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菅元首相「根本的に間違い」 浜岡原発の安全審査申請に
http://www.asahi.com/articles/ASG2G4448G2GULFA00L.html
2014年2月15日09時57分 朝日新聞
インタビューに答える菅直人元首相=東京・永田町の議員会館、鯨岡仁撮影
2011年5月に浜岡原発の停止を中部電力に求めた菅直人元首相は14日、朝日新聞の取材に応じ、浜岡原発の安全審査申請について「根本的に間違っている」と批判した。主なやりとりは以下の通り。
――再稼働に向けた手続きが動き出しました。
「当時、30年以内にマグニチュード8程度の地震が発生する可能性が87%との数字があった。浜岡が事故を起こせば、100万人単位の避難が必要になる。東海道新幹線や東名高速など日本の大動脈、自動車産業も大打撃を受ける。その対策ができていなかったので止めた。その前提はまったく変わっていない。再稼働に向けた審査を申請するのは根本的に間違っている」
――首相としての要請は「超法規的措置」でした。
「あり得ないと言われていた原発事故が実際に起きた。あす大地震が起きるかもしれないのに、法律を整備してからやりますというのか。国民の安全と安心を考えて政治判断した。総理としてやらざるをえなかったし、やるべきだった」
――中部電は防潮堤新設などの対策をとりました。
「原発の安全対策は大きく二つある。一つは地震や津波などで事故が起こらないようにするための技術的な対策。もう一つは事故が起きた場合に住民がどう避難するか、どう被害を防ぐかの対策だ。原子力規制委員会が判断するのは技術的な対策だけだ。住民避難にだれが責任を負うのかもあいまいだ」
「政府も中部電も、絶対に事故が起きないとは言っていない。たとえ100年に一度であっても、国がつぶれるようなリスクは負えない。浜岡は事故が起きた時の被害が特に大きい」
――原発がほとんど動かない状態が続いています。
「天然ガスや石油代がかかっているのは事実だが、国民生活も経済活動も成り立っている。原発がなくてもなんとかなることを実証したといえる。事故のコストを考えれば経済的にも原発を止めた方が安い」
――都知事選では「原発即ゼロ」を掲げた細川護熙元首相らが敗れました。
「当時の怖さが忘れられているのではなく、知らされていない。福島第一原発4号機の使用済み燃料プールに水が残っていたのは、まったく偶然だった。東京に人が住めなくなるリアルな恐怖感が、残念ながら国民に共有されていない。細川さんも小泉純一郎元首相も、総理経験者だからこそ『こんな事故が起きたら』と強く感じたのだろう」
――安倍政権は原発を活用していく方針です。
「福島事故の前と基本的な考え方が同じだ。やっぱり事故は起きない、今度は大丈夫と。自然災害はコントロールが難しいが、原発はやめればいい。技術的には一番簡単だ」(聞き手・江渕崇、福間大介)
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