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内部被ばくゼロと震災関連死急増のジレンマ 中川恵一
http://blog.livedoor.jp/home_make-toaru/archives/7531237.html
2014年02月04日09:51 とある原発の溶融貫通(メルトスルー)
もともと,原子力にも電力業界にも何ら関係を持ったこともなかった私が,3.11 以降は「御用学者」になり,自宅にまで活動家から電話が入る始末となった。何も,原子力業界を擁護するつもりなどはなかった。
ただ,放射線影響やがんを知る臨床医(放射線治療医)として,事故後の政府や自治体の対応を座視することができず,思わず声を上げてしまっただけである。
現実には,一般住民の被ばく量は予想以上に少なく,とりわけ内部被ばくは驚くほど低く抑えられている。
これは正直,「勝負あった!」と言えるレベルであり,「福島の勝利」と言えるものである。たとえば,南相馬市内の小中学校に通う全ての生徒約3,000人を対象に行ったホールボディーカウンターによる測定の結果,セシウムによる被ばく量は全員が検出限界以下であることが分かっている。
現状の日常生活での慢性的な内部被ばくが非常に低く抑えられており,かつそれが維持されているわけである。南相馬市の小学生の99.9%,中学生の 96.6%が受診しているため,ほぼ悉皆調査となっており,気をつけている人しか検査に来ていないといったバイアスも存在しない。
外部被ばくは内部被ばくを上回るが,安全側に配慮したとしても,年間被ばく量が 5 ミリシーベルトを超える一般住民はほとんどないと言える。(だからといって,事故を軽視するつもりは毛頭ない。事故そのものは断じて許せるものではない)
一方,私が支援を続ける飯舘村をはじめ,すでに人口 200 万人を割り込んだ福島で,15万人もの県民が避難を続けている。(福島の現状は避難ではなく,正確には「移転」)そして,避難に伴う「震災関連死」は県内ですでに 1,500人以上になり地震や津波による直接的な死亡を超える勢いで,その数は増加の一途をたどっている。
私たち「チーム中川」は,飯舘村に月 2 回程度入って支援を続けてきたが,避難生活は過酷であり,飯舘村の村民約 1,000名を対象として福島医大が行った健康調査では,糖尿病と高血圧が統計的有意差をもって増加していることが明らかになっている。
とくに,学童の肥満や学力の低下が顕著であり,試練は長期戦になる。糖尿病患者ではがん罹患リスクが 20%(肝臓がんや膵臓がんでは 2 倍!)も高くなることが分かっているから,「がんを避けるために避難をした結果,発がんが増える」という最悪のシナリオと言える。
もちろん,それは被ばくによるものだと報道される可能性が高い。リスクの大小を測る「モノサシ」を持つことが必要であることは,9.11 同時多発テロ後の米国で,テロを心配して航空機による移動を自動車に切り替えたため,自動車事故が急増したことでも明らかである。しかし,福島では,被ばくのリスクを喫煙や飲酒といった生活習慣と比較することはタブーとされている。
しかし,医学的には,実効線量 100 ミリシーベルトは,発がんリスクとしては,野菜不足や受動喫煙レベルである。(喫煙は 2 シーベルト並のリスク!)そして,日頃の生活習慣も,被ばくのリスクも,避難生活を続けるデメリットも,一人ひとりが背負わねばならないものである。リスクも被ばくも「量」であるという認識は非常に重要である。
この 8 月からは,チームの一人が松川仮設で暮らして,昼間は飯舘村の健康福祉課で勤務しているが,現在,核心は,放射線被ばくから,経済や感情の問題にシフトしている。
一方,飯舘村民はいまだ収まらない怒りを抱いており,この怒りや不信がリスク認知にも大きな影響を与えることが我々の調査でも明らかになっている。
つくづく,原発事故は起こしてはならないと感じるが,この経験をきちんとドキュメントすることも必須であろう。
2013 年 10 月 31 日 記
http://www.aesj.or.jp/atomos/tachiyomi/2014-01mokuji.pdf
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study2007 @study2007
https://twitter.com/study2007/statuses/430322052411564032
リスクを被災者に押しつけ、自分だけは勝ったつもりの人⇨:日本原子力学会誌 2014年1月号 中川恵一「福島の勝利!」 http://www.aesj.or.jp/atomos/tachiyomi/2014-01mokuji.pdf …
「日頃の生活習慣も,被ばくのリスクも,避難生活を続けるデメリットも,一人ひとりが背負わねばならないものである」
2014年2月3日 9:49 PM
因みにこの方はプルトニウムは重たいから飛ばないと言って世間を騒がせた人です。
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