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再稼働への動き活発化について 小出裕章
http://blog.livedoor.jp/home_make-toaru/archives/7527276.html
2014年02月01日18:25 とある原発の溶融貫通(メルトスルー)
今西:
今年1月になりまして、新年から原子力規制委員会が、原発の再稼働に向けて、安全審査中の関西電力高浜原発などを現地調査するなど、再稼働についての動きが非常に加速しています。
今年、おそらく夏ぐらいになると、今、申し上げました高浜原発ですとか、四国の伊方原発、そして九州の川内原発あたりが再稼働するのではないか、という話が多々出るようになりました。先生、いかがお感じになられていますでしょうか。
小出さん:
はい。私が望むわけではありませんけれども、今年の夏、あるいは秋頃に再稼働されてしまう可能性は高いと思います。
今西:
原子力規制委員会ですね、これまで以上に、福島原発事故以降、その安全審査に対して、かなりハードルを上げて厳しくやっているということが伝えられています。具体的には、どういう点を厳しくチェックするようになったのでしょうか?
小出さん:
はい。まあ、いろいろですけれども、たとえば福島第一原子力事故の際に放射性物質を大量に環境に放出したわけですが、それを防ぐためには、フィルター付きのベントという機能が必要だという議論が事故後に起きたのですね。まあ、元々その議論は前からあったのですけれども、日本は知らぬ存ぜぬで来てしまっていたものです。
それを再度、議論に乗せまして、再稼働する場合はフィルター付のベントをつけない限りはダメだとかですね、あるいは、活断層とかを考える時に、今までは過去13万年以内に動いたものだけが活断層ということだったのですけれども、40万年前までに動いた跡があれば、活断層と認めるとかですね、まあ、電源を多重化しろとかいくつかの点でこれまでより厳しくなりました。
今西:
その厳しくなったところをきちんとクリアできれば、再稼働しても安全なのでしょうか?そこが一番気になるのですが。
小出さん:
そんなことはもちろんないわけです。新しい規制基準は特に津波に対して注意をしろということが一番のメインになっているわけですけれども、原子力発電所の事故というのはもちろん、津波だけで事故が起きるわけではありません。
原子炉が大きく溶けてしまったという事故は過去4回ありました。1957年にイギリスのウインズケールという軍事用の原子炉が溶けてしまいましたし、79年には米国のスリーマイル島の原子力発電所、86年には旧ソ連のチェルノブイリ原子力発電所が溶けてしまいました。
そして、今回福島でまた溶けてしまったわけですけれども、そのうちで津波にやられたのはもちろん福島だけであって、他の原子炉が溶けた原因というのはそれぞれ全く別の要因があって、事故に追い込まれたわけです。
ですから、津波だけの対策をとった、あるいは地震に対してもなにがしかの対策をとった。だからといって事故が起きないということにはならないのです。
今西:
なるほど、なるほど、そうですね。それで、原子力規制庁ですね、安全審査をしておるのですが、原子力規制庁の皆さんも元々は原子力ムラにいらっしゃった方ばかりと言ってもいいのですよね。メンバーの方々。
そういう方々がハードルが上がった安全審査をするということなんですが、やはりどこかで馴れ合いというかですね、国会事故調なんかでも指摘されましたけれども、事業者側と一体となってしまうようなところはないのかという心配があるのですがいかがでしょうか。
小出さん:
もちろん、あるわけです。規制委員会の委員の方々が元々、原子力ムラの人たちなわけですし、規制委員会の実務を担っている元の原子力保安院、安全保安院もですね。これまで、原子力を推進するためにやってきた人たちなのですね、その人たちが実務を担っているわけですから何をやってもダメだと私はと思います。
今西:
そうですよね。これまで、一緒に推進しようとやってきた人たちがですね、片一方で急に態度を豹変させるというのは、なかなか日本人という立場に立ってみると難しいのではないかなと私もすごく思うのですが…
小出さん:
はい。原子力安全保安院などは福島の事故が起きたすぐ後でも、これからまだ原子力をやるんだという文章を作成していた、そういう人たちの集まりですので、今、安倍政権が返り咲いてまた財界と一緒に原子力をもう一度、復活させようと思っているわけですから、もちろん喜んで彼らは協力することになると思います。
今西:
それでですね、私は福島第一原発にも自分の目で見て取材に行ったのですけれども、今振り返ると、福島第一原発はひとつだけラッキーだったなと思う点があるのです。たとえば、福島第一原発というのは非常に敷地が広い、それで汚染水タンクとかですね、そういうものを置くスペースが十分にある。
100%とは言いませんけれど、かなり余裕があって取れたような時期もあった。今はかなりタイトになっていますが、たとえば伊方原発なんかを見ると、あまりスペースがないような気がするのですが、たとえば再稼働に向けてもし万が一事故があった、あのような汚染水タンクが必要になるということを考えるとですね、そういうところも規制委員会がチェックをすべきではないのか、というふうに考えたりするのですが…
小出さん:
はい。もちろん、本当はすべきなのですが、今回の規制委員会が作った基準は新規制基準と呼ばれているのですね。それは、新安全基準ではないのです。
なぜかといえば、どんなことをやっても安全とはいえないと…。だから、どこまでなら我慢するかというそういう規制の基準を決めているんだと、そういう宣言なのです。
ですから、福島の事故を受けてなにがしかの基準を厳しくしているわけですけれども、だからといって事故が起きないわけではありませんし、もうそのリスクに関しては諦めなさいと彼らが宣言しているのですね。
今西:
諦めるんですか?
小出さん:
はい。今、今西さん仰って下さったように、原子力発電所は固有の様々な条件を抱えていますので、一つの事故が想定されることに関してはある発電所が楽だったり、ある発電所が厳しかったりするわけですけれども、そういうものはもう仕方がないと。
全体として目をつぶって、危険があることは承知しながら進めようというのが今回の規制基準です。
今西:
なるほど、それで小出さんが最悪の施設だと仰られていました六ケ所村の再処理工場も安全審査を申請しています。この点についてはどのようにお考えでしょうか?
小出さん:
私としては原子力発電所の再稼働だって許しがたいと思いますし、再処理工場の再稼働、あるいは、まだまともに動いていないわけですけれども、動かし始めるということをなんとしても止めなくてはいけないと思います。
今西:
再処理というのはほとんどうまくいっていないということですよね。
小出さん:
元々、再処理というのは原爆材料のプルトニウムを取り出すという技術でして、核の軍事利用の一番中心技術なのです。
そのため、国と国との間で技術移転すらができないというなかなか難しい技術でして、日本は先の戦争に負けたがために原子力技術をほとんど持たないまま始まりまして、自分では再処理工場なんてつくる力が全くなかったのですね。
フランスから曲がりなりにも技術を導入して、1997年から東海村で小さな再処理工場を動かし始めました。その技術を使って六ケ所再処理工場を自前で作るんだと豪語していましたけれども、結局それも自前でできないで、またフランスに作ってもらった。
そして、それではあまりにも格好悪いということで、出てきた放射性廃液をガラスの部分に固めることだけは、なんとか自前でやりたいといってガラス固化装置を自分で作ったのですけれども、それが全く動かないということになっていまして、あまりにもお粗末な状態でここまで来てしまっています。
今西:
そうですね。そういう再処理工場をまた稼働させるということで、うまくいく可能性もあまり高くないと思えるのですが…。また、そこに税金が使われてしまう。そんなことするんだったら、福島第一原発の方にもっとたくさん使った方がいいと思えてならないんですけれど…。
小出さん:
もちろんです。再処理工場なんて、もうすでに2兆円、3兆円のお金をつぎ込んでいるのですけれども、まともに動いていないわけです。
そんなお金を使うのであれば、本当はもっともっとお金を使うところはあるわけですし、福島の事故の被害者の方たちの救済、あるいは事故の収束のためにこれから何10兆円かかるかわからないというお金が必要になるわけですから、政治家の方には目を覚まして欲しい、と私は思います。
今西:
分かりました。小出さんありがとうございました。
小出さん:
ありがとうございました。
http://www.rafjp.org/koidejournal/no56/
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「東電まかせではまた事故が起こる」 泉田知事
http://blog.livedoor.jp/home_make-toaru/archives/7453122.html
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