんと「戦争と原発はつながっている」ということの話をしたいのですが。
小出さん、マンハッタン計画ですね。まず、こっから入りたいと思うんですが、これ1940年に0.4キログラムの濃縮ウランがあれば、原爆がつくれるという事実が発見された。これは、物理学者が発見したわけですか?
小出さん:
そうです、もちろん。
西谷:
もちろん、そうですね。一般人はできませんから。で、ここで42年にオッペンハイマー博士らがロスアラモスで研究を始めたと。で、43年にアメリカのオークリッジにウラン濃縮工場ができた。
小出さん:
そうです。広島の原爆をつくるための工場ですね。
西谷:
これが、オークリッジにできた。
小出さん:
そうです。
西谷:
ハンフォードにプルトニウムの生産炉ができた。
小出さん:
そうです。原子炉をつくりました。
西谷:
これは長崎の。
小出さん:
そうです。長崎の原爆の材料であるプルトニウムという物質をどうしてもつくらなければいけないということになりまして、そのためにハンフォードに原子炉をつくりました。
西谷:
この原子炉はプルトニウムを作るためにつくられたんですね?
小出さん:
そうです。日本の皆さんは原子炉と言うと、発電のための道具だと思われるのかもしれませんが、もともと原子炉というのは、原爆材料であるプルトニウムをつくろうとして開発された道具です。
西谷:
そして、45年7月16日ですね。これ、ポツダム会談の日ですよね?アラモゴルドという所で世界初の核実験が行われた。
小出さん:
そうです。
西谷:
これ、プルトニウム型だったんですね?
小出さん:
そうです。
西谷:
はい。そして、その1ヶ月後、8月6日広島へリトルボーイが投下された。
小出さん:
はい、今度はウラン型の原爆でした。
西谷:
ウラン型ですね。8月9日、長崎にファットマン。
小出さん:
はい、プルトニウム型が落とされた。
西谷:
ということなんですよね。で、私達は、このアメリカがこの広島・長崎に落としたのは、戦争を早く終わらせるためには仕方がなかったんだと。こういうふうに言われてきたわけですが、小出さん、これ本音はウランとプルトニウムを2つ実験したかったんじゃないですか?
小出さん:
実験したかったというのは、もちろんそうだと思います。米国が長い年月をかけて、当時の日本の全国家財政をなげうっても足りないぐらいの巨額なお金をかけて、10万人を超えるような技術者・科学者・労働者を秘密都市に閉じ込めながらつくった原爆ですので。
西谷:
10万人もの人が極秘に閉じ込められてやったんですか?これ。
小出さん:
そうです。もうそうなればやっぱり使いたいと思うのは、当然と言ったら失礼だけれども、彼らはそう思ったのだと思います。
そして、何よりも一番大切なことは戦後の世界を牛耳るためには、どうしてもソ連より先に日本を降伏させなければいけないという思いでやったのだと思います。
西谷:
その結果、2つの都市でものすごい悲劇が起こったわけですが、第二次世界大戦後、プルトニウムを取り出すために原子炉を開発するわけですが、その後アメリカは原子力潜水艦にこれを乗せて使おうとしたわけですね?
小出さん:
そうです。
西谷:
そして、その4年後に陸に上げて原子力発電所を開始したわけですから、原子力潜水艦が先で原発が後ですよね?
小出さん:
そうです。原子力潜水艦というのはですね、圧倒的に優秀な兵器です。潜水艦っていうのはもちろん、それより前にもあったわけですけれども。でも、原子力潜水艦より前の潜水艦っていうのは、ただ水面下に潜れるそれだけの物です。少し潜ってればすぐに浮上してこなければ酸素は足りなくなってしまうわけですから。
西谷:
ディーゼルエンジンで動いてますからね。
小出さん:
そうです。ですから、わずかな時間だけ姿を隠しておけるっていうのが、もともとの潜水艦だったわけですけれども、原子力潜水艦になってしまいますと、例えばノーチラス号が北極海を潜って通り抜けるようなことができるようになる。
真の意味での潜水艦になったわけですし、現在も核弾投を積んだまま世界の海に沈んで潜っていられるという画期的な…
西谷:
今も潜ってるんですよね?
小出さん:
はい、そうですね。画期的な兵器だったわけで、米国としてはまずは発電なんかではなくて原子力潜水艦、ほんとに潜っていられる兵器をつくりたかったという方に力を入れたんだと思います。
西谷:
で、1954年にノーチラス号に搭載されたのが加圧水型。
小出さん:
そうです。関西電力が使ってる原子炉です。
西谷:
ウェスティングハウスがつくったやつ。
小出さん:
そうです。はい。
西谷:
それと同時にゼネラル・エレクトリック(GE)が沸騰水型をつくって、シーウルフ号に搭載したということなんですねえ。
小出さん:
はい。
西谷:
で、その4年後に陸揚げしたと。これ、だから私達の常識全く逆ですよ。
小出さん:
あははは、そうですか。
西谷:
私、もうこれ知らなかったのでビックリしましたが、原子力の平和利用というのも端からウソということですね?
小出さん:
もともと、原子力と日本で言ってる言葉は、nuclearという英語の単語ですけれども、nuclearというのは、もともと原爆開発から始まっているわけですし、原子炉という物だってプルトニウムをつくるため、あるいは原子力潜水艦をつくるためと言って開発された技術だったわけです。
皆さん、その日本では原子力と核が違う物であるかのように思い込まされてきてしまったわけですが、もともと同じ物だし一番初めはいわゆる、核兵器という形で花が開いてきた物です。
西谷:
分かりました。今日はもうこれで時間が来ました。今日のお話は京都大学原子炉実験所の小出裕章さんでした。今日はどうもありがとうございました。
小出さん:
ありがとうございました。
ラジオフォーラム
http://www.rafjp.org/koidejournal/no58/
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