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自国民を意図的に虐殺する国・・・・
農と島のありんくりんから
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ウイグル問題に首を突っ込んで、まぁなんて言うのか、怒り疲れたという気分になっています。 知れば知るほど、どうしてこうもひどいことになっているのか種は尽きまじ、なのです。
今回は国家により秘匿され続けてきた、核実験場としての被曝地ウイグルです。
ウイグルで核実験が行われていたことは薄々日本でも知られていました。しかし、それがどのような規模と回数をもって、何回行われたのかについては、まったく闇の中でした。というのも、中国が相手だと毎度のことですが、中国政府はまったく核実験について公表しないからです。
ですから、ウイグルに隣接するカザフスタンでの観測資料と、日中友好協会(「正統本部」ではない方)から中国研究者の平松茂雄氏が入手した資料によって、日本放射線防護センター代表・幌医科大の高田純教授が「中国の核実験 シルクロードで発生した地表核爆発災害」(医療科学社)という労作にまとめたものしか、この世には存在しないことになります。
いや、正確にいうならば、英国のテレビ局が記録映画「死のシルクロード(Death on the silk road)」を放送して、フリーランスの映像作家に与えられる最高の賞を受賞しています。しかし、これも日本においては公開されていません。(*youtubeで見られるそうです)
さて、高田教授の本を早速Amazonから入手して読みました。衝撃的な内容です。今までこのような事実が世界に明らかにならずに隠蔽されてきたこと自体に、哀しみとも怒りともつかない気持にさせられます。
高田教授は、このウイグルでの中国の核実験の規模とそれが与えた放射線被曝の影響をこう報告します。
ウイグル人の暮らすウイグル地区のロプノルで、中国当局は1964年10月16日から1996年に渡って、0・2メガトン級〜4メガトン級の地表、空中、地下で延べ46回、総爆発エネルギー20メガトンの核爆発実験を行っている。うち、放射線災害として最も危険な地表核爆発を含む大気圏実験を、少なくとも1980年までに21回実施した。
ウイグル地区の当時の平均人口密度の推定値6.6〜8.3人/平方キロメートルから、死亡人口は19万人と推定される。また、健康影響のリスクが高まる短期および長期の核ハザードが心配される地表の推定面積は、日本国土の78パーセントに相当する30万平方キロメートルに及ぶ。
この延べ46回、総爆発エネルギー20メガトンという規模と回数自体信じ難い回数です。そしてそのうちの21回は最も放射線被害が危険だと言われ、現在いかなる国も実施していない地表核実験と大気圏内核実験だという衝撃の事実です。
そして更に驚くことはこの核実験が、なんと人口稠密なウイグル族居住地域の付近でなされたことです。
中国では、新疆ウイグル自治区(東トルキスタン)の楼蘭付近で、核実験を行い、周辺住民への甚大な健康被害と環境汚染をもたらしていた。
1981年まで継続的に降下した大量の核の粉塵によって、胎児に影響を与え、奇形の発生や、若い世代の白血病や癌の発生を引き起こすなど現地住民への大きな健康被害が多数発生した。しかし、中国共産党政府は核実験のことを公開しない上に、核実験による被害の事実を極秘に隠蔽した。
この周辺住民に核実験自体を秘匿し,避難もさせることなく実施するということ自体おおよそ近代国家では考えられもしないことです。私もかつて毛沢東思想華やかなりし時代に、原爆のキノコ雲に向けて突撃をする多数の人民解放軍兵士の姿を見てびっくりしたことを思い出しました。その時のナレーションも忘れられません。たしか「毛沢東思想で強く武装した兵士は放射能すら恐れない」でしたか。たぶんあの兵士の一団で、5年先まで生き延びた者はいないはずです。
これと同じ過ちは、アメリカも犯しており、ネバダ州の核実験場で原爆爆発直後の地域に兵士を突撃させて、多くのガンと白血病患者を生み出しました。これは兵士が訴訟をしたために、世界の知るところとなり、「アトミック・ソルジャー」と呼ばれました。
しかし、確かに彼らは気の毒であっても、核兵器に対して無知であったためです。核実験が実施されることは知らされていたはずです。しかし、付近の住民はそれすら知らされず、空中から長い時間をかけて降り注ぐ大量の放射能の粉塵と、放射能汚染された地下水で生活をすることを強いられたのです。
アメリカ軍のアトミック・ソルジャーたちは裁判で「私たち は原爆の人体実験に使われた」と訴えましたが、ウイグル民族はまさに数十万人単位で「原爆の人体実験」に供せられたのです。
中国がかつて実施した最大規模の核実験は4メガトンに達したが、旧ソ連の核実験を上回った10倍の威力だった。実験により大量に落下した「核の砂」と放射汚染は周辺住民計19万人の命を一瞬にして奪った。放射線汚染の影響を受けた面積は東京都の136倍に相当、中国共産党の内部極秘資料によると、75万人の死者が出たという。
そして高田教授はこう結論します。
核を持ち、核実験を実施した国はいくつかあったが、人口密度のある居住区で大規模な核実験を実施するのは中国だけだ、周辺環境への影響をまったく考えずに、まさに悪魔の仕業と言っても過言ではない。
(続く)
■写真最上段 前回お話したカミさんが担いできたモロッコ製の錫の大きな盆。これにも細密な金属彫刻がなされています。
■写真4番め ネバダ実験場の核実験。凍りつくような恐ろしい光景です。このなかを突撃させた軍部の正気を疑います。アメリカ人の核へのどうしようもない無知が恐ろしい。これと同質の恐ろしさを燐国は持っています。
■ちなみに、第1回の中国の核実験は1964年10月16日でした。なにかこの日付でピンときませんか?そうです。東京オリンピック開幕式の日です。中国は参加をボイコットして、その日にお祝いの核実験をしたというわけです。被爆国の平和の祭典に対して、よりにもよってものすごいブラックジョークをぶつけてきたものですね。
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