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電事連「模範回答」 原発政策「正念場」 露骨な裏工作
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2014年2月1日 東京新聞:こちら特報部 俺的メモあれこれ
電力会社でつくる電気事業連合会(電事連)が、自民党内の国会議員アンケートに介入していた。原発推進の「模範回答」を配り、「中間派」に書き込みを求めていた。政府のエネルギー基本計画を、電事連の意に沿った形にすることが狙いだ。あまりに露骨な活動に、再稼働容認の立場の人からも批判の声が上がる。(荒井六貴、上田千秋)
◆アンケート設問と電事連例示の回答(抜粋)
http://img.asyura2.com/us/bigdata/up1/source/19953.jpg
◆アンケート「電力会社に丸投げ議員も」
「原発の再稼動のため、必要な手続きを効率的かつ迅速に行う」 「核燃料サイクルを着実に推進する」
電事連が、一部の自民党議員に「模範解答」を例示した文書からは、原発政策を推し進める強い意図を感じる。
「原発を一定程度の規模を確保することとし、そのための新増設・リプレース(建て替え)の必要性を明確化する」という回答例もあった。
前提となる自民党内のアンケートは、経済産業省が昨年12月、「エネルギー基本計画案」を示したことを受け、実施された。党資源・エネルギー戦略調査会と経済産業部会が先月6日付で所属の国会議員に用紙を配布。その直後電事連の文書も配られた。国会が閉会中だったため、各電力会社の社員が、国会議員の地元事務所を回ったという。
基本計画案は、原発を「重要なベース電源」と位置付けたが、東京都知事選で「脱原発」が争点になったこともあり、外す方向での議論が進んでいる。電事連は、今回のアンケート結果で、巻き返しを狙った可能性がある。
アンケートの設問は「エネルギー需給に関する施策の基本的な方針」 「需給に関し、長期的、総合的かつ計画的に講ずべき施策」など4項目。回答は自由に意見を書く記述式だ。電事連の文書は、この4項目に対する複数の回答例を示した。
石破茂幹事長は先月31日の記者会見で、「アンケートには、それぞれの見識で自らの考えを申し述べる。模範解答によって、その通り書きますというような議員はいない」と答えた。
だが、「こちら特報部」に文書を提供してくれた議員は「文書は、原発推進派や脱原発派でなく、主に若手の中間派に配られた。アンケート用紙を電力会社の社員に渡し、書かせた議員もいると聞いた」と話した。
電事連の八木誠会長(関西電力社長)は先月24日の定例記者会見で、「既設炉の有効活用、新増設・リプレース、核燃料サイクル事業などを重要政策として着実に推進する」とあらためて述べた。その上で、「今年は中長期的なエネルギー政策の方向性が定まる」と言及し、「今年はまさに正念場」と原発行政の岐路と位置付けている。
◆エネ基本計画、首相方針に逆行
自民党内で脱原発に向けた提言をまとめたエネルギー政策議員連盟の柴山昌彦衆院議員は「回答を示すなんて議員をバカにしている」と電事連の動きに反発した。議連事務局長の秋本真利衆院議員は「原発に依存しなくてもよい社会をつくるとした自民党の公約にも反している。議員に圧力をかけているのか。議員が電事連の影響を受けなかったか、全ての回答文書を公表すべきだ」と強調した。
電事連は過去にも、水面下で活動した例がある。環境省が2007年、ダムや道路などの大規模事業で「戦略的環境アセスメント」を導入した際、自民党議員に働き掛けた。奏功したのか、原発はアセスの対象から外れた。
当時、有識者会議で「例外なきアセスメント」を提案していた千葉商科大の原科幸彦教授(環境政策)は「再稼働に強い反対の声があるにもかかわらず、企業利益を優先するようで、電事連の本質は変わっていない感じがする。政府の新設しないという方針に反し、議員の中に、新設の空気が生まれる可能性もある」とみる。
筑波大の辻中豊教授(政治過程論)は「原発の知識があまりなく、模範解答に頼る人もいるだろう。電力業界は福島の原発事故後、おとなしくしていたが、巻き返している感じだ。自民党の議員も原発推進で一枚岩ではないから、引き締める狙いもあったのでは」と分析する。
再稼働容認の立場の経済ジャーナリストの石井孝明氏も批判する。「電力業界に限らず、企業や業界団体が議員や関係省庁に意向を伝えることは、ある程度は許されるだろうが、今回の電事連のやり方は国民の理解は得られない」と指摘した。「裏でこそこそやろうとする業界の体質こそが国民の間に不信感を生み、原発への厳しい方につながっていたのではないか。発想を変え、原発に批判的な人を含めて広く情報公開する姿勢を徹底しない限り、原発への不安感、不信感は消えない」
科学ジャーナリストの塩谷喜雄氏は「『再稼働しないと電力不足と電気料金高騰で日本経済は沈む』という根拠もない俗説がまん延している原因は、電力業界や経済産業省による情報の『刷り込み』にある。今回の文書はそれを証明した」と断じた。
「可能な限り原発依存度を低減させていく」と述べた24日の安倍首相の施策方針演説と裏腹に、電事連が新増設の必要性を問いたことに、経済評論家の森永卓郎氏は「電事連のやっていることは流れに逆行する」と厳しく指摘した。
「将来的には原発ゼロが望ましいが、これ以上増税して廃炉費用を賄おうとすると経済が破綻する。安全性が確保された原発を一定期間再稼働させ、費用を稼ぐべきだ」というのが、森永氏の主張だ。その上で、「首相は依存度を減らすと言っている。今やるべきは具体的な工程を詰めることだ」と強調した。
福島の原発事故後、浪江・小高原発(福島県)の建設が中止された一方、複数の新増設計画が残る。その一つ上関原発(山口県)の建設計画地と海を挟んで向かい合う祝島で、30年以上も反対運動を続ける漁業橋本久男さん(61)は「正々堂々とテーブルに乗せて議論するのではなく、裏でこっそりやろうとするのが電力会社。昔から全く変わらない」と憤る。
「模範解答は、情報操作以外の何物でもない。世間が納得すると思っているのか。電力業界の体質が改まらない限り、この国のエネルギー政策はまともな方向に行かないだろう」
[デスクメモ]
「世界トップレベルの我国の原子力技術による国際貢献を推進」。電事連の回答例にはこんなくだりもある。本当にトップレベルなら、重点施策の回答例で記した「長寿命放射性廃棄物の短寿命化に関する研究」こそ進め、早急に実現してほしい。放射能汚染で、大勢が故郷を追われたままなのだから。
2014年2月1日 東京新聞:こちら特報部
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2014020102000148.html
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