http://www.asyura2.com/14/genpatu36/msg/270.html
Tweet |
最も厳しい規制をするから、日本の原発が世界で一番安全か?
昨日、2月5日の国会論戦を聞いていて、最も厳しい規制をするのでその結果最も安全になるという話しが安倍首相によってされた。しかし、そうであるとは限らないと思う。
そもそも、日本とアメリカ、フランスなどとは環境が全く異なる。一つには地震の危険性だ。フランスはほとんど地震が起こらない。地震がある程度起こるアメリカ西部には原発は数基しかない。ところが、日本は全国的に地震の大変によく起こる地域であり、その中にはかなり大きな地震も含まれている。人口密度も異なる。風向きなどを考えると、九州や四国の原発が放射能漏れを起こせば、ほぼ日本全国が影響を受ける。こういった要素のどれをとっても、アメリカやフランスとは異なるのだ。
更に、ベントにおけるフィルターの設置は欧米の原発にはほぼ付けられていたのに、日本の原発は311の事故後、やっと付けることが義務付けられた。コアキャッチャーと言われるものも同様だ。
地震の頻発する日本での規制とほとんど地震が起こらない地域での規制を比べて、日本の規制の方が厳しいから日本の原発が安全だというのは実態を表していない。もともと地震が起こらない地域であれば、単に人為的なミスを防ぐ措置がされていればいいが、地震国においては、未だに原発直下で起こっていない大きな地震の影響を評価してその対策をしなければならないからだ。地震波は地下の岩盤の構造に応じて複雑なふるまいをする。場合によっては10分程度も激しい揺れが上下左右に続くわけで、こういった揺れに対する耐震設計はもともとされていない。
大間原発は現在建設途中で、また世界初の全量MOX燃料原発であることからまさに世界最高の安全性を確保しているはずだが、コアキャッチャーを備えているという話しはないはずだ。
安倍首相は、こういった事情をある意味きちんと理解されているはずだ。他の政治家の方も、そして、規制委員会の方たちも理解をされているのだろう。しかし、それでも、日本の原発が世界で一番安全であるのかどうかと言った議論が日本の最高の立法機関である国会でされてしまう。
問題は、実態をきちんと直視できないことにある。そこまで日本社会は「原発中毒」と言ったものに陥っている。
日本の問題点は、自立した議論ができないことにある。つまり、与党にしても野党にしても、マスコミにしても専門家にしても、誰かの圧力を受けた状態での議論、常に面従腹背の振る舞いしかできない点にある。
国際的な圧力に迎合して自らの地位の確立を図っても、今のままでは日本全体が滅ぼされるだけだ。より正確に言えば、一部の目先の利益しか見ることが出来ない連中により地球規模で環境破壊がされている。
日本の原発は安全ではない。その根拠はどんな地震が起こり、どんな影響を原子炉が受けるか分かっていないからだ。福島第一原発事故で、原子炉の各所に付けられていた監視カメラ映像でさえ見ることが出来ない状態で、地震に対する安全性があるなどと議論すること自体があまりに現実離れしている。
もうそろそろ、現実を普通に反映した議論をはじめないと間に合わないのではないだろうか。廃炉処理には何十年という時間がかかる。使用済み核燃料を乾式キャスクへ移すだけでも簡単ではない。次の大地震が原発直下で起これば、停止していても大きな放射能漏れにつながるのは明らかだ。今後の日程を考えていただきたい。
2014年2月06日15時45分 武田信弘 ジオログのカウンターの値:42550
▲上へ ★阿修羅♪ > 原発・フッ素36掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。